「キャノンフィルムズ爆走風雲録」監督が取材秘話明かす (original) (raw)

「キャノンフィルムズ爆走風雲録」監督来日、ヴァン・ダムらへの取材エピソード披露

2015年11月14日 20:32 4

本日11月14日、「キャノンフィルムズ爆走風雲録」の公開を記念したトークイベントが東京・シネマート新宿にて行われ、監督のヒラ・メダリアが登壇した。

本作は、映画製作会社キャノンフィルムズを率いて、1980年代にハリウッドで低予算のジャンルムービーを量産したイスラエル出身の従兄弟メナヘム・ゴーランとヨーラム・グローバスの友情や確執、離縁、融和を捉えたドキュメンタリー。低予算のヒット作を量産する一方、ジョン・カサヴェテスやジャン=リュック・ゴダールら商業主義とは一線を画す映画作家たちへ出資するなど、多方面で活躍した2人の軌跡を追う。

メダリアは、メナヘムとヨーラムに初めて会ったときのことを「面白いことに彼らは同じ質問をしてもまったく違う答えをするんです。そしてそのことで30分も討論をすることもあって」と振り返る。それぞれの印象については「メナヘムは前向きでオープンな性格で、インタビューにもすぐ応じてくれました。彼に『300本作った中で1番好きな作品は?』と聞くと、『僕が次に撮る作品だよ』と答えたのを覚えています。ヨーラムは閉ざしたところがあるので、心を開いてくれるまでに少し時間がかかりましたね」と述べた。

長きにわたって確執があったメナヘムとヨーラム。本作を撮るため彼らを追い続けてきたメダリアは「2人が決定的に和解したのは、2014年のカンヌ国際映画祭なんです。ロマン・ポランスキー監督が寄ってきて一緒に写真を撮ったりしたことで、自分たちがどれだけ愛されてきたかをそのときに知ったのです」と話す。また「ヨーラムがカンヌで『僕もキャノンフィルムズを一緒に去るべきだった』と言ったのを覚えています。彼のあんな言葉は初めてでしたね」としみじみと語る一幕も。

最後に、ジャン=クロード・ヴァン・ダムの大ファンだという観客から、取材時のこぼれ話を求められると、メダリアは「いい質問です!」と笑顔に。そして「ヴァン・ダムに取材したくて、エージェントや家族、当時活動のベースだった香港やベルギーにも電話しました。彼はいつもOKをくれるのですが、『今月は忙しいから』と延期を繰り返されていたんです」と明かす。しかしメダリアは諦めなかったといい、「友人がタイに行くときに、『もしヴァン・ダムに会ったら、2分でもいいから取材して!』とカメラを託しました。そうしたら偶然ヴァン・ダムがタイのプールにいて、友人のインタビューに10分間応じてくれたんです!」と、驚きのエピソードを披露。さらに「ただ、映画の公開前にはヴァン・ダムのチェックが必要でした。彼は映画を観てすぐ電話をくれたのですが、そのときなぜか怒鳴っていたんです。『こんなに真面目でいい作品だったら、もっと長くインタビューに応じたのに!』と言っていて」と続け、客席を沸かせた。

「キャノンフィルムズ爆走風雲録」は、11月21日より東京・シネマート新宿ほかにてロードショー。なお本作の公開に先駆けて、特集上映「メナヘム・ゴーラン映画祭」が、11月14日から27日までシネマート新宿と大阪のシネ・ヌーヴォにて開催される。

ヒラ・メダリアの映画作品

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