「マーベルズ」特集 | アベンジャーズの最強ヒーロー、キャプテン・マーベルが大ピンチ!“復讐を目論む謎の敵”ダー・ベンとは - 映画ナタリー 特集・インタビュー (original) (raw)
マーベル・スタジオが贈る新作映画「マーベルズ」が全国で上映中。本作はアベンジャーズ最強のヒーロー、キャプテン・マーベルの新たな物語だ。地球のみならず宇宙をも守る彼女は、“ある過去”の因縁から復讐を誓う謎の敵ダー・ベンに苦戦を強いられてしまう。これまで1人で戦ってきたキャプテン・マーベルは最大の脅威に立ち向かうため、アベンジャーズオタクで高校生ヒーローのミズ・マーベル、力を覚醒させた敏腕エージェントのモニカ・ランボーとチームを結成し、新たな“強さ”に目覚めていく。
映画ナタリーでは、かつて最凶最悪の敵サノスを規格外のパワーで圧倒したほどの強さを誇るキャプテン・マーベルを、より強大な力で凌駕する“復讐を目論む謎の敵”ダー・ベンにスポットを当てた特集を展開。サノスやウルトロンといった歴代の強敵たちを紹介しつつ、本作を鑑賞したライター・SYOのレビューをお届けする。
レビュー / SYO文 / 小宮駿貴
映画「マーベルズ」ファイナル予告公開中
「マーベルズ」のヴィラン&歴代“最凶ヴィラン”をチェック
ダー・ベン(演:ゾウイ・アシュトン)
「マーベルズ」より、ダー・ベン。
登場作品:「マーベルズ」
“ある過去”の因縁からキャプテン・マーベルの愛するすべてを滅ぼそうとする謎の敵。あらゆる惑星から水や空気、そして太陽を奪い、地球を含むすべてを破壊しようと目論む。キャプテン・マーベルの力を吸収し、自身に還元することができる最凶のパワーを誇る。なおダー・ベンを演じるゾウイ・アシュトンのパートナーは、「アベンジャーズ」や「ロキ」シリーズでロキ役を演じているトム・ヒドルストン。
サノス(演:ジョシュ・ブローリン)
「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」より、サノス。(ディズニープラスで配信中)©︎2023 Marvel
主な登場作品:「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」「アベンジャーズ/エンドゲーム」
全宇宙の均衡を取り戻すため、その半分の生命を消し去ろうとする最凶最悪のヴィラン。6つのインフィニティ・ストーンに秘められた無限大のパワーを駆使し、アベンジャーズを幾度となく窮地に追い込んだ。
ヘラ(演:ケイト・ブランシェット)
「マイティ・ソー バトルロイヤル」より、ヘラ。(ディズニープラスで配信中)©︎2023 Marvel
登場作品:「マイティ・ソー バトルロイヤル」
ソーの故郷アスガルドを滅ぼそうとする“死の女神”。ソー、ロキの姉にあたるキャラクターだ。変幻自在の能力を操り、ソーの武器ムジョルニアを片手で破壊するほどのパワーを持つ。ソーはこの戦いで雷神の力を覚醒させたものの、右目とアスガルドの地を失った。
ウルトロン(演:ジェームズ・スペイダー)
「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」より、ウルトロン。(ディズニープラスで配信中)©︎2023 Marvel
登場作品:「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」
アイアンマンことトニー・スタークが平和の維持を願って開発した⼈⼯知能の暴走した姿。地球の平和を脅かす存在は⼈類だと考え、進化と増殖を続ける。この脅威にアベンジャーズは再び結集し、壮絶な戦いに身を投じた。なおウルトロンの体は、キャプテン・アメリカが持つ盾の主成分であるヴィブラニウムでできている。
ロナン(演:リー・ペイス)
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」より、ロナン。(ディズニープラスで配信中)©︎2023 Marvel
登場作品:「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」「キャプテン・マーベル」
クリー帝国(惑星ハラ)の法を執行する最高告発者。クリー政府が対立惑星ザンダーと平和条約を結んだことに反発し、インフィニティ・ストーンを代価にサノスと結託、ザンダーの壊滅をたくらむ。だがストーンの威力を目の当たりにすると、それを自身の武器に埋め込み、破壊の限りを尽くす。「キャプテン・マーベル」にも若かりし頃のロナンが登場。
SYO レビュー
ダー・ベンの狙いは?キャプテン・マーベルに脅威が迫る
アイアンマンやキャプテン・アメリカ、ソーほか名だたるヒーローを擁する最強チーム、アベンジャーズ。その中でもずば抜けた強さを誇るのがキャプテン・マーベルだ。彼女は、全宇宙の生命の半数を消し去った強敵サノスをも圧倒する規格外のパワーと鋼の心を持ち合わせ、日々全宇宙を飛び回り平和のために尽力している。映画「マーベルズ」では、そんな“レベチ”なキャプテン・マーベルがかつてない危機に直面。全宇宙の存亡を揺るがす大事件が勃発する。
ブリー・ラーソン演じるキャロル・ダンヴァース / キャプテン・マーベル。
まず今回のヴィラン、ダー・ベンが恐ろしく強い。彼女は内乱によって崩壊の危機に瀕した惑星ハラを率いるリーダーであり、右手には強大な力を宿すコズミ・ロッド、左手には無限の可能性を秘めたバングルを装着している。このバングル、なんとキャプテン・マーベルのエネルギーを吸収してダー・ベンに還元することができる。キャプテン・マーベルにとって相性最悪の代物だ。ダー・ベンはこの2つの武器を駆使してキャプテン・マーベルを苦しめるだけでなく、愛する故郷を崩壊から救うため、ほかの惑星を侵略しては大気や水源を略奪し、果てには太陽をも占有しようとする。太陽が失われれば、地球をはじめ多くの惑星の生命は死に絶えてしまう。そう、まさに大ピンチなのだ! キャプテン・マーベルの肩には全宇宙の命運がのしかかる。
「マーベルズ」場面写真
「マーベルズ」場面写真
しかも、ダー・ベンは“ある出来事”からキャプテン・マーベルを骨の髄から憎んでいるキャラクター。それゆえに“殺戮者”となじり、彼女が愛するすべてを奪おうとするのだ。ダー・ベンはキャプテン・マーベルにとってこれまでにない脅威の存在と言える。アベンジャーズを苦しめてきたサノスやウルトロンのように、ダー・ベンもマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の歴史に悪名高きヴィランとして名を刻むに違いない。
奇想天外な“入れ替わり”バトルに注目
キャプテン・マーベルはダー・ベンの脅威に加え、もう1つの試練に向き合わなければならない。あるアクシデントによって、光系統の能力を持つヒーローであるキャプテン・マーベル×ミズ・マーベル×モニカ・ランボーが、<能力を発動するたびに入れ替わる>謎の現象が発生する。これまで孤軍奮闘してきたキャプテン・マーベルにとって、能力を発動する=他者とスイッチすることはハンデを背負っているような状態だ。戦闘時はミズ・マーベルやモニカ・ランボーを巻き込まないよう神経を尖らせなければならない。かといって、得意技を封印したままではダー・ベンには勝てない……。この状態でキャプテン・マーベルはどう巨悪に立ち向かうのか。ぜひ劇場で確かめてほしい。
左からミズ・マーベル、キャプテン・マーベル、モニカ・ランボー。
こうした設定やストーリーだけでも面白さに満ちているが、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)ファンにとっても新鮮でうれしいシーンが続出。キャプテン・マーベル、ミズ・マーベル、モニカ・ランボーの“入れ替わり”を利用したバトルはスピーディかつ奇想天外で、各々の能力を駆使した戦闘シーンの組み立ては新鮮そのもの。ヒーローたちのコンビネーション技は「アベンジャーズ/エンドゲーム」などで観てきたが、また違った演出に胸が高鳴ること間違いなしだ。
イマン・ヴェラーニ演じるカマラ・カーン / ミズ・マーベル。
テヨナ・パリス演じるモニカ・ランボー。
最後の最後までワクワクが止まらない!
「家族 / 愛する者」をテーマにした各キャラクターの深掘りも巧みで、最強ヒーローとしての孤独や苦悩を打ち明けたキャプテン・マーベルがまた1つ成長していくドラマにはグッとくるものがある。「こんなのアリ?」「さすがに予想外」と思わず笑ってしまう場面もあり、鑑賞後はミズ・マーベルのようにキャプテン・マーベル推しになることだろう。
そしてもちろん、MCUファンにはうれしいサプライズも! “あのキャラクター”の登場や、今後のMCUの展開に大いに期待したくなる仕掛けもある。最後の最後までワクワクが止まらない作品に仕上がっている。
「マーベルズ」場面写真
「マーベルズ」場面写真
プロフィール
SYO(ショウ)
映画、ドラマ、アニメ、マンガ、音楽などのジャンルで執筆するライター。トークイベントへの登壇実績も多数。装苑、sweet、BRUTUS、GQ JAPANといった雑誌のほか、多くのWeb媒体にも寄稿している。