紅白歌合戦 出場者予想2023 (original) (raw)

紅白歌合戦 出場者予想2023

ミセス? NewJeans? 10-FEET? サザン? 今年のラインナップをライター4人が徹底予想

2023年10月26日 18:30 113

今年で74回目を迎える大晦日の大型生特番「NHK紅白歌合戦」。この番組は毎回その年に活躍した豪華な顔ぶれが出場者としてラインナップされることもあって、「紅白出場」を目標に掲げて活動するアーティストも多く、年末が近付くたびに「誰が出場するのか?」という話題に人々の関心が寄せられる。

この記事では、タイプの異なる4人のライター / ブロガーに、今年の紅白の出場者予想を依頼。「初登場アーティストのうち3組」「特別企画」「紅組白組それぞれのトリ」という3つのトピックについて考えてもらった。これらの意見を参考にしながら、あなたも自分なりの出場者予想をしてみては?

構成 / 橋本尚平

※寄稿者を50音順に掲載

目次

Kei(音楽チャートアナライザー)の予想は……

初出場のうち3組

特別企画

トリ

音楽チャート分析を行う者としてはビルボードジャパンによるソングチャート(Hot 100)、そしてソングチャートとアルバムチャートを合算したトップアーティストチャート(Artist 100)が、今年ヒット曲を輩出した歌手の選出に関わると断言していいでしょう。このことは昨年の初出場歌手判明時、ブログにて紹介しています。

トップアーティストチャートの状況を踏まえれば、アルバム「ANTENNA」のリリース前からトップ5入りを続けるMrs. GREEN APPLEの初出場は確実です。また紅組では昨年末から30位以内をキープしているK-POPのNewJeansに白羽の矢が立つでしょう。10月21日放送の「Venue101」(NHK総合)では彼女たちが30分まるごとフィーチャーされており、NHK音楽番組への出演も選出に影響すると捉えています。

今年はアニメソングが強く、スポーツでも日本の活躍が多いことから双方の特集が組まれるはずです。五輪出場権を獲得したバスケットボール男子代表を称えるべく、10-FEETが初出場して「第ゼロ感」を披露、その際「THE FIRST SLAM DUNK」の描き起こし映像が登場という流れも十分考えられます。

今年のテーマは“ボーダレス”。世代を超えた共演と捉えるならば、特別企画として今年デビュー50周年を迎えたキャンディーズ伊藤蘭さんと朝ドラ「ブギウギ」主演の趣里さんによる親子共演が叶うかもしれません。

またトリビュートとして坂本龍一さん、高橋幸宏さんを偲び、両名が制作に関わった松任谷由実さん、小田和正さんおよび財津和夫さんによる1985年リリースの「今だから」が披露されることを希望します。松任谷さんが11月にリリースするコラボアルバム(参照:ユーミン50周年コラボ盤で岡村靖幸、小室哲哉、乃木坂46、YOASOBIら8組とセッション )にて、オリコン週間ランキングを制した曲では最後にこの曲がCD化されるという話題性の高さも、特別企画として予想した理由です。なお、年末年始のリリースも紅白の選出に関わると考えます。

トリは宇多田ヒカルさんおよび藤井風さんを予想。宇多田さんはドラマ「First Love 初恋」(Netflix)のインスパイア源としてリバイバルヒットした「First Love」と最新曲「Gold ~また逢う日まで~」、藤井風さんにはドラマ「silent」のプロデューサーおよび脚本家が手がける「いちばんすきな花」(ともにフジテレビ)の主題歌「花」の披露を期待します。仮にこれが叶えば、A.G.クックによるプロデュースの2曲(宇多田ヒカルさんは「Gold ~また逢う日まで~」が該当)が番組のラストを飾ることになり、音楽業界からも高い注目を集めることでしょう。

Kei

青森県津軽地方在住の音楽チャートアナライザー。ブログ「イマオト -今の音楽を追うブログ-」を毎日更新。地元ラジオ局でDJも担当。これまでに「Impress Watch」「TOKION」「uDiscovermusic日本版」「NumberWeb」などへ寄稿している。

柴那典(音楽ジャーナリスト)の予想は……

初出場のうち3組

特別企画

トリ

ジャニー喜多川氏による性加害問題を巡って、NHKは被害者などに対する救済が進展しない限り旧ジャニーズ事務所の所属タレントに対して新規の出演依頼は行わないことを発表している。昨年はSnow ManやSixTONESなど計6組が出場。ゼロとなるならラインナップに大きな変動が生じるのは確実で、紅白が大きな変革期を迎えるのは間違いない。ただ、今回の予想に関してはその影響を加味することなく考えた。

NHKが選考の基準としている「今年の活躍」を考えるならば、初出場が最も確実なのはMrs. GREEN APPLEだろう。昨年にフェーズ2を宣言し活動を再開してからはさらなる飛躍を果たしファン層も拡大。特に「ダンスホール」は驚異的なロングヒットが続いている。昨年に初出場したVaundyのように“国民的アーティスト”の座をつかむきっかけとなる予感がある。

そのMrs. GREEN APPLEも出演し9月14日に放送されたNHKの音楽特別番組「NHK MUSIC EXPO 2023」は、今年の紅白を占ううえで大きなキーとなっているのではないかと思う。番組はYOASOBIとNewJeansによる相思相愛の対談が実現するなど、グローバルに活躍する日本と韓国のアーティストたちにスポットを当てた内容。今年の紅白のテーマが「ボーダレス」ということで、そことのつながりも感じる。新しい学校のリーダーズSEVENTEENなど同番組の出演陣から初出場組が続出しそうな予感がする。特にNewJeansは世界的にも大ブレイクを果たし2023年を象徴するグループとなったわけで、NHKにはぜひとも大晦日のスケジュールをおさえてほしい。

マカロニえんぴつも初出場に期待大。というより「なんでもないよ、」がヒットした一昨年から昨年にかけて紅白に出ていてもおかしくなかったバンドなわけで、活躍の場を広げた今年に満を持しての出場が実現しそうだ。

特別企画では大物アーティストの出場が大きな話題を呼びそうだ。中でも期待が大きいのはこれまで一度も紅白に出場していないB'zの初出場。8年ぶりに新曲をリリースしたX JAPAN、デビュー50周年の松任谷由実もありそう。ユーミンは話題を呼んだYOASOBIとのコラボを紅白でも実現させてほしい。

大トリの予想はサザンオールスターズ。“平成最後の紅白”となった2019年以来の出演で今年を華々しく締めくくってもらいたい。紅組トリはここ数年MISIAが続いていたが、世代交代ということを考えると朝ドラ「らんまん」主題歌「愛の花」がヒットしたあいみょんの抜擢があってもいいのではないだろうか。

柴那典

音楽ジャーナリスト。ロッキング・オン社を経て独立。音楽やビジネスを中心に幅広くインタビュー、記事執筆を手がける。著書に「平成のヒット曲」「初音ミクはなぜ世界を変えたのか?」「ヒットの崩壊」、共著に「渋谷音楽図鑑」「ボカロソングガイド名曲100選」がある。