ドラマ「科捜研の女 season20」沢口靖子インタビュー - 映画ナタリー 特集・インタビュー (original) (raw)

沢口靖子が法医研究員・榊マリコを演じるドラマ「科捜研の女」シリーズ。1999年にスタートし、今年で21年目を迎える同シリーズの最新作「科捜研の女 season20」が、いよいよ10月22日からテレビ朝日系で放送される。

映画ナタリーでは沢口へインタビューを行い、20年で成長してきたマリコの歩みを振り返ってもらった。さらに、新シーズンで鑑定する驚きの題材や、マリコとの関係が気になるあの人についても明らかに。また、TELASA(テラサ)で配信がスタートするSeason13・14やスペシャルドラマの見どころも紹介している。

取材・文 / 橋本達典(インタビュー)、山里夏生(作品解説)

沢口靖子インタビュー

新シーズンでは睡眠や干物、新たな題材も科学で鑑定します

──新シーズン「科捜研の女 20」の撮影が始まったとのことですが、再び榊マリコを演じることが決まったときの率直な感想からお聞かせください。

沢口靖子

「またマリコに会える!」という喜びでいっぱいになりました。新シーズンで21年目に入り、人生の半分近くをマリコとして生きているような感覚ですが(笑)、これまでのシーズンと同様に新鮮な気持ちで臨みたいです。

──まだまだ続くコロナ禍において、現場の様子はいかがですか?

皆さんと同じくソーシャルディスタンスに気を付けつつ……例えば(本番前の)テスト撮影の段階ではフェイスシールドを付けるとか。お芝居でも間隔を保ちながら、スタジオ内ではスタッフや役者が密を避けて撮影しています。撮影が始まるまでは「これまで通りにできるのかな?」と思っていたのですが、登場人物との距離を置くことで、かえっていい緊張感が生まれたり。ラボのセットを広く活用することで科捜研メンバーの個性がより生きてきたりと、予想外の作用もありました。

──沢口さんは撮影前の自粛期間中、どう過ごされていたのですか?

おうち時間がたっぷりあったので、部屋のお片付けをしたりしました。あとは前のシーズンが1年間あって、なかなか時間が取れなかったものですから映画を観たり、本を読んだり。それまではアウトプットばかりしていましたので、自分の中にいいものを取り入れる期間に充てました。

──20周年の節目となった「科捜研の女 19」が終わり、新シーズンが始まります。何か特別な変化はありましたか。

「科捜研の女 season20」第1話より。

大きくはこれまでと変わらず、新シーズンも最先端の科学捜査はもちろん、深みの増した人間ドラマも楽しみにしていただきたいです。そうだ! マリコの驚きのショットも登場しますよ、フフフ(笑)。あ、あと(自粛期間中に)美容室に行けなかったそうで、風間トオルさん、渡部秀くんの髪が撮影開始時には伸びていました。ストーリーとしましては、睡眠や干物など、新たな題材も科学で鑑定しますので、そちらもどうぞお楽しみに。

マリコの成長を発見できたときがうれしくて

──マリコが捜査で変装をする回やコミカルなシーンもありました。沢口さんご自身は、そういったシーンにどう臨まれているのですか?

「科捜研の女 season20」第1話より。

物語に支障のない範囲であれば楽しんでやらせていただいています。ほかにも前シーズンでは、苦手なお料理をしたり、マリコが新しいことに挑戦する回も楽しみにしています。

──ちなみに、ご自身の料理の腕前は?

家にいることが好きなので、自粛期間中は3~4日に一度はお買い物に行って、一応3食すべて作っていました。腕前のほうは自信がないですけど(笑)。

──新シーズンのお話に戻りまして、マリコというキャラクターに変化はありますでしょうか?

初期のころは科学一辺倒でしたが、たくさんの人々と出会うことで広い視野で物事を見るようになり、登場人物を優しく見つめられるよう成長してきたマリコが、人としてさらに成長するんじゃないかなと思います。逆に変わらないのは、真実を突き止めようとするところ。まっすぐな姿勢は変わらないです。

──20年の時を経て、脚本、演出、そしてキャラクター造形や関係性がじっくりと熟成されてきた印象がありますね。

「科捜研の女 season20」第1話より。

そうですね。一番にはその時々の時事性を取り入れた脚本の面白さがあります。科学の進歩とともに作品も進化して、ドローンなどを使った撮影方法も取り入れられてきた中で、登場人物の関係性も深まってきて。だからこそ、20年間応援していただける作品になったのかなと思います。関係性ということで言えば、ラボのみんなや府警本部の皆さん、風丘先生(若村麻由美)……登場人物のファミリー感も支持していただいている理由の1つだと思います。

──時事性と言えば、前シーズンではマリコが動画サイトでデビューしたりと、旬な話題も多く取り入れられています。新シーズンのスタートに合わせ、動画配信サービス・TELASA(テラサ)では、過去シーズンのアーカイブが配信中ですし20年という時代の変化も見てほしいですね。

脚本には、そういう旬な話題がいち早く取り入れられているので、毎回、読むのが楽しみです。また、脚本からマリコの成長を発見できたときがうれしくて。同じようなシチュエーションでも「前はこんなふうには言わなかったな」とか、お芝居しながらも変化を感じます。皆さんもそういう時代の変化、キャラクターの変化を楽しんでご覧ください。