「アリータ:バトル・エンジェル」著名人による応援コメント - 映画ナタリー 特集・インタビュー (original) (raw)
「アバター」「タイタニック」で世界中を興奮の渦に巻き込んだハリウッドの巨匠ジェームズ・キャメロンが惚れ込み、25年もの構想を経て、木城ゆきとによる日本のSFマンガ「銃夢」をついに実写映画化。そのキャメロンにメガホンを託された「シン・シティ」のロバート・ロドリゲスによる「アリータ:バトル・エンジェル」が、2月22日に全国で公開される。
ナタリーでは本作の公開を記念し、映画、コミックの2ジャンルにて3日連続で特集を展開。第2弾では、いち早く本作を鑑賞してもらった女優の武田梨奈、映画監督の樋口真嗣、山戸結希、アニメーション監督の水島精二による応援コメントを紹介する。またキャメロンやロドリゲスの発言を交えながら、「アリータ」の見どころを解説したコラムも掲載。
文 / 渡辺麻紀
ハリウッドキング×オタク監督、まさかのコラボが生んだ“超大作ジャンルムービー”
文 / 渡辺麻紀
発表する映画すべてが超大作にして映画史を塗り替える大ヒット作。まさにハリウッドキングのジェームズ・キャメロンと、発表する映画すべてが趣味全開にして我が道を行くハリウッドのオタク監督ロバート・ロドリゲス。ハリウッドでの立ち位置がまるで異なるこの2人が手を組み「アリータ:バトル・エンジェル」を生み出した。
果たして2人の息は合っているのか? これが映画ファン的にはもっとも気になるところだが、うれしいことに見事にマッチ。オタクっぽさ&ジャンルムービーの楽しさを残しつつ、ハリウッド大作らしい豪華さをあわせ持った、ある意味、奇跡のようなSFアクションになっているのだ。
「俺はジム(ジェームズ・キャメロン)になったつもりでこの作品を作った。なぜなら、この企画はジムが心底作りたいものだったからだ。俺はジムのドラマの紡ぎ方を大切にしたし、それを俺自身、学ぶことができたと思う」
そう言うのはロドリゲス。確かにストーリー的にはまさに王道だ。少女の成長物語に加え、サイボーグ少女と人間男子の恋がある。ティーンの初々しさと、運命を感じさせる2人のドラマに「タイタニック」のジャックとローズを重ねる人もいるだろう。
ところが、これがアクションになると突如、ロドリゲステイスト。サイボーグという設定を生かしまくって、アリータたちの身体をこれでもかと引き裂き、まさに「グラインドハウス」を思い出させる激しさ&デンジャラスさ。ただし、VFXや美術などにしっかりお金をかけ“世界”をきっちり作っているのでチープさとは無縁なのだ。
ちなみにロドリゲスにメガホンを任すとき、キャメロンたちが交わした約束は「自分で全部やらない」「VFXはWETAデジタルに頼む」の2点だけだったそう。ご存知の通り、ロドリゲスは撮影も編集も美術も、自分でやってしまう場合が多いからだ。ロドリゲスはこれに関しても「大作映画の作り方を学んだ」とうれしそうだった。
コントロールフリークとも言われるキャメロンだが、ロドリゲスにバトンタッチした時点で口出しはなかったという。曰く「なぜなら、これはロバートの映画だから」。
アリータをパフォーマンスキャプチャーで演じたローサ・サラザールも「最初にもらったジムの長いメールには、アリータへの愛がありったけ書かれていた。でも、『これからアリータは君のものだ。君が育て上げてくれ』って。私、感動しちゃったし名誉だと思った」と言っている。
ということは、みんなが一緒になってキャメロンの熱い思いに応えようとしたということ。だからきっと、キャメロンもロドリゲスやローサに愛し続けた少女を預けることができたのだ。
素晴らしいコラボレーションが生まれた理由はここにありそうだ。