片渕須直も絶賛、グリム童話をアニメ化した作品が公開 (original) (raw)
片渕須直も絶賛、グリム童話「手なしむすめ」を独自の手法でアニメ化した作品が公開
2018年5月12日 6:00 8
2016年のアヌシー国際アニメーション映画祭で審査員賞と最優秀フランス作品賞をダブル受賞したアニメーション「大人のためのグリム童話 手をなくした少女」が、8月より公開される。
ドイツの民話集「グリム童話」に収録されている「手なしむすめ」をもとにした本作。悪魔のたくらみによって両腕を奪われた少女が、数奇な運命に翻弄されながらも豊かな自然に助けられ、自分だけの幸せを見いだしていく。「彼は秘密の女ともだち」のアナイス・ドゥムースティエ、「わたしたちの宣戦布告」のジェレミー・エルカイムが声のキャストに名を連ねた。
監督を務めたのは「Vasco(原題)」「Vibrato(原題)」といった短編アニメーションで知られ、本作が長編デビュー作となったフランスのセバスチャン・ローデンバック。毎回異なる手法でアニメを制作するローデンバックは「大人のためのグリム童話 手をなくした少女」を自身の造語である“クリプトキノグラフィー”と呼ばれる手法で作り上げた。これは「暗号」を意味するクリプトグラフィーと「映画」を意味するキノを組み合わせた言葉で、動きの美しさを際立たせるための手法だという。ローデンバックはすべての作画をたった1人で担当。このたびローデンバック描き下ろしのポスタービジュアルも公開された。
「大人のためのグリム童話 手をなくした少女」は東京・ユーロスペースほか全国で順次ロードショー。なお「この世界の片隅に」の片渕須直、「ソング・オブ・ザ・シー 海のうた」のトム・ムーア、「頭山」「怪物学抄」で知られる山村浩二が本作に絶賛のコメントを寄せている。
片渕須直 コメント
水墨画のように省略が行き届いたアートスタイルにたじろぐな。
童話という言葉に心の窓を曇らせるな。
ここにあるのは映画だ。重厚で凄まじい一本の映画だ。
トム・ムーア コメント
アヌシー映画祭で見た「手をなくした少女」に言葉を失った。
その完璧さと美しさに、ため息。
山村浩二 コメント
おとぎ話に血を通わせ、現代を生きる我々に訴えかける、
切断と接続の物語。駒の間での線の欠落と補填、
削ぎ落とした要素で成立させた画面は、見ることへの
興味を沸き立たせる。アニメーション描画における省略の
可能性の追求という点でとても共感している。
(c)Les Films Sauvages - 2016
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