イ・チャンドンの長編6作を一挙4K上映 (original) (raw)
特集上映「イ・チャンドン レトロスペクティヴ4K」が、8月25日より東京・ ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で順次開催される。
特集ではハン・ソッキュが主演を務めた1997年の長編監督デビュー作「グリーンフィッシュ」から、ユ・アインを主演に迎え村上春樹の短編を実写化した「バーニング 劇場版」までの6本の長編作品を一挙上映。イ・チャンドンがその名を世界に知らしめた「ペパーミント・キャンディー」、第59回ヴェネツィア国際映画祭で監督賞など3冠に輝いた「オアシス」、第63回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞した「ポエトリー アグネスの詩」などもラインナップに並んだ。
イ・チャンドンが自らレストア作業を行った4K版にて上映。日本での特集開催について彼は「当時の映像の雰囲気や印象、そして感情を味わえることに努めてアップグレードしましたので、そこに注目して観てもらえたらと思います」「今回のレトロスペクティヴを通して、私たち人間について、人生について、皆さんと分かち合えればと思います。新しい日本の観客の皆さんとお会い出来ることを楽しみにしています」と語っている。
特集ではその創作の原点に迫る新作ドキュメンタリー「イ・チャンドン アイロニーの芸術」も上映。作品に魅了されたフランス人監督アラン・マザールの発案で始動した作品で、コロナ禍での困難を逆手に取る形で当初被写体であったはずのイ・チャンドンが水先案内人として制作に深く携わった。自らゆかりの地に足を運び、自作について語ったほか、ソル・ギョング、ソン・ガンホ、チョン・ドヨン、ムン・ソリ、ユ・アインといった俳優陣も登場した。海外映画祭の特集や企画展などを除き、日本での上映が一般公開としては世界初となる。
特集の開催に先立ち、イ・チャンドンが1992年に発表した小説集「鹿川(ノクチョン)は糞に塗れて」の邦訳版が、アストラハウスより7月28日に発売決定。表題作と中篇「星あかり」については、「イ・チャンドン アイロニーの芸術」でイ・チャンドン自ら舞台となった土地を案内しながら執筆当時を振り返るシーンもあるという。価格は税込2860円。
「イ・チャンドン レトロスペクティヴ4K」は配給をJAIHOが担当。協力にツインが名を連ねた。
イ・チャンドン レトロスペクティヴ4K
2023年8月25日(金)~ 東京都 ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で順次開催
<上映作品>
「イ・チャンドン アイロニーの芸術」
「バーニング 劇場版 4K」
「ポエトリー アグネスの詩 4K レストア」
「シークレット・サンシャイン 4K レストア」
「オアシス 4K レストア」
「ペパーミント・キャンディー 4K レストア」
「グリーンフィッシュ 4K レストア」
イ・チャンドン コメント
レストア作業について
映画を保存するため、過去の映画と新たな観客と出会い結び付けるためにも、必須だと思います。元々のクオリティを維持するための綿密な作業には時間と費用を要し、その映画に関わった監督やスタッフが作業に携われない場合もありますが、幸いなことに、私は今回その機会を得ることができました。当時の映像の雰囲気や印象、そして感情を味わえることに努めてアップグレードしましたので、そこに注目して観てもらえたらと思います。
日本での特集上映について
とてもうれしく、大きな期待を寄せています。私はいつも韓国のほか日本、欧米など遠くにいて違う文化圏にいる観客であっても、人間であれば、根本的に共有や理解、意思の疎通ができると思っています。今回のレトロスペクティヴを通して、私たち人間について、人生について、皆さんと分かち合えればと思います。新しい日本の観客の皆さんとお会いできることを楽しみにしています。
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