グループ魂がザ・たこさんと大阪で対バン3時間 (original) (raw)
グループ魂企画のライブイベント「三宅ロックフェスティバル vol.3」が、9月13日に大阪・ユニバースにて行われた。
今年1月にグループ魂の石鹸(Dr)こと三宅弘城が50歳の誕生日を迎えることを記念して始動した「三宅ロックフェスティバル」。初の大阪開催となった先日の公演は、惑星を思わせる照明のオブジェやカラフルな電飾などレトロかつ独特の雰囲気が魅力のユニバースにて、“関西ソウルシーンのゴッドファーザー”のザ・たこさんをゲストに迎えて行われた。
開演時刻の19:00になった瞬間、ショッキングピンクの衣装に身を包んだ港カヲル(46歳)が姿を見せ「女は通天閣よりも……」で始まる下ネタ混じりの口上を披露。「三宅弘城のわがままをどこまで許せるか!」と3回目の「三宅ロックフェスティバル」の開催について触れ、「ここでやりたいって言ったのも三宅なんだ」と石鹸の発案でユニバースがライブ会場に選ばれたことを明かす。そんな紹介に続いて登場した石鹸は「元気ですかー?」と観客に呼びかけ、「こんな感動することないですよ!」とユニバースのステージに立てる喜びを爆発させた。石鹸は普段は港が行ってる「おっぱい元気?」のコール&レスポンスでフロアを温め、ゲストのザ・たこさんを紹介した。
石鹸の紹介で登場したザ・たこさんの山口しんじ(G)、オカウチ・ポテト(B)、マサ☆吉永(Dr)は、グルーヴィなインストゥルメンタルナンバーでオーディエンスの耳を惹き付ける。そんな中、緑の衣装にサングラスを着用した安藤八主博(Vo)が貫禄たっぷりに現れ、シャウトを繰り出しながら「ロクシマのテーマ」を歌い上げた。さらに4人は、ソウルフルな「カッコイイから大丈夫」や時事ネタを盛り込んだ演出入りの「ザ・たこさんのテーマ」などユーモアあふれる歌詞が堪能できるナンバーをプレイ。「(Make It) FUNKY TENGA」では安藤が「TENGA」を両手に、ファンクサウンドに乗せて熱い歌声を響かせて観客を圧倒する。アウトロでは恍惚とした表情を浮かべ、曲の余韻に浸っていた。
その後もフロントマンである安藤の存在感と、楽器隊の卓越したプレイでグループ魂のファンも魅了していったザ・たこさん。ライブも終盤に差しかかると「お豆ポンポンポン」を連呼するソウルチューン「お豆ポンポンポン」を投下して会場に一体感を作り出した。そしてザ・たこさんのライブは10分以上におよぶ「突撃!となりの女風呂(On A Blow)」でクライマックスに。「男には夢がある。男には夢しかない」という安藤の語りに始まり、ファンキーかつグルーヴィなアンサンブル、メンバーの音頭によって飛び交う「ニューヨーク」のコールなどによって、フロアはカオスで高揚感にあふれた空気に包まれる。曲の終盤で安藤は、「『三宅ロックフェスティバル』にようこそ! まだまだこれからだ。乾杯しましょう!」と手にした缶ビールを一気に飲み干し、テンションの高いパフォーマンスを最後まで繰り広げた。
主役のグループ魂の出番の前には、三宅、宮藤官九郎、よーかいくん(B, Vo / LTD EXHAUST、199x=3)からなる「三宅ロックフェスティバル」常連のスリーピースバンド・画鋲がショートチューンを連発する怒涛のステージを展開。「画鋲のテーマ」を披露したあとは、メンバーがマイクリレーさながらにメインボーカルをとる「おばさん」「ガスタンク」「パンクたるもの」といったライブでおなじみのナンバーを畳みかけていく。さらに3人はゲストボーカルとしてニュータウン御意見無用バンドの杉囃子純増(Vo)を呼び込み、かつてよーかいくんと純増が組んでいたJAPAN-狂撃-SPECIALの「朝日」をカバー。純増は堂々たるフロントマンぶりでバンドを牽引し、ラストのBOOWY「ON MY BEAT」のカバーにも参加して会場を大いに盛り上げた。
続いて始まったグループ魂のステージは、ザ・たこさんの感想を交えつつ、港による恒例の口上でスタートした。1曲目を飾ったのは、亡き名優・津川雅彦の名前を冠した「津川雅彦」。故人に捧げるように、7人は冒頭からエンジン全開のパフォーマンスを展開していく。「チャーのフェンダー」では暴動と遅刻(G)がお立ち台でギターバトルを繰り広げる横で、港が激しいエアギターを披露して安藤に負けぬ強烈な存在感をアピールした。MCで石鹸は「こんな立派なフラッグを作ってもらいました!」と、ステージに掲げられた「三宅ロックフェスティバル」のフラッグを背に破顔。彼がMCを行っていると、グループ魂のグッズTシャツ、ボブのウィッグの上にグッズのキャップを被った港が登場して観客はざわつきだす。ギャルに扮した港が合流したところで「High School」が始まり、フロアには興奮した空気が漂った。
その後、念仏ことASA-CHANGがゲストプレイヤーとして加わり、アンサンブルは豊かさを増していく。一方で前日のワンマンライブ「大阪、水入らず」での疲労が残っていたのか、石鹸が休憩を挟む事態が発生。その様子に港が「おめーのためにやってんだよ!」と文句を付けると、フロアから爆笑が起こった。なお、破壊(Vo)扮する歌舞伎俳優・中村屋華左右衛門が登場する「大江戸コール&レスポンス」では、あらゆる時事ネタが引き合いに出され、“大阪”開催にかけて先日の全米オープンで優勝を果たした大坂なおみも話題のひとつに。しかし、7人のトークは次第に脱線していき、破壊がなかば強引に「君にジュースを買ってあげる▼」につなげていた。
観客のコール&レスポンスが盛大に響き渡った最新曲「もうすっかりNO FUTURE!」や、「ペニスJAPAN 」「モテる努力をしないでモテたい節」が続き、大盛り上がりの中で本編は終了。アンコールに応えて舞台に戻ってきた石鹸は「どうもありがとうございました」と感謝を述べ満面の笑みを浮かべた。しかしその目には涙はなく、メンバーからすぐ泣くキャラにも関わらず泣いてないことを責められると「泣かないよ! どこで泣けっていうの!」と反論した。そんな中、MCの間にステージにこの日の全出演者がそろい「Over 30 do the 魂」の大セッションが始まった。港と安藤のプロレスが始まったり、2人がサングラス姿になり対抗心を燃やしたりという謎の展開を挟みつつ、ラストナンバーの「男は泣く」に。石鹸はドラムをマサ☆吉永に任せ、ステージセンターに立つとイベントの公式ソングを朗々と歌い上げる。自ら「泣け!」コールを巻き起こすも、終始うれしそうな笑みを顔に浮かべ「またねー!」という再会の言葉をもって「三宅ロックフェスティバル vol.3」は幕引きとなった。
※本文中の▼はハートマーク。「BOOWY」の2つ目のOはストローク符号付きが正式表記。
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