こだまたいち主演作「ゆめのまにまに」が11月公開 (original) (raw)
俳優や音楽家のマネージメント会社・ディケイドの設立30周年記念映画「ゆめのまにまに」が11月12日に公開。キービジュアルが到着した。
東京・浅草に実在する古物商店・東京蛍堂を舞台とする本作は、不在がちな店主の和郎に代わり、毎日店番をするアルバイトのマコトを主人公とする物語。夏の終わりのある日、訳ありそうな女性・真悠子が店にやって来る。和郎に会いに来たようだが、避けているようにも見える真悠子。マコトは次第に、毎日足繁く店に通う彼女のことが気になり始める。
俳優のほか、フォークバンド・酔蕩天使のリードボーカルとしても活動するこだまたいちがマコト役で主演。熊本から上京した真悠子に千國めぐみ、東京蛍堂の常連客・唐子に中村優子、和郎に村上淳が扮した。現在YouTubeでは予告編が公開中だ。
監督と脚本を担当した張元香織は「東京蛍堂のような古物店は、モノだけでなく様々な色濃い感情エネルギーが集まり、留まり、放出される場所なのです。皆さんにこの映画を観てもらえること、とても楽しみにしています」とコメント。こだまは「お話を頂いた当初、張り切るあまり撮影地である浅草六区・東京蛍堂を中心としたありとあらゆる道をゆき、何時間も何十周も台詞を唱え…初主演のプレッシャーと興奮をマーキングしながら歩き回っていました」と振り返り、「同世代や下の世代の新人俳優の皆さんと切磋琢磨しながら撮影に向かっていけたこと、現場で先輩方の胸を借りながらお芝居の楽しさに改めて気づけた事、その経験は宝物です」と語っている。そのほかのキャストのコメントは下記に掲載した。
「ゆめのまにまに」は東京・ユーロスペースほか全国で順次公開。
張元香織 コメント
理由もなく惹かれる、直感的にいいと思う、好きで欲しくてそばに置きたい、頭から離れず夜も眠れない!
そんな強い感情について、私はよく考えます。
それは時には行き過ぎたり偏ったり、まさに人を盲目にする感情のことです。
そんな感情はどこから来てどこへ行くのか。
その思考のテーマは、古物店を舞台にすることで、映画の世界観にぴったりとはまりました。
あとは、そこから受け取ったものを、流れの隨(まにま)に、脚本に描いていきました。
東京蛍堂のような古物店は、モノだけでなく様々な色濃い感情エネルギーが集まり、留まり、放出される場所なのです。皆さんにこの映画を観てもらえること、とても楽しみにしています。
こだまたいち コメント
今回のお話を頂いた当初、張り切るあまり撮影地である浅草六区・東京蛍堂を中心としたありとあらゆる道をゆき、何時間も何十周も台詞を唱え…初主演のプレッシャーと興奮をマーキングしながら歩き回っていました。
張元監督が作品の根底にあるテーマ性や人物像を丁寧に紐解きながら、穏やかに熱心に肩をほぐすような話し合いを重ねて下さったお陰で、緊張していた自分も徐々に静かな集中力をもって臨めるようになりました。
同世代や下の世代の新人俳優の皆さんと切磋琢磨しながら撮影に向かっていけたこと、現場で先輩方の胸を借りながらお芝居の楽しさに改めて気づけた事、その経験は宝物です。
1991年3月、ディケイド設立と時を同じくして生を受けた自分も、同様に節目の年を迎えました。十分な過去も、十分な未来もあります。その中で続けていく事、大事に育んでいく事、何を手に入れ何を手放すか、その選択は執着ではなく愛着によるものなのだという浪漫が、今作の最大のテーマの一つとしてスクリーンに映っていると僕は信じています。
千國めぐみ コメント
浅草で蒸籠を転がしたことがあります。買ったのを包んだ風呂敷の結び目が解けてしまって、落ちてゴロゴロ転がってしまったのです。大慌てでしたが、地元の人たちが蒸籠は珍しいな、と笑いながら拾い集めてくれました。
そうか、浅草の人たちはここを訪れた人間の色んな瞬間を見てきているのだ。そう思いました。それこそ、解けたり転がったり、人間のいろいろな様を。初めて蛍堂を訪れた帰り道でのことです。7月5日、私の誕生日でした。
この映画の、人間の、時たま可笑しくもある営み、その人間と共に過ごした古物たちが吐く濃密な空気、それらを包む浅草という街をつくる人々の様は、皆さんの目にはどう映るのでしょう。ビールを飲み飲み、お喋りしたい気持ちです。
中村優子 コメント
蛍堂は、混沌とした浅草の一角にひっそりと在る。異世界への、入り口のように。足を踏み入れる登場人物たちを待つのは、圧倒的なモノ、モノ、モノ。時間や物語を経て、ただ、そこに存在するモノとの邂逅。
大切にされたモノには、大切にした誰かの人生がある。
モノに見つめられる時、私たちは、心許ない自分自身の人生を、やはり、大切にしたいのかもしれない。
村上淳 コメント
よく若いころに絶大な信頼をしている人生の大先輩にこう言われた。
“才能は常に意識しなければすぐに斬れ味が落ちる。センスは良いとか悪いじゃない、あるかないかだ。”
僕がこの作品の完成を見たときに強く思い返した言葉です。
張元監督とは初対面ですし、作品に出演するのも演出を受けたのももちろん初です。現場単位での体感で“いい現場”だな=で必ずしも“素晴らしい作品”にはならないことも多くあるのですが、非常に素晴らしい現場でしたし、なによりこの初号試写を観た後、数ヶ月は“この作品の素晴らしさの記憶”を書き換えたくなくて新しい映画を観ませんでした。
我が社DECADEは押し売りするような大きな体制もなく、つつましく謙虚に業界の隅のほうでやらせていただいている事務所ですが、こうして胸をはれる作品を素晴らしい監督・座組・キャストでやれたことのありがたさを肝に命じて、またさらに映画にまい進したいと思います。
みなさま、もし宜しければ“新しい才能”もしくは“素晴らしい才能”が惜しみなく投影されるスクリーン体験をぜひに。
(c)2022 ディケイド
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