「魔女見習いをさがして」森川葵×松井玲奈×百田夏菜子×三浦翔平インタビュー - 映画ナタリー 特集・インタビュー (original) (raw)

「おジャ魔女どれみ」の20周年記念作品「魔女見習いをさがして」が、11月13日に公開される。監督の佐藤順一、脚本家の栗山緑、総作画監督の馬越嘉彦らオリジナルスタッフが集結した本作。劇中では大学生のソラ、キャリアウーマンのミレ、フリーターのレイカという主人公3人が、“おジャ魔女どれみが好き”という共通点をきっかけに出会い、テレビシリーズゆかりの地を巡っていく。

映画ナタリーでは、本作の公開記念特集を2回にわたり展開。第1回には、ソラ役の森川葵、ミレ役の松井玲奈、レイカ役の百田夏菜子(ももいろクローバーZ)、そしてヒロインたちが旅の中で出会う大学生・大宮役の三浦翔平が登場。「おジャ魔女どれみ」世代だという4人が、テレビシリーズを観ていた当時の思い出や作品の魅力を語ってくれた。

取材・文 / 浅見みなほ 撮影 / 小原泰広

「おジャ魔女どれみ」とは

「魔女見習いをさがして」より、春風どれみ(中央)。

1999年から朝日放送・テレビ朝日系列で4年間放送されたテレビアニメシリーズ。第3期「も〜っと!おジャ魔女どれみ」では最高視聴率13.9%を記録し、世代別では女児の9割が視聴していたほど圧倒的人気を誇った。ドジでおせっかいだが優しい女の子・春風どれみをはじめ、藤原はづき、妹尾あいこ、瀬川おんぷ、飛鳥ももこといった友人たち、そして妹の春風ぽっぷが、“魔女見習い”として成長していくさまを描く。好きな男の子に告白する勇気が欲しい、自分の意見をきちんと言えるようになりたい、離婚した両親を仲直りさせたい……といった願いを胸に魔女を目指す少女たちの姿を通し、子供たちの悩みに寄り添う丁寧な人間ドラマを紡いできた。どれみたちがカラフルな見習い服をまとう“お着替え”シーンや、心躍る魔法の世界の描写も視聴者の心をつかんだ。

森川葵×松井玲奈×百田夏菜子×三浦翔平 インタビュー

無印から最後のシリーズまで、毎週楽しみに観ていました(松井)

──本作は、今でも根強い人気を誇る「おジャ魔女どれみ」の20周年記念映画ということで、製作発表時は大きな話題となりました。オファーを受けた際の心境を教えてください。

森川葵

森川葵 本当にうれしかったです。小さい頃から観ていた「おジャ魔女どれみ」の制作陣の方が再集結する作品に、私も参加できるなんて。映画が作られるという情報が先に出ていて、絶対に観に行きたいなと思っていたので、まさか自分のもとに出演のお話が来るなんて考えてもいませんでした。

松井玲奈 私も「おジャ魔女どれみ」が大好きだったので、お話をいただいて飛び上がるくらいうれしくて。しかも今回は、どれみちゃんたちではなく新しい主人公3人のお話になると聞いて驚きました。なおかつ自分が「おジャ魔女どれみ」の世界にキャラクターとして登場できるということがうれしかったです。

百田夏菜子 私はマネージャーさんから「『おジャ魔女どれみ』の……」と聞いた時点で、なんの仕事かも聞かずに「やりたいです!」と答えました! 最初に映画の情報が出たとき、友達と「絶対に観に行きたいね!」って話をしていたので、オファーをいただいたときは「友達になんて言おう……」って思いもあったりして(笑)。でも情報が解禁されたとき、友達もすごく喜んでくれて「観に行くね!」と言ってもらえたのでよかったです。

三浦翔平 僕もネットニュースで映画の情報を見て「ああ懐かしいな」と思いましたね。それでSNSに「楽しみだな」って書いてしばらく経った頃に、マネージャーさんから「(オファーが来ていますが)出ますか?」と聞かれて。

一同 (笑)

三浦 「出れるの!?」って驚いたんですけど(笑)。それから「出させていただけるのであれば……」とお話ししました。

──皆さんもともと「おジャ魔女どれみ」がお好きだったんですね。「おジャ魔女どれみ」との出会いは覚えていますか?

森川 初めて観たのがどのタイミングだったかは、はっきりとわからなくて……。保育園の頃に一緒にいた友達がみんな観ていたので、私も当たり前に観ている感じでした。私は特におんぷちゃんが好きでした!

「魔女見習いをさがして」より、瀬川おんぷ。

「魔女見習いをさがして」より、藤原はづき。

百田 私は幼稚園の頃に大好きだった記憶があります。みんなで「今日は誰役ね」と言って、変身シーンやセリフをまねして遊んでいたんです。昨日はどれみちゃんだったから今日はあいこちゃん……みたいに毎日毎日役を変えていたんですけど、私ははづきちゃんが好きだったので、けっこうはづきちゃん役を狙いに行ってました(笑)。

松井 私はあいこちゃんが好きでした。無印(第1期)の最初からリアルタイムで観ていましたね。日曜の朝は習慣的にずっとアニメを観ていたので、自然な流れで「おジャ魔女どれみ」と出会いました。最後のシリーズまで、毎週楽しみにしながら観ていたのを覚えています。

三浦 僕も松井さんと一緒で、日曜は朝6時半から10時くらいまでずっとテレビを観ていたので、その流れで「おジャ魔女どれみ」も観るようになりました。

──当時、三浦さんの周りの男の子も「おジャ魔女どれみ」を観ていたんでしょうか?

三浦 観てましたね。その頃って今みたいにみんながゲームを持っていたわけでもなくて、テレビを観るくらいしかやることがなかったんです。小学生の頃はだいたい、日曜の朝はテレビを観て、昼ごはんを食べて、そこから友達とサッカーして……っていう流れがあったので、みんな習慣になっていたと思います。

「魔女見習いをさがして」より、大宮竜一(奥中央右)。

──三浦さんは先ほどお話に挙がったSNSの投稿(参照:shohei miura / 三浦翔平 (@shohei.63) | Instagram)で、おんぷちゃん推しを公言されていましたね。

三浦 いや、全員好きですよ! 全員好きですけど! でもやっぱり男の子はおんぷちゃんが好きですよね(笑)。今回演じた大宮というキャラクターもおんぷちゃん推しなんですが、あの設定は僕がおんぷちゃん好きだと知ってあとから入れたのか、もともと決まっていたのかはわからなくて。でもそこはちょっと役と通ずるところがありましたね。

丁寧に作り込まれたアニメだと、今になって思う(三浦)

──「おジャ魔女どれみ」は友達や家族の大切さなど、多くのことを教えてくれるシリーズです。テレビで観ていた当時は、どんな部分で影響を受けましたか?

森川 “お着替え”用のタップに、香水の形のもの(コロンタップ)があって、シュッシュッとふりかけて使うんです。大人のアイテムみたいで、すっごくかわいくて憧れていました。それも含めて、ファッションの面ではすごく影響を受けたと思います。キャラクターごとの色とか、キラキラ輝いてるビーズとか、ふわっとしたスカートとか、そういうものをかわいいと思うようになりました。

百田 めちゃめちゃわかります! 私も、お洋服はどれみちゃんたちにすごく影響を受けました。普段体を動かすことが好きで、あんまりスカートをはいていなかったんですけど、どれみちゃんごっこをするために「ふわっとしたスカートをはいてみたいな」と思うようになりました。フルーツの付いたかわいいサンダルがどうしても欲しかったんですけど、買ってもらえなかった苦い思い出もあります(笑)。

松井玲奈

松井 私は第1シリーズの、嘘つきな女の子・信ちゃんのエピソード(第6話「ウソつきは友情の始まり」)が印象に残っていて。とにかく嘘つきで、事実とは違うこともしゃべっちゃうような子の話なんです。でも実は空想が大好きな子で、どれみちゃんたちは「嘘はダメだよ」と教えながらも、信ちゃんをただの悪者にせず「それってお話を作るのが上手ってことだよね」「もっと信ちゃんが作ったお話を聞かせてよ!」という方向に展開していくんです。彼女が作り上げたお話がその後のシリーズにも出てきたりして。短所に見えるところも、考え方を変えて見ると長所になるんだなってことを、「おジャ魔女どれみ」から教えてもらいました。

三浦 僕がとにかく印象的だったのは、「ピリカピリララポポリナペペルト」っていう呪文です。これだけ耳に残るのはすごいですよね。「おジャ魔女どれみ」って小さい女の子向けのアニメだと思われがちですけど、大人になってから観てみると、1人ひとりの人生観とか、友情とか、家族愛とか、絆とか……大事なテーマがたくさんちりばめられているんです。大人になってこういう大切な気持ちを忘れていたな、と思い出させてくれる作品だし、丁寧に作り込まれたアニメだと、今になって思いましたね。