いくつになっても輝いている、イケてるオヤジ俳優列伝!「BS12 年またぎ映画祭」で名作を一挙放送 - 映画ナタリー 特集・インタビュー (original) (raw)

24時間無料で楽しめるBSデジタル放送局「BS12 トゥエルビ」では、映画、ドラマ、スポーツ、アニメーション、ドキュメンタリー、音楽、ショッピングといったジャンルの番組を毎日お届け中。12月25日から1月7日にかけては「BS12 年またぎ映画祭」として、“必修科目”とも言える名作映画27本を一挙放送する。

映画ナタリーでは、いくつになっても輝きを放つイケてる&渋いおじさん俳優にフォーカスしながら、放送作品をご紹介。トム・ハンクス、ハリソン・フォードといったハリウッドスターに加え、日本の激渋なレジェンドの出演作も。冬休みはBS12 トゥエルビで見逃していた名作をまとめてチェックしよう。

文 / 前田かおり

意外!!美女との謎解き姿も似合うインテリ&ダンディなトム・ハンクス

「ダ・ヴィンチ・コード」ビジュアル © 2006 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

「ダ・ヴィンチ・コード」ビジュアル © 2006 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

トム・ハンクスといえば、気さくで人の好いアメリカ人というイメージが強い。もともとコメディ系でスタートし、人魚との恋を描いた「スプラッシュ」や12歳の子供が目覚めたら大人になっていた!?という「ビッグ」などライトコメディで人気を得た後、シリアス路線「フィラデルフィア」「フォレスト・ガンプ/一期一会」でオスカー常連俳優となりハリウッドの大物に。そんな彼にとって、「ダ・ヴィンチ・コード」シリーズはちょっぴり異色路線だった。原作はダン・ブラウンの世界的ベストセラーで、トム演じるハーバード大学の宗教象徴学のロバート・ラングドン教授が歴史的芸術に隠された暗号を読み解き、巨大な陰謀に挑む。シリーズ第1弾「ダ・ヴィンチ・コード」(2006年)はルーブル美術館から始まる謎解きで、第2弾「天使と悪魔」(2009年)はヴァチカンが舞台、第3弾「インフェルノ」(2016年)では詩人ダンテの「神曲」になぞらえた新型ウィルスによる人類滅亡計画を阻むために大奮闘。独身のインテリ教授役として歴史や芸術を語りながら、「アメリ」のオドレイ・トトゥをはじめ、毎回キュートなヒロインと事件の真相を追ってヨーロッパ中を奔走する。他作ではあまり見せたことのないダンディなイケオジぶりも発揮! トム・ハンクスと行くスリリングかつ格調高いヨーロッパ探訪……と観るとまた格別なものに映るはずだ。

編成担当から一言

一世を風靡した「ダ・ヴィンチ・コード」、時間があれば見直したいと思っていた方も多いのではないでしょうか。3作目の2016年公開、無料BS初登場の「インフェルノ」まで一気見して、ダン・ブラウンの世界にどっぷり浸かってください! また今回、「ダ・ヴィンチ・コード」と「天使と悪魔」は、劇場版ではカットされたシーンを含むエクステンデッド版を放送します。(「ダ・ヴィンチ・コード」は約25分の追加!)どのシーンが追加部分なのか、チェックしながら鑑賞するのもおすすめです!

「ダ・ヴィンチ・コード」場面写真 © 2006 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

「ダ・ヴィンチ・コード」場面写真 © 2006 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

関連作放送スケジュール

永遠の冒険野郎で映画ファンの心をわしづかみするハリソン・フォード

「インディ・ジョーンズ」ビジュアル TM & © 1981, 2023 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. Used Under Authorization.

「インディ・ジョーンズ」ビジュアル TM & © 1981, 2023 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. Used Under Authorization.

「スター・ウォーズ」シリーズのハン・ソロ役で大ブレイクして以来、「ブレードランナー」シリーズに「ジャック・ライアン」シリーズなどいくつもの当たり役を手にしながら、ハリウッドスターとして第一線を歩んできたハリソン・フォード。なかでも、「インディ・ジョーンズ」シリーズは彼の代表作だ。スティーヴン・スピルバーグとジョージ・ルーカスがタッグを組んで誕生させたアドベンチャー・ヒーローで、考古学の教授インディがお宝をめぐり世界を股にかけて冒険を繰り広げていく。今回、放送されるのは第1作「インディ・ジョーンズ レイダース/失われたアーク《聖櫃》」(1981年)を皮切りに、「~魔宮の伝説」(1984年)「~最後の聖戦」(1989年)「~クリスタル・スカルの王国」(2008年)の4作。トレードマークのフェドーラ帽にレザージャケット、そして手には牛追い鞭を持ち、たとえ火の中水の中……どんなに凶悪な敵であろうとひるむことなく飛び込んでいく。無茶無謀なおじさんだが、少年のような心と茶目っ気ある姿で魅了する。あのジョン・ウィリアムズのお馴染みのテーマ曲が流れるといつだってハラハラドキドキ、心沸き立つ冒険の旅に連れ出してくれる。2023年には、15年ぶりに5作目の「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」が作られた。ぜひ合わせて楽しんでみてはどうだろう。

「インディ・ジョーンズ」場面写真 TM & © 1981, 2023 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. Used Under Authorization.

「インディ・ジョーンズ」場面写真 TM & © 1981, 2023 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. Used Under Authorization.

関連作放送スケジュール

キレッキレのアクションもこなす天才俳優マット・デイモン

「ボーン・アイデンティティー」ビジュアル © 2002 Universal Studios. All rights Reserved.

「ボーン・アイデンティティー」ビジュアル © 2002 Universal Studios. All rights Reserved.

1988年、名門ハーバード大学在学中にジュリア・ロバーツ主演の「ミスティックピザ」の端役でデビューを飾り、下積みを経て幼馴染のベン・アフレックと共同脚本を手掛けた「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」で1998年にアカデミー賞脚本賞を受賞し、主演俳優としても脚光を浴びたマット・デイモン。以来、「プライベート・ライアン」、「オーシャンズ」シリーズで若手スターの仲間入りを果たし、その後も「ディパーテッド」「インビクタス/負けざる者たち」などのヒット作で幅広い役をこなして、ハリウッドで順調にキャリアアップしてきた。そんな彼のポテンシャルの高さを見せつけたのが「ボーン」シリーズだ。主人公のジェイソン・ボーンは記憶喪失でありながら、自分に備わっている超人的な戦闘スキルや判断力を駆使して敵を倒し、自分が何者かをとり戻していく。スリル満点のスパイアクションで、マット・デイモンは徹底的に体を鍛え上げて、孤高の元CIA暗殺者という役に挑んでいる。第1作の「ボーン・アイデンティティー」(2002年)、2作目「ボーン・スプレマシー」(2004年)、3作目「ボーン・アルティメイタム」(2007年)と、追っ手を振り切る逃走アクションや、キレッキレの戦闘シーンにはアドレナリン全開必至だ。演技派だけではない、肉体でも私たちを虜にするマット・デイモン。能ある天才俳優はいろんな魅力を持っているのだ。

「ボーン・アイデンティティー」場面写真 © 2002 Universal Studios. All rights Reserved.

「ボーン・アイデンティティー」場面写真 © 2002 Universal Studios. All rights Reserved.

関連作放送スケジュール

ハリウッド超大作で一世を風靡したニコラス・ケイジ

「ザ・ロック」ビジュアル © 1996 Hollywood Pictures Company. All rights reserved.

「ザ・ロック」ビジュアル © 1996 Hollywood Pictures Company. All rights reserved.

巨匠フランシス・フォード・コッポラの甥で、そう呼ばれるのを嫌って好きなアメコミのキャラクターから芸名を付けたニコラス・ケイジ。1982年に映画デビューすると、デヴィッド・リンチ監督の「ワイルド・アット・ハート」など個性的な作品で注目され、1995年の「リービング・ラスベガス」でアカデミー賞主演男優賞を受賞し、演技力も認められて以後、メジャースタジオのエンタメ作品で大活躍する。「ザ・ロック」(1996年)はハリウッドのトップスターだった頃の代表作。アルカトラズ島を占拠したテロ集団に挑むため、密命を帯びて島に潜入した男たちの死闘を描く。ニコラスが演じるのはFBIの化学兵器スペシャリストで、ショーン・コネリー扮する伝説の囚人と手を組むことに。敵役はエド・ハリス、メガホンを取ったのは気鋭のマイケル・ベイ。派手なアクションに加え、ニコラスが名優たちと見せる男同士の絆が心を揺さぶる痛快作だ。「コン・エアー」(1997年)では、凶悪犯にハイジャックされた囚人専用の護送機で孤立無援のなか戦う男を熱く演じている。数々のヒット作を出しながら、その後、ニコラスは人気が下降したが、近年は復活の兆しだ。私生活では日本人女優と結婚して、娘も生まれて幸せいっぱい。間もなく60歳だが、紆余曲折を経て、また新たな輝きを放つイケオジになりそうだ。

「ザ・ロック」ビジュアル © 1996 Hollywood Pictures Company. All rights reserved.

「ザ・ロック」ビジュアル © 1996 Hollywood Pictures Company. All rights reserved.

関連作放送スケジュール

ちょっと待った!日本のレジェンド・高倉健もお忘れなく

「昭和残侠伝」シリーズ2作目となる「昭和残侠伝 唐獅子牡丹」のビジュアル。©東映

「昭和残侠伝」シリーズ2作目となる「昭和残侠伝 唐獅子牡丹」のビジュアル。©東映

2014年に亡くなった高倉健は、今も日本が誇る銀幕の大スターだ。約60年にも及ぶ役者人生のなかで出演した映画本数は200本以上。そのほとんどで主演を務めているという稀有な役者だ。彼が演じてきたのは、もっぱら寡黙で無骨な人物。そして、多くを語らないが、その佇まいだけで胸の奥に秘めた心情を体現する。「冬の華」(1978年)で高倉健演じる主人公は止むに止まれぬ理由から殺した男の娘をそっと見守って来たが、再び義理と人情の板挟みになってしまう。脚本を倉本聰、監督は降旗康男。渡世の世界に生きる男の哀しい宿命を背負った姿は健さんに似合う。「昭和残侠伝」は、「日本侠客伝」「網走番外地」と並んで、高倉健の初期を代表するシリーズ。第1作の「昭和残侠伝」(1965年)の舞台は太平洋戦争が終わりを迎えた直後、第2作以降は戦前となる昭和初期を舞台に、新旧のヤクザの勢力争いを描いている。主演・高倉健と、彼を支える役の池部良のコンビが、最後に2人揃って敵陣に殴り込みに行くのがお約束の名場面で、観る者の心をわしづかみにする。また、同シリーズは高倉健が劇中で主題歌を披露するというのも見どころ、聴きどころだ。これぞ、激渋な漢(オトコ)の映画。どっぷりと浸ってみよう。

編成担当から一言

「冬の華」、「昭和残侠伝」シリーズともに「銀幕スター高倉健」の義理と人情、男気を堪能できる名作です。映画館で観た当時のように「待ってました! 健さん!」とテレビ画面の前で声をあげ、お正月を楽しんでもらいたいという思いで編成しました。

「昭和残侠伝 唐獅子牡丹」場面写真 ©東映

「昭和残侠伝 唐獅子牡丹」場面写真 ©東映

関連作放送スケジュール

「BS12 年またぎ映画祭」放送スケジュール

2023年

12月25日(月)

12月26日(火)

12月27日(水)

12月28日(木)

12月29日(金)

12月30日(土)

12月31日(日)

2024年

1月1日(月・祝)

1月2日(火)

1月3日(水)

1月4日(木)

1月5日(金)

1月6日(土)

1月7日(日)

編成担当から一言

2023年に有終の美を飾った「インディ・ジョーンズ」から始まる映画祭、年末のワクワク(クリスマス)気分をさらに加速させるアクション映画や、スピード感溢れるサスペンス、壮大な謎解きミステリーなどノンストップで映画三昧できる作品をセレクトしました! 年末年始をぜひご家族皆さんで楽しんでいただけたら嬉しいです!