「神様なんかくそくらえ」監督が語る恋人役の秘話 (original) (raw)

元路上生活者の女優が実体験演じる「神様なんかくそくらえ」、監督が語る恋人役の秘話

2015年12月25日 22:45 2

明日12月26日に東京・新宿シネマカリテほかで公開される「神様なんかくそくらえ」より、監督ジョシュア・サフディのオフィシャルインタビューが到着した。

ニューヨークの路上で生活していた少女アリエル・ホームズの手記をベースに、ドラッグに溺れる若者たちの刹那的な毎日と恋を描く本作。ホームズ自身が主人公のハーリーを演じ、「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」のケイレブ・ランドリー・ジョーンズが恋人イリヤに扮した。役のモデルとなったイリヤ本人は今年4月に死去しており、エンドロールには彼をしのぶ「rest in peace」の文字が添えられている。

劇中ではイリヤがハーリーに自殺を促したり、彼女を置き去りにするシーンが登場するが、ジョシュアは「イリヤは彼女の人生に自由に入ったり出て行ったりして、その存在だけで他の人の存在を破壊してしまう。そういうパワーを持っている」と分析する。そんなイリヤ役にはスター的な資質を持った俳優をキャスティングしようと、当初は「ウォールフラワー」のエズラ・ミラーを候補に挙げていたという。しかしスタッフが提案したジョーンズの写真を見て、ホームズが「ケイレブだったらいい」と言ったことが起用につながったと、ジョシュアは振り返る。

「ケイレブは早く脚本がほしいと言っていたが、『君がニューヨーク行きの飛行機に乗るまであげないよ』と言って、代わりにアリエルがイリヤについて書いた章を渡したんだ」とジョシュアは明かす。「40ページ分におよぶ描写のうち、一部は映画に使った。でも、ほとんどは彼のエネルギーやフィーリングについて描写したものだったんだ。ケイレブはそれを読み込んだ。また、イリヤ本人の映像をたくさん見せると、ケイレブはどんどんイリヤに入り込んでいってくれた」とジョーンズに対して感謝を表する。

また本作の音楽は冨田勲やアリエル・ピンク、ヘッドハンターズが担当している。冨田の大ファンだったというジョシュアは、予告編でも使用された冨田が演奏する「月の光」について「伝統的でとてもロマンティックと思われているドビュッシーの曲を、まったく新しい解釈として、まるで火星の宇宙船の中にいるような雰囲気で表現してくれています」と語った。

なおこのたび、冨田からもコメントが到着。「私の音楽がこのように使われたのは初めてで、新鮮に感じました」と話す冨田は、作品に関しても「『欲望という名の電車』を想起させ、とても引き込まれた」と感想を述べている。

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