「コンプリシティ」藤竜也がルー・ユーライを絶賛 (original) (raw)

コンプリシティ/優しい共犯」の初日舞台挨拶が本日1月17日に東京・新宿武蔵野館で行われ、キャストのルー・ユーライ藤竜也松本紀保、監督の近浦啓が登壇した。

第19回東京フィルメックスで観客賞を受賞した本作は、ルー・ユーライ演じる中国人青年チャン・リャンと、藤扮する蕎麦屋の主人・弘の交流を描く物語。松本が弘の娘・香織役で出演している。

まずマイクを握った近浦が「配給できるか保証がない中、映画への情熱だけを信じて出演してくれたキャストの皆さん、そして今日集まってくれた観客の皆さんに心から感謝しています」としみじみ述べる。藤は「公開されるかどうかわからなかったんですね……初めて知りました」と笑い、「僕は台本を読んで出演したいと思ったらあとのことはどうでもいいんです。演じられる喜びで十分です」と満足げな表情を見せた。

本作で日本映画初出演を果たしたルー・ユーライは「僕は大学で映画を勉強していた頃から藤さんのことを知っていました。僕にとっては神様みたいな人。共演できてすごくうれしい」と喜びを伝える。それを受けた藤が「彼はとても切ない演技をするんです。すごくいい!」と賛辞を贈ると、ルー・ユーライはうれしそうに笑みをこぼした。本作の撮影監督を務めたのは、是枝裕和や河瀬直美の作品で知られる山崎裕。ルー・ユーライは「山崎さんが撮影中に自分でカメラを持っていたことに驚きました。中国では撮影監督は自分でカメラを持たないんです」と述懐し、会場を訪れていた山崎に笑顔で手を振った。

数多くの舞台に参加してきた松本。本格的に映画に出演するのは本作が初めてだそうで「舞台では言葉や動作でその土地を観客の皆さんに伝えていきます。でも映画は実際にその土地に足を運んで撮影することができる。それが強みだなと思いました」と語り、「でも、舞台も映画もキャストやスタッフの連帯感が生まれるところは一緒ですね」とはにかんだ。

イベント終盤にはルー・ユーライ、藤、松本が共演シーンを振り返る場面も。「どのようにコミュニケーションを取っていたか?」と問われた藤は「取ってません! すべてアイコンタクト」ときっぱり回答。松本も「細かい打ち合わせはなかったです」と思い返す。ルー・ユーライが「カメラが回ってないときも、家族」と口にすると、藤と松本は深くうなずいた。

「コンプリシティ/優しい共犯」は新宿武蔵野館で公開中。

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