村上淳ら「ゆめのまにまに」浅草での撮影回想 (original) (raw)
村上淳ら“難易度が高い撮影”を回想、「ゆめのまにまに」浅草での日々に充実感
2022年11月12日 15:12 3
「ゆめのまにまに」の初日舞台挨拶が本日11月12日に東京・ユーロスペースで行われ、キャストのこだまたいち、千國めぐみ、村上淳、監督の張元香織が登壇した。
本作は俳優や音楽家のマネージメント会社・ディケイドの設立30周年記念映画。東京・浅草に実在する古物商店・東京蛍堂を舞台に、不在がちな店主に代わって毎日店番をするアルバイトのマコトと、店を訪れる客の姿が描かれる。こだまがマコト、千國が訳のありそうな客・真悠子、村上が店主の和郎に扮した。
舞台挨拶の冒頭、村上は「僕だけ(専用の)マイクを1本持たされてるんですよ。トークの経験もあるからだろうから、合いの手やなんか入れてよってことかな」と慣れた口ぶりで話し出し、「こだまくんはさ、浅草での撮影どうだったの?」と司会に代わって“回し”を始める。こだまは苦笑しつつ「浅草にはアミューズメントパークのような作り込まれた世界のイメージがありました。でも浅草の空気を吸おうと、カメラに映らない裏路地も歩き回ってみたら人力車の(車夫の)方々が休憩していたり。生活感のある部分も浅草の魅力だと気付きました」と述懐。千國も「浅草には観光客として行くことが多くて。出演が決まって、作中に出てくるお店にもいくつか行ってみました。常連さんとのやり取りを見ていると地元感があって、人と人のつながりが密接な町だと思いました」と印象を口にした。
今作が長編2作目となった張元は「毎日がむしゃらでした」と撮影の日々を振り返り、「こだまくんがマンドリンを奏でるシーンは、もともと台本になくて。現場で急きょ追加したシーンなんですよ」と明かす。こだまがミュージシャンとしても活動していることから、舞台挨拶では村上が「今から嘘をつきますけど」と切り出し、「こだまくんとは下北沢や代沢5丁目のスターバックスとかおしゃれなところでよく会うんですけど、いつも小脇にギターを抱えているんです。今日も持ってきていて……今から歌うんですよ。録画は禁止ですよ!」とニヤリとする場面も。
張元の演出について、村上は「張元監督は長編2作目と思えないくらい細かく、難易度が高かったです」と言及。また撮影監督の山崎裕についても「山崎さんと言えば手持ち撮影ですが、今回は三脚に据えていることが多かった。張元監督の脚本を読み込んで決めたんだと思います」「演者に対しても右足と左足どちらから動くかなどフィジカルの演出をしていて。そういう重要なことを言ってくれる人が少なくなってきているので、いい現場でした」と語る。そして「山崎さんがフィジカルのことを言うと、今度は張元監督が内面の演出を。難易度が高い現場でしたね」と充実感をにじませ、こだまと千國も大きくうなずいた。
最後にこだまは改めて「大きな映画業界の中で、棚に並べられた小さな作品かもしれませんが、強い思いが込められています。時代を超えて愛してもらえる作品になれば」と期待を込める。村上は会場を訪れていたディケイドの社長・佐伯真吾を紹介しながら「彼がいなければ成立しなかった作品です。35周年のときもまたお会いしましょう」と挨拶。そして先ほどの村上の“予告”通り、こだまが主題歌「サンローゼ」の弾き語りを披露することに。観客はこだまの歌声に聴き入り、大きな拍手を贈った。
「ゆめのまにまに」は全国で順次公開中。
(c)2022 ディケイド
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