りりあ。「あんたなんて。」 | “ラブソングの名手”が描く天道あかね目線の恋 - 音楽ナタリー (original) (raw)

2020年に音楽活動を本格化させて以来、りりあ。は一貫して“恋愛ソングの名手”であり続けている。それも、ハッピーで楽しいラブソングというよりは、すれ違ったり、モヤモヤを抱えていたり、失恋したりの、切ない恋愛の曲が中心。最初に作ったオリジナル曲「浮気されたけどまだ好きって曲。」がTikTokを中心に広まり、2020年11月に「蛙化現象に悩んでる女の子の話。」でメジャーデビューしてから約4年。その間に発表してきた楽曲は「私じゃなかったんだね。」や「失恋ソング沢山聴いて 泣いてばかりの私はもう。」など、ほぼすべてが恋愛ソング。友人やファンからの恋愛相談をきっかけに曲が生まれることも多いという。だからこそ、りりあ。の曲には、聴いた側が自分の日常風景を重ね合わせられるような“近さ”がある。顔を明かさずSNSを拠点に活動を続けてきたことも特徴的だけれど、繊細な歌声と感情に寄り添う言葉がアーティストとしての何よりの魅力だ。

テレビアニメ「らんま1/2」のエンディングテーマとして書き下ろされた新曲「あんたなんて。」も、やはり恋愛ソング。高橋留美子の名作を今に蘇らせたアニメの主題歌を書くにあたって、りりあ。が切り取ったのは、登場キャラクター・天道あかねの乱馬への思いだ。興味ないふりをしていても不意に気になってしまう、なぜか心が振り回されてしまう、そういう心情が描かれている。

そしてこの曲の持ち味になっているのが、羽生まゐごが手がけたアレンジだ。これまでに「オノマトペ feat.りりあ。」などコラボレーションを行ってきただけに、りりあ。の歌声との相性のよさは証明されている。羽生は和楽器や民族楽器を用いたオリエンタルな曲調を得意とするボカロPなのだが、この曲は「らんま1/2」の世界観に通じる中華テイストがポイント。りりあ。の歌声の素朴な響きを生かしつつ、親しみやすさを持ったフレーズが随所に忍ばされている。ファンならずとも長く愛される1曲になりそうだ。

※記事初出時、曲名に誤りがありました。お詫びして訂正します。

りりあ。「あんたなんて。」ミュージックビデオ

りりあ。「あんたなんて。」ジャケ写

りりあ。「あんたなんて。」

2024年10月13日(日)配信開始 / VIA

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