水川あさみや池松壮亮が参加「モダンラブ・東京」製作 (original) (raw)
Prime Video Japan初となる戦略およびラインナップに関する記者発表会「PRIME VIDEO PRESENTS JAPAN」が本日3月30日に開催。Amazon Original「モダンラブ・東京」の製作が発表され、キャストの水川あさみ、池松壮亮、監督の黒沢清が出席した。
ニューヨーク・タイムズ紙のコラム「Modern Love」に投稿されたエッセイをもとにした「モダン・ラブ ~今日もNYの街角で~」。舞台を東京に移した「モダンラブ・東京」では1話完結のオムニバス形式で愛の物語がつづられる。その中の1編「息子の授乳、そしていくつかの不満」に出演する水川、「彼は私に最後のレッスンをとっておいた」に出演する池松のほか、永作博美、ユースケ・サンタマリア、ナオミ・スコットがキャストとして参加。黒沢のほか平柳敦子、荻上直子、廣木隆一、山下敦弘らが監督を務めた。
オムニバスの1編「彼を信じていた13日間」で監督を務めた黒沢は「これまで、モダンともラブともほとんど縁がない作品ばかり撮っていた僕に声を掛けていただいて。初心に戻ったような気持ちで監督しました。30分強という長さしかないんですが、全世界に配信されるものですし、高いクオリティを要求されている。身が引き締まる思いで引き受けました」と述懐。そして「アメリカ版はニューヨークをとても印象的に撮っていて、街を再発見できるようなシリーズだった。東京という街を再発見できるような作品になっていればいいなと思っています」と期待を込めた。
アメリカ版を観ていたという水川が「こうやって新たなプロジェクトに参加できるのは光栄です」と言うと、池松も「僕もオリジナルの『モダン・ラブ』を拝見してまして、しっかりと人と人が愛し合うこと、出会うことを描いていて、とてもいいなと思っていたんです。そういうシリーズに関わることができて光栄に思っています」と述べる。
本作にはショーランナーとして「オー・ルーシー!」などで知られる平柳が参加。平柳との仕事について水川は「普段は海外にいらっしゃる方。新しい世界観、視点で東京を捉えながら撮っていくというのは面白いと感じました」と印象を語り、「平柳さんは『ここは能面でやってほしい』とか『息をしないでほしい』とか今までにない演出をされる方で。最初は何を言っているのかわからず頭を抱えたんですが、撮影が終わったあとに、演技に対する考えがリセットされた気がして、貴重な体験でした」と振り返る。アメリカ・ロサンゼルスで全編撮影した池松は「アメリカのクルー、平柳さん、ナオミ・スコットさんとご一緒して楽しかったです。物理的な距離を超えて会いに行って、そういうことが現代的な希望に映ればいいなと思います」と真摯に伝えた。
最後に水川は「愛という普遍的で、人間が生きるうえで大切にしたいものがテーマになっていると思います。どの作品に寄り添うと気持ちがいいのか、そういうことを考えながら楽しんでいただけたら」とコメント。池松は「脚本が素晴らしかったです。グローバルな視点を持った新たな試みを発表できたことをとても光栄に思っています」と口にした。
「モダンラブ・東京」は2022年秋にAmazon Prime Videoで配信予定。
※平柳敦子の柳は木へんに夘が正式表記
※記事初出時より、出演者・監督のコメント、ビジュアル、特別映像を追加しました
水川あさみ コメント
愛の喜びとか愛の悲しみとか、誰にとっても普遍的なものがテーマになっています。今の時代に愛を語るのは少し恥ずかしくてくすぐったいですが、様々な愛の形や姿が描かれているので、自分はどの物語に寄り添えるのかとドラマを観て共感してもらえると嬉しいです。
永作博美 コメント
普段見ているラブストーリーよりも、愛のスケールが大きいと思います。だから、観たら絶対にちょっと恋したくなると思います。幸せの泡がポコポコ浮いてくるような物語ですので、それを掴んで楽しんで下さい。
ユースケ・サンタマリア コメント
「モダンラブ・東京」はちょっと大人で、甘酸っぱいだけのものではなく、ほろ苦いとも違うようなちょっと乾いた物語になっています。今まであまりそういう物語はなかったと思うので、海外でも人気ですし、そういう作品を見たい人は多いと思います。黒沢監督の作品として自信があるので、ぜひ楽しみにしていてください。
池松壮亮 コメント
平柳敦子さん、ナオミスコットさん、Amazon US とJapanチーム、アメリカの撮影クルー、素晴らしい方々に出会い、人と出会うこと。想うこと。愛するということについて取り組みました。距離や違いを越えてゆくこのラブストーリーのプロセスと機微に今の時代の希望を探しました。Modern Loveという素晴らしいシリーズの一員になれたこと、心から光栄に思います。
ナオミ・スコット コメント
もともと「モダンラブ」シリーズのファンでしたし、日本や日本の文化も大好きなので、この作品に参加することはまったく難しい決断ではなかったです。脚本を最初に読んだとき、意図的 / 計画的でありながら、自発的 / 能動的であるという両方の側面を持ったこの作品のメッセージに、とても共感しました。自分の「勘」を信じることを教えてくれる感動的でかわいらしい作品に仕上がったと思います。
平柳敦子 コメント
「愛」というのは、異なる国や、文化や、価値観を持っていても、「愛」であり、変わりがなく、私たちを結びつけるものです。それは、私たちが生まれながらにして持っているものであり、私たちのコアにあるものです。考えなくても、分析しなくても、瞬時に理解できる世界共通語なのです。アメリカ発の「愛」の物語を、日本独自の物語にアレンジし、オリジナルと同じように世界のオーディエンスにインパクトを与えることができれば、その証しになるのではないかと期待しています。
黒沢清 コメント
これまで「モダン」にも「ラブ」にも縁がなかったので、僕に本当にできるのかなと最初は不安もありました。でも、永作さんとユースケさんには、何と言うか永遠の青春とでも呼ぶべき輝きがあるんですね。作品は、当初は予想もしなかった不思議な方向へとシフトしていきました。元々は小さな所帯じみた話なのですが、お二人が演じるとそれがどこか神話のような雰囲気を帯びてくる。素晴らしい経験でした。
荻上直子 コメント
海外版のように、軽快で楽しく、温かい気持ちになれるような作品にしたいと思いました。オムニバス作品は気軽に観られる点が一番魅力的だと思います。その日のその時の気分で、1話から観てもいいし、タイトルで選んで観てもいい。私の場合は、1日の最後に布団に潜り込みながら観ています。
廣木隆一 コメント
オムニバスは連続ドラマのように同じ人が出るわけではなく、一つ一つがパズルのようで、7つの作品全体が『モダンラブ・東京』を形成しているから面白いですよね。それぞれの監督の作品ごとにテイストが違いますし、皆さんが『モダンラブ・東京』をどういう風に考えて描いたのか楽しみです。
山下敦弘 コメント
海外版の「モダンラブ」を面白く観ていたので、あの空気感をどう東京に置き換えればいいのかを考えながら作りました。“どこにでもありそうな特別なお話”という、「モダンラブ」の持つ魅力をどうやって東京に活かせるか? あとは、役者達が素敵に見える作品になればいいなと思いました。