「大河への道」中井貴一が高倉健からの電話に鳥肌 (original) (raw)
「大河への道」中井貴一が高倉健からの電話に鳥肌、松山ケンイチは現場の雰囲気報告
2022年5月9日 22:38 11
「大河への道」の先行プレミア上映イベントが本日5月9日に東京・新宿ピカデリーで行われ、キャストの中井貴一、松山ケンイチ、北川景子、岸井ゆきの、和田正人、溝口琢矢、平田満、橋爪功が登壇した。
本作は立川志の輔による新作落語をもとにした物語。千葉県香取市役所の職員と大物脚本家が、地元の偉人・伊能忠敬が主人公の大河ドラマ実現を目指して悪戦苦闘する現代コメディと、200年前の日本地図完成に隠された秘話を映し出す時代ミステリーを交えた構成になっている。中井が総務課主任・池本 / 天文学者の高橋景保を演じた。
自ら志の輔に映画化の直談判をしたという中井は「時代劇を残さないといけないと思っているんです。ただ観ていただけないものはダメ。どういうものがよいのか試行錯誤する中で、志の輔師匠の落語に出会って、これを映像化したら楽しく観ていただけるんじゃないかなと思ったんです」と述べ、「そこからスタートして、まさかその間にコロナ禍が来るとは思わなかった。脚本だけで4年ぐらい掛かって、撮影も1年延びました。だから胸が熱くなる思いです」と客席を見渡す。
現代と江戸時代で1人2役を演じた松山は「現代劇のパートでは、貴一さんにごはんに連れて行ってもらうときの雰囲気そのまま。こんなに笑わせてくれる人はいないんです。作品にもそれがいい影響になりました。仕事した感じがしないですね」と笑みをこぼす。北川が「本当に楽しそうに2人とも笑っていて。子供同士がじゃれ合っているようでした」と報告すると、中井は「芝居をやるときは、子役と動物とは仲良くなるんです。松山くんともそんな感じです」と茶目っ気たっぷりに語った。
イベント中盤には55歳で日本地図を作り始めた伊能忠敬にちなみ、55歳から始めたいことをキャストが問われる場面も。北川は「肉体改造したいです!」、岸井は「器械体操をやっていたので、もう1回始めたらどうなるか気になります」、和田は「俳優になってなかったら駅伝の監督になりたかったんです。だから若い人たちが汗かいているのを眺めたいですね」と回答する。続く溝口は「55歳までに日本全国巡ることはないんじゃないかなって思っているので、行ったことがないところには行ってみたいですね。最初は世界一周って思ったんですけど、55歳からだと長い時間飛行機乗るのも大変だし……」とコメント。中井がすかさず「大変じゃないよ! 飛行機ぐらい乗りますよ。ねえ橋爪さん!」と声を上げ、会場に笑いを起こした。
また本作の物語に関連し、鳥肌が立った経験を尋ねられた中井は「中国で映画を撮影しているときに、なかなかないことなんですが諸問題が起きて日本に帰ろうとしたんです。そのときにホテルの電話が鳴りまして。スタッフだろうと思って出たら『もしもし、貴一ちゃんどうしてる? 高倉ですけど』って。高倉健さんからの電話だったんです」と振り返り、「そこでいろいろお話ししたら、高倉さんが『こらえろ』と言ってくださって。どっかで見ているんじゃないかと思うタイミングで電話がかかってくるって、すごいですよね。そのときに鳥肌が立ちました」と約20年前のエピソードを披露する。
最後に中井は「ここ数年、コロナというものにエンタメの世界は苦しめられました。演劇も映画も不要不急と言われ、この世界にいる人間には堪えたと思います。でもそんな中、僕自身を救ってくれたのはエンタメだった気がしてます」と吐露し、「こういう時代が続くかもしれないですが、前を向いて映画も演劇も続けていきたいと思っています。支えてくださるのはお客様しかいない。笑ったり、泣いたりしてくださることが映画、演劇が続いていく力になると思っています」と真摯に伝えた。
中西健二の監督作「大河への道」は5月20日より全国で公開。
(c)2022「大河への道」フィルムパートナーズ