“奴隷牧場”描いたR・フライシャー監督作「マンディンゴ」約46年ぶりに劇場公開 (original) (raw)

リチャード・フライシャーが1975年に発表した「マンディンゴ」のデジタルリマスター版が、3月12日より東京・新宿武蔵野館ほか全国で順次公開される。

本作は19世紀半ばの米ルイジアナ州を舞台に、“奴隷牧場”を経営する父子の栄光と没落を描いた歴史スペクタクル。「海底2万マイル」「ミクロの決死圏」「絞殺魔」などで知られるフライシャーが、カイル・オンストットによる同名ベストセラー小説を映画化した作品だ。

タイトルの「マンディンゴ」は、かつて黒人奴隷売買の市場で高値で取引された種族のこと。物語はアメリカ南部で有数の大農園を経営するマクスウェルと、20歳になる一人息子ハモンドが軸となる。奴隷の輸入禁止に伴う労働力の減少により、米国内で黒人を育てて売買する“奴隷牧場”が盛んとなった時代が舞台だ。ハモンドは名家の娘ブランチと結婚するものの彼女が処女でなかったことに怒り、黒人の女性エレンとの情事に溺れる。一方のブランチも屈強な黒人奴隷ミードと関係を結んで妊娠。貴族主義的な白人一族が破滅の道を歩んでいく。

キャストにはジェームズ・メイソンスーザン・ジョージケン・ノートンペリー・キングリリアン・ヘイマンブレンダ・サイクスポール・ベネディクトが名を連ねた。公開当時は、人種差別を正面から描いたセンセーショナルな内容により大ヒットを記録。しかし、全米の批評家からは偏見を助長する屈辱的な内容として「最悪の映画」と酷評された。のちにクエンティン・タランティーノが、本作にインスピレーションを受け「ジャンゴ 繋がれざる者」を手がけたことでも知られる。

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