塚本晋也の監督作「野火」9年目もアンコール上映 (original) (raw)
塚本晋也が監督・脚本・編集・撮影・製作を担った映画「野火」のアンコール上映が、8月に東京・ユーロスペースほか全国で行われる。
大岡昇平の同名小説をもとした「野火」では、第2次世界大戦末期のフィリピン・レイテ島で飢えや孤独、恐怖に苛まれながらさまよい歩く兵士・田村の姿が描かれた。塚本が田村に扮し、リリー・フランキー、中村達也、森優作らも出演した。
塚本が構想から20年かけて完成させ、戦後70年にあたる2015年に封切られた同作。彼の「毎年終戦記念日に上映されるような映画にしたい」という思いに共感した劇場で、アンコール上映が毎年重ねられてきた。公開から9年目になる今年は、現時点で30館での上映が決まっている。初年度からの劇場・自主上映を含む総観客数は、およそ9万8300人にのぼる。
今年はパンフレットの新装版が完成。オールカラー70ページで、書籍「塚本晋也×野火」に掲載された第2次世界大戦に関する詳細な解説と、シナリオが採録された。一部劇場を除く上映館にて販売される。
塚本は「戦後70年の夏から毎年上映を続けることができたのは、理解を示してくださった多くの劇場さんと、見てくださる皆さまのおかげです。ウクライナの戦争が終わらず、世界の状況が底の抜けたように不安に満ち、何が正しいのかさえはっきり言えない世の中になってきたと言えます。そんな時にこそ、大岡昇平さんからのメッセージ、『野火』に立ち返ってみて欲しいです」「今こそさらに多くの皆さんに観ていただきたいと思います」とコメントした。
なお塚本が手がけた「野火」「斬、」の流れを汲む最新作「ほかげ」が、11月25日より東京・ユーロスペースほか全国でロードショー。趣里と森山未來がメインキャストを務めた。
※塚本晋也の塚は旧字体が正式表記
塚本晋也 コメント
9年目の「野火」になります。
戦後70年の夏から毎年上映を続けることができたのは、理解を示してくださった多くの劇場さんと、見てくださる皆さまのおかげです。
ウクライナの戦争が終わらず、世界の状況が底の抜けたように不安に満ち、何が正しいのかさえはっきり言えない世の中になってきたと言えます。
そんな時にこそ、大岡昇平さんからのメッセージ、「野火」に立ち返ってみて欲しいです。
戦争が始まれば、何が起こるのか。人はどう変わってしまうのか。
その上で様々な議論が展開されることを望んでおります。
「野火」。今こそさらに多くの皆さんに観ていただきたいと思います。
「野火」戦後78年 アンコール上映(2023年7月20日時点)
関東
東京都 ユーロスペース 2023年8月15日(火)※舞台挨拶あり
東京都 立川シネマシティ 調整中 ※舞台挨拶あり
東京都 新文芸坐 2023年8月10日(木)※舞台挨拶あり
神奈川県 横浜シネマリン 2023年8月13日(日)※オンライントークあり
神奈川県 シネマ・ジャック&ベティ 調整中 ※オンライントークあり
千葉県 キネマ旬報シアター 2023年8月15日(火)
埼玉県 川越スカラ座 2023年8月12日(土)
埼玉県 深谷シネマ 2023年8月13日(日)~19日(土)
群馬県 高崎電気館 2023年8月5日(土)、14日(月)、18日(金)
茨城県 あまや座 2023年8月12日(土)~18日(金)※オンライントークあり
中部・北陸・甲信越地区
愛知県 シネマスコーレ 2023年8月15日(火)
新潟県 シネ・ウインド 2023年8月15日(火)
新潟県 高田世界館 2023年8月20日(日)※オンライントークあり
近畿
大阪府 シネ・ヌーヴォX 2023年8月5日(土)~18日(金)
大阪府 シアターセブン 2023年8月6日(日)~11日(金・祝)
兵庫県 豊岡劇場 2023年8月11日(金・祝)~15日(火)
北海道・東北地区
北海道 大黒座 2023年8月11日(金・祝)~13日(日)
岩手県 みやこシネマリーン 2023年8月12日(土)、13日(日)
岩手県 フォーラム盛岡 2023年8月15日(火)
山形県 フォーラム山形 2023年8月15日(火)
宮城県 フォーラム仙台 2023年8月15日(火)
福島県 フォーラム福島 2023年8月15日(火)
中国・四国地区
広島県 シネマ尾道 調整中
愛媛県 シネマルナティック 2023年8月15日(火)
高知県 大心劇場 調整中
九州・沖縄地区
熊本県 Denkikan 2023年8月11日(金・祝)
大分県 別府ブルーバード劇場 2023年8月4日(金)~10日(木)
大分県 シネマ5 2023年8月15日(火)
宮崎県 宮崎キネマ館 2023年8月11日(金・祝)
鹿児島県 ガーデンズシネマ 2023年8月13日(日)
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(c)SHINYA TSUKAMOTO / KAIJYU THEATER