「100人が選ぶ松竹映画」に大泉洋、広瀬すずら (original) (raw)

松竹映画100周年記念企画「100人が選ぶ松竹映画」が、本日12月9日に特設サイト「松竹映画100年の100選」で公開。山田洋次倍賞千恵子大泉洋広瀬すずら100名が参加した。

映画製作・配給事業を開始してから、2020年で100年を迎えた松竹。本年は国内での特集上映や展示会、特集放映、海外映画祭での特集など、さまざまな取り組みを行ってきた。その締めくくりとなるのが各界で活躍するオピニオンが好きな松竹映画を選び、コメントを寄せた「100人が選ぶ松竹映画」だ。

山田は小津安二郎の代表作「東京物語」を選出。また倍賞は思い入れの深い出演作「下町の太陽」、大泉は10代の頃に心をわしづかみにされた 「蒲田行進曲」、広瀬は鑑賞したことで人生の楽しみが増えたという「舟を編む」を挙げた。それぞれが作品への思いを語るコメントは下記に掲載している。

そのほか映画監督では朝原雄三足立紳上田慎一郎沖田修一黒沢清塚本晋也中野量太橋口亮輔樋口尚文ポン・ジュノ本木克英本広克行山崎貴、俳優では竹中直人毎熊克哉松坂桃李も参加。お笑い芸人では上島竜兵ダチョウ倶楽部)や昴生(ミキ)、木本武宏TKO)ら、音楽業界からは石井竜也コトリンゴ、堀込高樹(KIRINJI)などがコメントを寄せた。またプロデューサーや評論家、ライター、劇場支配人、映画祭コーディネーター、映画サイト編集長といった映画関係者も名を連ねている。

全選定作品とコメントは特設サイトで確認を。

※塚本晋也の塚は旧字体が正式表記

山田洋次が選ぶ松竹映画「東京物語」

世界中の映画人が、この作品を映画史の中でのNo.1にあげることについて異論はない筈です。この作品が作られた松竹大船撮影所で修行したことを、そして小津監督の謦咳に接する機会があったことを、ぼくは心から誇りに思っています。

倍賞千恵子が選ぶ松竹映画 「下町の太陽」

当時私が歌ったデビュー曲「下町の太陽」がヒットしたことがきっかけで映画化されたのがこの作品です。私も下町育ちなので、 町工場や路地など、住んでいた町と映画に出てくる町が似ていて、まるで近所に住んでいそうな人が出てきて、撮影がとても楽しかったのを覚えています。この作品で、私は「庶民派女優」と呼ばれるようになって、そしてこれが山田洋次監督との初めての仕事で、ここから「男はつらいよ」シリーズにつながっていったのだと思うと、自分の俳優人生を決定づけた、大切な記念すべき作品です。(一部抜粋)

大泉洋が選ぶ松竹映画 「蒲田行進曲」

私の好きな松竹映画は「蒲田行進曲」です。
初めて見たのは、10代半ばくらいだったでしょうか。
今まで見てきた映画やドラマとは役者の芝居が明らかに違う気がして、とても惹きつけられたのを覚えています。
今思えば、この映画の役者の演技は映画の演技というより、つかこうへいさんの舞台の熱気をそのまま映像で再現したような演技だったのではないでしょうか。
ヤスの階段落ちの後の平田満さんと風間杜夫さんの熱演がめちゃめちゃかっこよかった。スピーディーな物語の展開、心を鷲掴みにされる役者達の演技。
今でも、こんな映画に出られたら良いなぁと憧れる作品です。

広瀬すずが選ぶ松竹映画 「舟を編む」

言葉集め、それは馬締さんにとっては宝探しのようで、あのキュートさがとっても魅力的でした。
言葉を落としていくような感覚で使いたくなくなる気持ちになりました。
言葉を発することで時代を感じるように、私ももう少し歳を重ねたら、この映画に新たな共感が生まれ、より楽しい世界を見られるのかなと思いました。
自分だけに送ってくれる言葉で、どれほど救われていくのか、これからの人生の楽しみが増えました。
高揚を感じながら、モノ作りするということは、深呼吸も大切ですね。とても優しい作品でした。

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