「アステロイド・シティ」のメイキング映像が到着、ダンスはすべてアドリブ (original) (raw)

「アステロイド・シティ」のメイキング映像が到着、ダンスはすべてアドリブ

2023年8月14日 18:00 2

ウェス・アンダーソン監督作「アステロイド・シティ」のメイキング映像がYouTubeで公開された。

本作の舞台は1955年、アメリカ南西部に位置する砂漠の街アステロイド・シティ。隕石が落下してできた巨大なクレーターが最大の観光名所であるこの街に、科学賞の栄誉に輝いた5人の天才的な子供たちとその家族が招待される。子供たちに母親の死を伝えられない父親、映画スターのシングルマザーなど、それぞれがさまざまな思いを抱えつつ授賞式は幕を開けるが、祭典の真最中に宇宙人が到来。軍が宇宙人の出現を隠蔽しようとする中、子供たちは情報を外部へ伝えようと企てる。

映像に切り取られているのは、ルパート・フレンド演じる詩人・カウボーイのモンタナと、マヤ・ホーク扮する教師ジューン、そして子供たちによる陽気なダンスシーンの撮影風景。劇中にて生徒たちは、モンタナや彼とともに旅をするカウボーイバンドと一緒に宇宙人を称賛する楽曲を作成するが、その披露の場がこのダンスシーンだ。

すべてアドリブだったというダンスシーンについて、フレンドは「脚本には『みんな踊る』としか書いていなかった」と回想。「それでみんなで『振付師はいつやってくるのだろう? リハーサルはいつ?』などと疑問に思ったのだけど、そういうものは一切なかった。とにかくやってみるしかなかった。でも高揚感がすごかったのを覚えている」と語る。また「たまたま帽子を投げ上げたのだけど、カメラの後ろのほうで、たまたまセットを訪れていたビル・マーレイがキャッチしてくれたんだ」と、トレイラーがなく、俳優が常に撮影を見守るアンダーソンの撮影現場ならではの出来事も振り返った。

ダンスシーンで使用されている楽曲「Dear Alien (Who Art In Heaven)」は、アンダーソンと、バンドの1人を演じるジャーヴィス・コッカーが共同制作したもの。20世紀中盤のカントリーウェスタンのサウンドにインスピレーションを受けて作られた同曲は、バンドのメンバーであるコッカー、セウ・ジョルジ、ペレ・マレン、ジャン=イヴ・ロザック、そしてフレンドによって演奏された。

アンダーソンからセッションの依頼をされたとき「ごくりと固唾をのんだ」というフレンドは「ずっと昔から憧れていたミュージシャンたちだったんだ。何せ彼らはプロだし、僕は蚊帳の外だったね。これはウェスが意識的にやっていることなのかもしれないけど、いつもちょっとばかり無理なお願いをしてくる。監督の挑戦状に果敢に挑むことができるから充実感があった」と話す。フレンドはこの楽曲のためにスチールギターを習得をしたという。

「アステロイド・シティ」は9月1日より東京・TOHOシネマズ シャンテ、WHITE CINE QUINTO(ホワイト シネクイント)ほか全国で公開。

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