「モーターズ」渡辺大知が明かす渋川清彦の心遣い (original) (raw)

本日11月14日、東京・新宿武蔵野館にて「モーターズ」の初日舞台挨拶が開催され、監督の渡辺大知やキャストらが登壇した。

渡辺の初長編監督作にあたる「モーターズ」は、うだつの上がらない39歳の独身男・田中を中心に、田舎の整備工場で働く男たちの人間模様を描く作品。「下衆の愛」「お盆の弟」の渋川清彦が主演を務めている。

この日の舞台挨拶には、渡辺のほか出演者の犬田文治木乃江祐希前田裕樹鹿江莉生、脚本の磯龍介が参加。2年前に東京造形大学の卒業制作として本作を手がけた渡辺は、「今日は大きな第一歩な気がして、すごくうれしいです!」と公開を迎えた喜びを語る。続いて緊張した犬田が「役者を志していたわけじゃなく、大学の先輩に大知さんがいて……。タケオといういい役をもらったんですが、本当に自分でいいのかなと……」とたどたどしく話していると、渡辺は「ぴったりだから、大丈夫!」と声をかけた。

今回のキャスティング理由を聞かれた渡辺は「プロの役者であるかどうかっていうのはまったく意識してません。渋川清彦さんも僕にとっては大事な飲み仲間の1人で、大好きな先輩です。犬田くんも愛すべき後輩ですし、プロかどうかじゃなくて、僕の作品に愛を持ってやってくれる方で、ぴったりだなと思う人を選びました」と返答。また撮影前日に、渋川が緊張していた犬田を自宅に連れて行ったというエピソードを明かし、「(渋川に)何したんですかって聞いたら、『いろいろだよ! 映画観たり、いつもやってることをやった』と。犬田くんもその1日でガラッと変わって、素晴らしい佇まいを見せてくれました」と振り返る。

そんな中、数少ない女性キャストである木乃江へ、脚本を読んだときの感想に関する質問が。木乃江は「主人公の男性が『うわあ、気持ち悪いな』って思いました。でも大知さんとお会いしていろいろ話していくうちに、『これは大知さんなんだな』って……」と答え、「今の要約すると『大知さん気持ち悪い』ってこと!?」と渡辺を動揺させた。

最後に渡辺は「誰かと出会って特別なことが起こらなくても、それまでの自分とは変わった気がするというか、そういう出会いの美しさみたいなものを描けたらなと思って作りました。(観た人に)『俺、別に大したことしてないけど、これはこれで幸せだな』って思ってもらえたらいいなって。まあ、あとはラフに観てください!」と観客にメッセージを送り、イベントを締めくくった。

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