あの「鯨の骨」撮影で“人間矯正”させられる (original) (raw)
映画「鯨の骨」の初日舞台挨拶が本日10月13日に東京・シネマート新宿で行われ、キャストの落合モトキ、あの、監督の大江崇允が登壇した。
本作ではAR(拡張現実)アプリ「ミミ」こと「王様の耳はロバの耳」の中で、自殺した女子高生と瓜二つの少女・明日香のことを知った不眠症のサラリーマン・間宮が、彼女にのめり込んでいくさまが描かれる。落合が間宮、あのが明日香を演じた。
明日香役は「スッと入ってきた」と話すあのは「僕の活動を通して、世の中には“あのちゃん像”がたくさんあって、アイコンとして見られやすい自分と現実の自分のギャップに苦悩した時期がありました。ARアプリ『ミミ』の世界にいる明日香も同じ気持ちだったんじゃないかなと、明日香を自分が演じることで余計な説明がいらなくなるんじゃないかなあと思いました」と述懐。落合は、あのとの共演について「現場で楽しそうにやっていましたよ。撮影に入る前に、1週間ほど監督も含めリハーサルの期間がありました。そこで初めてセッションして、彼女の空気感だったりを知ることができてぜいたくな時間でした」と振り返る。
リハーサルでは、大江によるあのの“人間矯正”が行われたという。あのは「僕の挙動とか目の動き、声の発し方、しゃべり方、どれも明日香とは違うので“人間矯正”させられました。監督が『まだあのちゃんがいる』『あのちゃんが出ちゃってる』って、あのちゃんを邪魔者扱いしてくるんです(笑)」と述べ、「でもその時間がなかったら明日香になれなかったし、人間としてもめちゃくちゃ成長できた。これからもし演技のお仕事があったら生かせるかなって」と今後の俳優業についても意欲をのぞかせた。
また、あのはアーティスト・anoとして主題歌「鯨の骨」の作詞・作曲・歌唱を担当。MCから楽曲制作について尋ねられたあのは「この映画がなかったらできなかった曲。『鯨の骨』という作品により一層向き合って制作しました。エンドロールで最初のイントロが流れてきたときは痺れました。サウンドにもこだわったので、やっぱり達成感があったです」と感慨深い様子。落合は「『鯨の骨』をいろんな角度から観て、たくさんのワードをちりばめたんだなあと。すごいです!」とたたえた。
最後に落合は「個人的に2回目観たときが楽しかったので、ぜひ何回も劇場に足を運んでいただけるとうれしいです」、あのは「撮影から2年経って公開できたのはうれしいです。撮影期間中は成長させていただけた大切な時間でした。それが皆さんの目に飛び込む日々が続くといいなあ」とメッセージを送った。
「鯨の骨」は全国で上映中。
(c)2023『鯨の骨』製作委員会