坂東龍汰「若武者」に刺激受ける「これを超えなければ」 (original) (raw)
坂東龍汰、二ノ宮隆太郎の監督作「若武者」に刺激受ける「これを超えなければ」
2024年5月16日 22:41 9
映画「若武者」のワールドプレミア試写会が本日5月16日に東京・ユーロライブで開催され、キャストの坂東龍汰、高橋里恩、清水尚弥、監督の二ノ宮隆太郎が登壇した。
コギトワークスが設立した新映画レーベル「New Counter Films(ニューカウンターフィルムズ)」の第1弾となる本作。幼なじみである3人の若者が、人生への疑問を問い続けながら“世直し” と称して街の人間たちのささいな違反や差別に牙をむいていくさまが描かれる。義父に対する深い憎しみを秘める渉役で坂東、他人の負の感情に愉悦を覚える英治役で高橋、介護職員として真面目に働きながらも周囲を鈍い視線で見つめている光則役で清水がトリプル主演を務めた。
坂東は「最初に話をいただいたのは4、5年前でしたね。監督とは同じ事務所で知り合いで、僕のことも知ってくださっていた」と声を弾ませ、寡黙な役どころについて問われると「まさかこんなにしゃべる僕が……と驚きました。ここまで受け身の役はやったことがなかったので挑戦でしたし、脚本も衝撃を受ける内容だったので楽しみになりました」と回想する。二ノ宮は「本当に好青年」と坂東の印象を述べ、「性格がよくて人懐っこい。『ウェーイ』みたいに近づいてくれます。僕は汗っかきなんですが、それでも気持ち悪がらずに触ってくれる」とほほえんだ。
「毎日が楽しくて」と撮影を振り返る高橋は「撮影に参加したのは10日間くらいでしたが、渉を刺激するのも、光則に理屈こねるのも、とにかく楽しんでました」と笑顔を見せる。そして二ノ宮が「セリフが長いから、リズムが狂っちゃうと見ていられなくなる。(撮影のときは)一緒に考えましたね」と目線を送ると、高橋は「お客さんを引きずるぐらいのテンポ感がないとダメなのかと。『先に、先に』という意識でした」と思い返した。
温厚だが2人に負けない毒を吐く役どころを演じた清水は、「渉と英治はそれぞれの方向にとがりすぎている。1人だけマイルドになっても……と思ったので、2人の中間ではなくて、三角形の頂点に3人でいられるようにバランスを考えました」と述懐。二ノ宮は本作で初めて清水と顔を合わせたそうで「お芝居を見させていただいて『この役をほかに誰ができるんだ』と思って。『この人しかいない』と。悪い意味になっちゃうかな?(笑)」と評し、坂東も「最初に画面に映ったときから気持ち悪さを感じた」と続く。さらに坂東が「わざとやったんじゃなくて?」と聞くと、清水は「真顔だったから(笑)。でもそう言ってもらえるのは役者としてうれしいですね」と返答した。
撮影時の心境に話が及ぶと、清水は「(二ノ宮は)ご自身でお芝居もされるから、演出がストレートで的確。ニュアンスの話って伝わらないことも多いんですが、監督の言葉だとわかりやすいんです」と打ち明け、「いろいろ想像しながら演じましたが、この3人でお芝居することはやりがいしかない。なんて幸せな時間だったと」と言葉を紡ぐ。そして坂東が「今後、こんなに刺激的な現場があるのかなって……」とこぼすと、二ノ宮が横から「ないです!」と断言。坂東は「今後、これを超えなければいけないんですよね。それが我々の使命」と言葉に力を込めた。
作品のテーマに絡めて「最近身の回りで起こった革命」について質問されると、高橋は「ニューカウンターフィルムズじゃないですか?」と発言し、会場から拍手が起こる。続けて「僕自身もミニシアターが大好きで、役者を志してから自主映画をたくさん観て感受性を育てました。大きな作品にも出演しましたが、こういう変わった個性のある作品で暴れられる場所を作るのは革命ですね」と熱弁し、坂東から「だんだん英治に見えてきたよ」とたたえられる。二ノ宮も「この映画ですよ!」と声を張るが、直後に「すみません……」と恐縮した様子を見せていた。
「若武者」は5月25日に日本・海外のミニシアターで同時期公開。同日よりU-NEXTで配信される。
※高橋里恩の高は、はしごだかが正式表記
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