濱口竜介「悪は存在しない」公開日が決定 (original) (raw)

濱口竜介監督作「悪は存在しない」広島で日本初披露、全国公開日も決定

2023年11月27日 12:24 7

第80回ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞(審査員大賞)を受賞した、濱口竜介の監督最新作「悪は存在しない」の公開日が2024年4月26日に決定。昨日11月26日、広島国際映画祭2023で行われたジャパンプレミアにて発表された。

「悪は存在しない」は、東京にほど近い村で自然の秩序に従ってつつましく暮らす父娘を軸にした物語。ある日、村の住人たちは、都会に住む人々に快適な「自然への逃避」を提供するグランピングサイトの建設計画を知る。東京からやって来た企業担当者が会議を開くと、このプロジェクトが地元の水の供給に悪影響を及ぼすことが明らかになり、村は騒然。父娘の人生にも大きな影響を与えていく。

広島国際映画祭ではトークショーも行われ、濱口のほか、企画・音楽の石橋英子、出演の大美賀均西川玲小坂竜士渋谷采郁が登壇した。本作は音楽家である石橋が自身のライブのため、濱口に映像制作を依頼したことから生まれた映画。石橋は「映像と音楽それぞれ面白くて独立したものが作れれば、ライブでも演奏の計画をいろいろ変えられて、飽きずに演奏していけるんじゃないかと思ったので、人柄もチャーミングで作品も大好きな濱口さんにお願いしました」と経緯を振り返る。濱口は「初めは『どうしよう!』と思いました」と明かしつつ、「石橋さんから『濱口さんのいつものやり方で』とおっしゃっていただき、普通に脚本を書いて劇映画を作れば自由に使える映像素材が得られると思い、『GIFT』というライブパフォーマンス用の映像が完成しました。ただ自分自身が役者さんのセリフの声を聞いて感動するところもあったので、石橋さんに確認を取って、もう1本『悪は存在しない』を作ることになりました」と話した。

また濱口は「このように経緯を説明するだけでかなりの時間が掛かってしまうんです。もう1つ入り組んでいることを説明しますと、主演の大美賀さんは、もともとシナハン(シナリオハンティング)の運転手をやってもらっていたところ、そのうち『あら! いいじゃない!』という気持ちになりまして(オファーしました)」と明かす。大美賀は「こんなふうに映画祭を回るなんてまったく想定していなかったんですが、濱口監督のもとでそういう経験をするのは大事だと思って受けました」と答えた。なお大美賀の監督作「義父養父」も12月15日から東京・シモキタ - エキマエ - シネマ「K2」で公開を控える。

大美賀と親子を演じた西川が、撮影で印象に残っていることについて「映画の中でうどん屋のシーンがあるのですが、自分は出てなくて、うどんが食べられなかったことです」と答えると場内は和やかなムードに。さらに濱口の前作「ドライブ・マイ・カー」の車両部スタッフだった小坂は、当時から「アントン・チェーホフが好きなドライバー」として濱口に認識されていたそう。そんな小坂は「悪は存在しない」に出演が決まった当初はサイレント映画だと知らされていたが、届いた台本で自身のパートが6ページもあったことに驚いたと語った。

最後に濱口は「正直、完成した自分の作品を何度も観ることはあまりないんですが、この『悪は存在しない』は珍しく何度も観てます。本当に飽きがこない作品なので、皆様にもぜひ何度もご覧いただいていただけたら大変うれしいです」と呼びかけた。

「悪は存在しない」は東京のBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シモキタ - エキマエ - シネマ「K2」ほか全国で公開。

(c)2023 NEOPA / Fictive

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