小松菜奈「わたくしどもは。」撮影で金山に衝撃受ける (original) (raw)

小松菜奈「わたくしどもは。」撮影で金山に衝撃受ける、松田龍平は大竹しのぶと大海原へ

2024年6月1日 13:46 6

映画「わたくしどもは。」の公開記念舞台挨拶が本日6月1日に東京・新宿シネマカリテで開催され、ダブル主演を務めた小松菜奈松田龍平、監督の富名哲也が登壇した。

新潟県の佐渡島を舞台とする本作では、現世と来世のはざまで再び出会う男女の行方が描かれる。小松がミドリと名付けられる記憶をなくした女、松田がアオと名付けられる警備員の男を演じた。

小松は脚本について「最初に読んだときは『この人は生きているの? 亡くなっている?』と混乱しましたね。1人ひとりのバックボーンやセリフがしっかりあったんですが、台本が変わると人間っぽさが削ぎ落とされていて」と振り返り「『わたくしは』という話し方や抑えた感情のお芝居にはAIっぽさも感じましたし、映像でこれをどう落とし込むのかが気になりました」と言葉を紡ぐ。松田も「余白が多くて、言葉が多い脚本ではなかった」と言及し、「だからこそイメージを膨らませましたし、実際に佐渡島に行くことでいろいろなことが着地できたらいいなと思った」と回想。富名は「脚本を直前に変更したことは、自分にとっての大きな賭けだったんです」と前置きし、「作品のキャラクターというよりは、2人をそのまま撮ることが自分の命題だと思うようになって。だからこそ要素を削ぎ落としたんです」と明かした。

撮影現場の雰囲気について問われた松田は「佐渡島に着いて早々にコーヒーを飲みに行ったり、たい焼きを食べたり、とてもウェルカムな場所でしたね。ホテルの近くには海や広場があって『最高じゃん』と思って」と感慨深そうに語る。そして小松が「ロケ地を巡ったりもしましたね。最後には蕎麦を食べたり」と話し、松田が「『食べましょう』って言ったのに、小松さんが1人で先に食べちゃって」と証言すると、2人は笑顔で「違いますよ! 蕎麦はみんなで食べました」「間違えた、寿司だったね」と掛け合いを繰り広げていた。

印象に残った共演シーンに話が及ぶと、小松は「唯一、アオとミドリが生きている気がする」とバイクに乗るシーンを選択する。加えて「言葉を交わさず静かに寄り添っている雰囲気がとてもよくて。特に龍平さんはバイクがお好きだからイキイキしてましたね」と述べると、松田は「久々に2人乗りをしたのでプレッシャーが大きかった」と述懐。富名が「でもファーストテイクではニコニコしていましたよ」と言うと、松田は「じゃあそのカットは使えなかったですね(笑)」と照れくさそうな様子を見せた。

トークテーマが「共演者との思い出」に移ると、松田は清掃員キイ役の大竹しのぶと出かけたエピソードを披露し、「2人でたらい舟に乗って大海原に出ました!」と胸を張る。さらに「でも途中から疲れちゃって、しのぶさんが漕いでくれたんです。しなやかな動きで『プロなんじゃないか』と(笑)」と話して観客を笑わせた。

佐渡島のお薦めスポットを聞かれた小松は「この映画に登場する金山にはぜひ行ってみてほしい。生で見る金山は圧巻で、人の手であれを2つに割ったというのは衝撃的。人間の欲深さを物語っていました」と回答し、「トンネルの中は寒いので、長袖を持って行ったほうがいいですよ」とアドバイス。松田は「やっぱりたらい舟」と返答して再び観客を笑わせたあと「自転車で回れるくらいの広さで探索しがいがあるんです。小道に入るときれいな入り江があったり、昼と夜で表情が変わって、夜はゾクゾクする空気感も。金山で栄えていたという名残を感じます」と説明した。

最後に松田は「言葉が少ない作品は珍しい。観た人が考える隙間のある作品がもっと増えたらいいなと思います」とコメント。小松はオファー前に佐渡島が気になり調べていたそうで「運命を感じ『呼ばれているのかな』と思いました。ファンタジーですが、他人事に思えない作品です。『こんな世界もあるんだ』と思いながら観てほしい」とアピールした。

「わたくしどもは。」は全国で順次公開中。

(c)TETSUYA to MINA film

映画「わたくしどもは。」本予告