「ブックスマート」監督の新作がヴェネツィアで初披露 (original) (raw)

「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」で知られるオリヴィア・ワイルドの長編2作目「ドント・ウォーリー・ダーリン」がイタリア現地時間9月5日に第79回ヴェネツィア国際映画祭でワールドプレミア。記者会見とレッドカーペットが行われた。

本作は完璧な生活が保証された街を舞台に、主人公アリスの周りで起こる不気味な現象を描いた“ユートピアスリラー”。監督デビュー作の「ブックスマート」で数々の映画賞を席巻したワイルドの新作は、映画祭のアウト・オブ・コンペティションに正式招待された。レッドカーペットにはキャストが勢ぞろい。フローレンス・ピューハリー・スタイルズジェンマ・チャンクリス・パインらが登場した。上映後は約5分間のスタンディングオベーションが贈られ、「大胆で、ひねくれた、視覚的に見事な心理スリラー」「フローレンス・ピューの傑出した演技と並外れた職人技のすべてが完璧に表現されている」と称賛のコメントが寄せられている。

ピュー演じるアリスが何不自由なく暮らす美しい景観の街に、徐々に狂気が広がっていくさまを描いた本作。その世界観について会見で問われたワイルドは「ノスタルジアへの危険性に触れている作品。この街には美しくも邪悪という両輪が存在します」と語る。「ブックスマート」に引き続き脚本に参加したケイティ・シルバーマンと一緒に世界観を構築したそうで「女性たちに対するメッセージも含めており、自分自身を自分でコントロールできるかについて言及したくて、その思いが大きなモチベーションにつながっていました」と根底にある思いを明かす。会見への出席が叶わなかったピューに向けては「フローレンスは本当に力強い、素晴らしい女優。今夜、彼女の素晴らしい演技を祝福できることが本当にうれしいです」と賛辞を送った。

映画への本格出演は2017年の「ダンケルク」以来となったスタイルズは、音楽と俳優業の違いを聞かれると「いろんな意味で対極にあります。音楽を作るのはパーソナルで個人的な作業。対して芝居は自分ではない誰かを演じるので、違う角度から探究ができます。次に何が起きるかわからない、未知の楽しさがありますね」と吐露。アリスの夫ジャックを演じた本作の撮影を振り返り「何も欠けていない完璧な世界でかっこいい車に乗ったりするのはとても楽しいことでした。自分が生きているところとは遠い世界。しっかり細部まで作り込んでくれたので、最後までリアルな演技をすることができた。そういう意味ではお芝居をしている意識はなくて、皆さんが作ってくれた世界に救われました」と語った。

「ドント・ウォーリー・ダーリン」は11月11日より全国ロードショー。国内では第35回東京国際映画祭ガラ・セレクション部門での上映も決まっている。

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