第30回東京国際映画祭コンペ含む全ラインナップ発表 (original) (raw)

この会見では、コンペティション部門への出品作を含む全上映作品のラインナップや審査員が発表された。88の国と地域から1538本の応募があった新作コンペティション。プログラミングディレクターを務める矢田部吉彦は、この1年における映画界全体の傾向を「社会的状況を描く作品から、個人の内面に切り込んだ作品が増えてきた」と話す。そしてコンペティション部門にも、そういった傾向の作品が自然と多く並んだことを明かした。ラインナップ15本のうち、8作品がワールドプレミアとなる。日本からは瀬々敬久の「最低。」、大九明子の「勝手にふるえてろ」がノミネートされた。

“長編映画の監督経験が3本まで”という条件で、アジアの新鋭監督を紹介するアジアの未来部門。かつて同映画祭に設けられていたヤングシネマ・コンペティションの意思を受け継ぎたいと語るプログラミング・ディレクターの石坂健治は、「未知との遭遇。まったく新しいアジア映画を、あなたの目で発見してください」と意気込む。10作品のうち、8本がワールドプレミアとなり、日本からは藤元明緒の「僕の帰る場所」が出品。そのほかシナグ・マニラ映画祭でグランプリを獲得したフィリピン映画「殺人の権利」、「父の初七日」のワン・ユーリンが監督を務めた「アリフ、ザ・プリン(セ)ス」などラインナップされた。

会見にはコンペティション部門に出品された「最低。」より、監督を務めた瀬々、キャストの森口彩乃佐々木心音山田愛奈、同部門に出品された「勝手にふるえてろ」より、監督を務めた大九、また特集上映が行われる映画監督・原恵一がゲストとして応援に駆け付けた。さらに「勝手にふるえてろ」で主演を務めた松岡茉優からのコメント動画も上映された。瀬々は紗倉まなによる原作小説「最低。」について、「いわゆるAV業界の裏話的なものではなく、AV女優たちの友人や家族関係など、日常が緻密に書かれています」とコメント。着ているTシャツのマークについて問われた原は「実はこれ、今作ってる次回作に関わってるマークなんですよ」と明かした。

第30回東京国際映画祭は、10月25日から11月3日にかけて東京・六本木ヒルズほかにて開催。チケットは一部の作品のみ9月27日正午より先行抽選販売の申し込みを受け付け、10月14日に一般発売となる。スケジュールなどの詳細は、公式サイトで確認してほしい。

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