斉藤陽一郎の主演作「蒲団」に光石研がコメント (original) (raw)
田山花袋の同名小説を原案にした映画「蒲団」より、俳優の佐津川愛美、光石研、映画監督の永江二朗、三島有紀子らの推薦コメントが公開された。
原作は妻子ある小説家が、弟子にした女学院生に恋をするも、彼女に恋人ができたことで嫉妬に狂い、破門にしたにもかかわらず強い未練を残す物語。映画では舞台を明治から令和に移し、主人公・竹中時雄の設定も小説家から脚本家に変更されている。
斉藤陽一郎が時雄役で約20年ぶりの単独主演を果たしたほか、脚本家志望の横山芳美に秋谷百音、時雄の妻・まどかに片岡礼子が扮した。このたび撮影現場を捉えた8枚のオフショットも到着している。
佐津川は「主人公にも弟子にも、共感と嫌悪感。どちらも感じるなんて、傑作だ」とコメント。「EUREKA(ユリイカ)」「夜明けのすべて」など斉藤との共演作も多い光石は「明治から脈々と続く、この極東の島のミゼラブル。しょうがないよね、男って。よし、いつもの居酒屋に16時集合ね! 呑もや!」とつづっている。
永江は「この作品は『中年男性の、中年男性による、中年男性のための映画』です。(笑)是非、悲哀に満ちた中年男性の脳内を覗いてみてください!!」と推薦。三島は「蒲団は肉体だ。弟子であった彼女の肉体を嗅ぎ抱きしめながら悶え苦しむ斉藤陽一郎の姿は秀逸であるし、ラストの秋谷百音の表情も見逃してはならない」と語っている。
このほか映画監督のウエダアツシや菊地健雄、アナウンサーの笠井信輔、俳優の根矢涼香、boid主宰 / 爆音映画祭プロデューサーの樋口泰人によるコメントも下記に掲載している。
「テイクオーバーゾーン」「なん・なんだ」の山嵜晋平が監督した「蒲団」は5月11日に東京・K's cinemaにて公開。
ウエダアツシ(映画監督)コメント
単純で、嫉妬深く、見栄っ張りで、情けない──。
明治(原作)も令和(映画)も変わらない“男”の生態をリアルに描く山嵜監督の手腕と、斉藤陽一郎さん演じるダメ男の愛嬌と哀愁に感服。同じ男として身につまされる思いもあるが、、面白い!
笠井信輔(アナウンサー)コメント
若い弟子の性の魅力にからめとられた中年作家。なんてダメで、みっともなくて、しょうもない…でも、なんて愛すべき男なんだ! 百年前の原作だが、男の本質は変わらない。
菊地健雄(映画監督)コメント
令和の世では少し反動的とも感じる物語なのに、時雄を演じる斉藤陽一郎さんの妙な味わいと魅力にすっかり引き込まれ、時雄と共にヒトが持っている根源的な人間臭さを嗅いだような気がした。
佐津川愛美(女優)コメント
ちゃんと傷付くということが、ちゃんと心に響いたのは、映画の世界観が完璧だったからだろう。主人公にも弟子にも、共感と嫌悪感。どちらも感じるなんて、傑作だ。
永江二朗(映画監督)コメント
この作品は「中年男性の、中年男性による、中年男性のための映画」です。(笑)
是非、悲哀に満ちた中年男性の脳内を覗いてみてください!!
根矢涼香(俳優)コメント
斉藤陽一郎さんが演じる主人公の恋心。
痛々しさすらチャーミングだ。
やめておけー!と頑張れー!という
気持ちが両隣にありました。
ピュアってずるいなあ。皆が自分を譲りたくない。
樋口泰人(boid主宰 / 爆音映画祭プロデューサー)コメント
屋上と橋があれば映画はできる。引き裂かれたふたつの場所を繋ぐ夢見る空間と言ったらいいか。もちろんそれがいい夢であるとは限らない。1世紀を超えて蘇った作家の夢は残酷な滑稽さを伴って、われわれを凍り付かせるだろう。
三島有紀子(映画監督)コメント
蒲団は肉体だ。弟子であった彼女の肉体を嗅ぎ抱きしめながら悶え苦しむ斉藤陽一郎の姿は秀逸であるし、ラストの秋谷百音の表情も見逃してはならない。
この映画は、作り手には内包されるであろう暴力性の闘いを見せる。
惹かれ、嫉妬し、屈辱を感じ、裏切り、奪い、愛し、そして作品が誕生する。
これが他ならぬ山嵜監督の私小説なのだろう。
光石研(俳優)コメント
明治から脈々と続く、この極東の島のミゼラブル。しょうがないよね、男って。よし、いつもの居酒屋に16時集合ね! 呑もや!
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