「連続ドラマW 邪神の天秤 公安分析班」主演は青木崇高、「分析班」シリーズの魅力を紹介 - 映画ナタリー 特集・インタビュー (original) (raw)
青木崇高の主演ドラマ「連続ドラマW 邪神の天秤 公安分析班」全10話が、2月13日より毎週日曜22時からWOWOWプライム、WOWOWオンデマンドで放送・配信される。
麻見和史の小説をもとにした本作は、クライムサスペンス「分析班」シリーズの最新作。青木演じる刑事の鷹野秀昭にスポットが当てられ、警視庁捜査一課十一係から公安部に異動した彼が、エジプト神話になぞらえた猟奇殺人事件を追うさまが描かれる。
映画ナタリーでは放送スタートに先駆けて「連続ドラマW 邪神の天秤 公安分析班」の特集を展開。同作に加えて、「連続ドラマW 蝶の力学 殺人分析班」など、WOWOWオンデマンドで配信中の過去シリーズについても紹介する。さらにYouTuberの守鍬刈雄(すぐわかるお)による「分析班」シリーズの見どころ解説動画も掲載したので、あわせて楽しんでほしい。
文 / 前田かおり
「分析班」シリーズとは?
サスペンス性とアクションを盛り込んだ、麻見和史の人気警察小説シリーズ「警視庁殺人分析班」を原作にしたクライムサスペンス。敏腕刑事で鳴らした亡き父親の跡を継いで、警視庁捜査一課十一係の刑事になった如月塔子が、個性豊かな仲間たちとともにさまざまな猟奇事件に挑む。WOWOWの連続ドラマWで、2015年に「連続ドラマW 石の繭 殺人分析班」、翌年に第2弾「連続ドラマW 水晶の鼓動 殺人分析班」、2019年に第3弾「連続ドラマW 蝶の力学 殺人分析班」が放送され、さらには、同シリーズで強烈な印象を残した殺人鬼“トレミー”の前日譚を描いた「WOWOWオリジナルドラマ 悪の波動 殺人分析班スピンオフ」も作られるほど、ドラマWを代表する大人気シリーズになっている。
主人公の如月塔子役を演じるのは、木村文乃。近年は映画「ザ・ファブル」シリーズほか数々の映画、ドラマなど幅広く活躍している木村が、正義感が強く努力家である反面、無鉄砲で危なっかしい刑事に扮した。そんな彼女が属する捜査一課十一係のエースで先輩として塔子を厳しく指導し、時に温かく見守る刑事・鷹野秀昭役に青木崇高。そのほかのメンバーとして渡辺いっけい、小柳友、北見敏之がシリーズ3作を通して出演、また塔子の亡き父親・如月功役で仲村トオルが回想シーンなどで登場し、ストーリーを盛り上げている。
監督は、「連続ドラマW コールドケース ~真実の扉~」シリーズや「連続ドラマW 密告はうたう」「シグナル 長期未解決事件捜査班」など数々の警察ドラマの演出を手がけてきた内片輝。リアリティのあるストーリーに二転三転する展開、張り巡らされた伏線とちりばめられた謎。事件の驚くべき真相と犯人の真の目的が明かされていく過程など、魅力あふれる原作の世界観を忠実に再現しながら、ヒロイン塔子と猟奇殺人犯の息詰まる攻防戦をスリリングに描く。3部作どれもが、最後の最後まで片時も目が離せないノンストップ・クライムサスペンスドラマとなっている。
予測不能!殺人分析班が最難解な事件に挑む「蝶の力学」
大ヒットクライムサスペンス「殺人分析班」シリーズの第3弾。殺人分析班がシリーズ史上、もっとも難解な猟奇殺人事件に挑む。さらに如月塔子の相棒・鷹野秀昭の公安部への異動が迫っていた……。
麻見和史の原作シリーズの中でも特にミステリー要素が強く、難解な事件が描かれた「蝶の力学 警視庁殺人分析班」をドラマ化。前2作に続いて監督を務める内片輝がシリーズの世界観を構築した。脚本を手掛ける穴吹一朗は数々の刑事ドラマを生み出し、「連続ドラマW 邪神の天秤 公安分析班」の脚本にも参加している。
切り裂かれた首に、“青い花”が生けられていた猟奇殺人事件を皮切りに、次々と起こる事件と犯人に翻弄される警視庁と十一係。鷹野の公安への異動が数日後に迫る中、塔子にかかる期待と責任も大きくなっていく。だが、猟奇殺人事件の捜査は難航し、塔子には焦りと不安が募る一方。果たして、この事件を解決できるのか。誰にも予想のできない、戦慄のラストが待ち受ける……。
複雑に絡んだ謎解きはもちろんだが、本作での見ものは、刑事としての塔子の成長だ。当初、正義感は強いものの、未熟で無鉄砲だった塔子。そんな彼女を、先輩刑事の鷹野は教え導き、相棒として危機を何度も救い、シリーズ3作目の本作では2人の間に強い絆が生まれていた。十一係のメンバーや周囲の人々は塔子の実力を認め、チームのエースとして慕う。が、鷹野が去ることに一抹の不安を感じる彼女は捜査にまい進しながらも、寂しさや孤独を抱くなど、単なる相棒だけではないほのかな恋心の予感も描かれている。
また、そんな塔子の前に現れる司法解剖を担当する法医学者の相羽町子が本作でのカギに。鷹野とは昔からつながりがあり、事件のヒントを与えるメンター的存在になる。演じるのは菊地凛子。クールなビジュアルと謎めいたオーラで、ストーリー展開をより予測不能にさせている。
青木崇高演じる鷹野が公安へ、シリーズ最新作「邪神の天秤 公安分析班」
「殺人分析班」シリーズの主人公・如月塔子の先輩刑事であり捜査一課のエースで、同シリーズのキャラクター投票で1位を獲得したこともある鷹野秀昭。そんな彼を主人公にした新作が「連続ドラマW 邪神の天秤 公安分析班」だ。捜査一課から公安部に異動になった鷹野が、新たな猟奇殺人事件と陰謀に挑む。
鷹野を演じるのは、「るろうに剣心」シリーズなど数々の映画やドラマで独特な存在感を放つ青木崇高。彼にとっては本作が連続ドラマW初主演となる。さらに、公安分析班の紅一点で鷹野にとっては先輩にあたるが、ある理由から、相棒兼お目付け役となっている氷室沙也香役に松雪泰子。そのほかの精鋭メンバーを演じるのは筒井道隆、徳重聡、小市慢太郎、福山翔大。またシリーズおなじみの渡辺いっけい、段田安則、「連続ドラマW 蝶の力学 殺人分析班」で元監察医の相羽町子を演じて強烈なインパクトを残した菊地凛子も加わり、ストーリーに厚みを持たせている。
日本警察の中でもエリートとされている公安部に異動した鷹野。そんな中で起きた爆破事件の現場近くで与党の大物代議士の無残な遺体が発見される。なんと、その遺体からは臓器が抜かれ、付近には心臓と羽根を乗せた天秤が残されていた。現場を見た鷹野は古代エジプト神話を模した殺害方法をヒントに、筋読みを始める。だが、同僚の氷室は「公安には公安のやり方がある」と一蹴。情報収集活動は警察にとって捜査の基本で、互いに集めた情報を共有するが、公安警察ではより緻密で複雑な手法で捜査が求められる。しかも、捜査には単独行動で当たり、公安部内でも各自の作業は秘密裏に行われるのだった。
過去シリーズでは捜査一課十一係の仲間たちと協力して捜査し、事件を解決に導いてきた鷹野。それが本作における公安部の仲間たちは徹底した秘密主義で動き、互いにコミュニケーションもほとんど取らない。同じ世界観ながら、刑事部と公安部とではまったく異なる。そんな公安部のやり方に違和感を抱きながら難事件の糸口をつかもうとする鷹野の奮闘ぶりが見ものに。古巣・捜査一課十一係のメンバーも登場し、事件の解決をめぐって公安部と刑事部が対立する局面も描かれ、公安部の特殊性も際立ってくる。
さらに猟奇殺人事件が、ある目的から公安にやって来た鷹野の運命を揺るがすことになる。慣れぬ公安部の手法に疑問を感じながら、事件の捜査を地道に続ける鷹野。ビジュアルから熱い男というイメージを完全に封印した青木が、心の奥に熱いものを秘めて目的遂行のためにひた走る鷹野の内面を体現する。間違いなく本作は、俳優・青木崇高にとって代表作の1つにもなることだろう。
映画紹介&考察YouTuber・守鍬刈雄(すぐわかるお)が 「分析班シリーズ」の見どころを動画で紹介!
守鍬刈雄(スグワカルオ)
映画紹介&考察YouTuber。自身のYouTubeチャンネル「守鍬刈雄のお暇なら映画でも」は登録者14.5万人を記録している。書籍「守鍬刈雄のお暇なら本で映画の話でも…」が販売中。