鈴木卓爾、TAMA映画賞作品賞は「受け止めきれない」 (original) (raw)

第11回TAMA映画賞の授賞式が本日11月17日に東京・中央大学多摩キャンパスのクレセントホールで開催。最優秀作品賞に輝いた「嵐電」の監督を務めた鈴木卓爾、「長いお別れ」の監督・中野量太らが出席した。

「嵐電」は京都市街を走る路面電車・京福電鉄嵐山線を舞台に、3つの恋愛が交錯するさまを描く物語。キャストやスタッフとともに登壇した鈴木は「TAMA映画賞はスタッフとキャスト一同に賞をくださいますので、私1人では受け止めきれません。それぐらい重く濃いものが詰まっていますので、それを受け取ってもらいたくてみんなに来てもらいました。皆さんがくださった賞を受け取る準備は万全です」と晴れやかに笑う。今後の予定や抱負を問われると、鈴木は「京都にいて学校の先生をやっているので、次にいつ映画を撮れるかわかりません。誰か仕事をください」とジョークを飛ばした。

中島京子の同名小説を実写化した「長いお別れ」では、山崎努演じる厳格な父・東昇平が認知症になったことをきっかけに、家族が自分たちを見つめ直していく様子が描かれる。中野は「認知症を扱っている作品ですが、原作を読んでいるとクスッと笑ってしまう部分がありました。今撮るべき映画を撮りたいと思っていたので、こういう形で認知症を描く作品は今やるべきだと思ったんです」と振り返った。

最優秀新進監督賞は「僕はイエス様が嫌い」の奥山大史と、「ホットギミック ガールミーツボーイ」「21世紀の女の子」の山戸結希が受賞。奥山は主人公ユラを演じた佐藤結良や、ほかの子役への演出として、台本を渡さなかったことを語り「是枝裕和監督も実践されている手法ですが、こうして背中を追いたくなる監督が同時期にいたことも、この映画を作れた理由だと思います」と力強く話した。

これまでの監督作に、10代の男女をモチーフにしているものが多いことから「どんな人に映画を届けたいですか?」という質問を受けた山戸。「ティーンエイジャーは1つ間違えると、そのことが致命傷となってずっと残ってしまうような大事な時期なので、リアルタイムでその時期を生きている人や、そのときの傷を癒せずにいる人にご覧になっていただければうれしいです」と答えた。

また授賞式には、特別賞受賞作「新聞記者」のプロデュースを担当した河村光庸、同じく特別賞を獲得した「天気の子」で制作を担当したコミックス・ウェーブ・フィルムの伊藤絹恵が出席した。

第11回TAMA映画賞の受賞結果は以下のとおり。第29回映画祭TAMA CINEMA FORUMは、11月23日から12月1日まで多摩市内の各所で開催される。

※山崎努の崎は立つ崎(たつさき)が正式表記

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