SKIPシティ映画祭、国際コンペ最優秀賞は仏作品 (original) (raw)
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022のコンペティション部門のクロージングセレモニーが本日7月24日に行われ、グランプリほか各賞が発表された。
“若手映像クリエイターの登竜門”として次代を担う才能の発掘を目指すSKIPシティ国際Dシネマ映画祭。国際コンペティションには99の国と地域から775本の応募があり、10本がノミネートされた。最優秀作品賞(グランプリ)はフランスのサミュエル・セイス監督作「揺れるとき」が受賞。仏ロレーヌ郊外の貧しい地域で暮らす10歳の少年ジョニーが、ときに家族とぶつかりながら成長していく姿を描いた作品だ。
セイスは「さまざまな物語が語られ始め、技術革新によって新たな領域への挑戦が始まっているので、観客の皆さんが再び映画館へ足を運んでくれるといいなと希望を抱いています」とコメント。国際コンペティション審査委員長の寺島しのぶは「映画としての完成度の高さと、未来を感じました」とビデオメッセージで評した。
国内コンペティションの優秀作品賞は、短編部門が若林萌監督作「サカナ島胃袋三腸目」、長編部門が余園園監督作「ダブル・ライフ」に決定。魚の腹の中で暮らす豚と魚とおたまじゃくしをポップに描いた「サカナ島胃袋三腸目」について、審査員の鶴田法男は「監督だけでなくこの作品に関わっている皆さんの才能が素晴らしく、今後大きく期待できると思いました」とコメントした。また“レンタル夫”を題材とした「ダブル・ライフ」を、審査員の月永理絵は「人の手と手が触れ合う瞬間の喜び、眼差しが交差するまでの緊張感など、身体の動作や視線によって物語を立ち上げていこうという強い力を感じました」と評価した。
すべての国内作品の中から選出されるSKIPシティアワードは、霧生笙吾の監督作「Journey」が獲得。肉体から意識を解放することが可能となった近未来を舞台にしたSF作品で、霧生は「まず足りないことだらけで、課題は山積みだと思っています。いろいろな意見をいただけて、自分の課題の多さに気付かせてくれた作品だと思います。でも逆に作る楽しさも、今回の制作を通して学べたので、次回はSKIPシティの機材をめちゃくちゃ使って、またSF映画を撮りたいなと思います」と抱負を述べた。なおSKIPシティアワード受賞者には、SKIPシティにおける映像制作の一定期間のサポートが提供される。
すべての受賞結果は以下の通り。なおオンライン配信は、引き続き7月27日23時まで開催される。
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022 受賞結果
国際コンペティション
最優秀賞作品賞(グランプリ)
「揺れるとき」(監督:サミュエル・セイス)
監督賞
「マグネティック・ビート」(監督:ヴァンサン・マエル・カルドナ)
審査員特別賞
「UTAMA~私たちの家~」(監督:アレハンドロ・ロアイサ・グリシ)
観客賞
「彼女の生きる道」(監督:セシル・デュクロック)
国内コンペティション
SKIPシティアワード
「Journey」(監督:霧生笙吾)
優秀作品賞(長編部門)
「ダブル・ライフ」(監督:余園園)
優秀作品賞(短編部門)
「サカナ島胃袋三腸目」(監督:若林萌)
観客賞(長編部門)
「ヴァタ ~箱あるいは体~」(監督:亀井岳)
観客賞(短編部門)
(c)Carmina