MACO「桜の木の下」特集|MACO×飯豊まりえ ドラマ「僕だけが17歳の世界で」で出会った“感受性豊かコンビ”のガールズトーク - 音楽ナタリー 特集・インタビュー (original) (raw)
飯豊まりえと佐野勇斗(M!LK)の主演で配信されたAbemaTVのドラマ「僕だけが17歳の世界で」。17歳でこの世を去った航太(佐野)が7年後の世界の桜の木の下で24歳になった幼なじみの芽衣(飯豊)と再会し、“奇跡の桜”が散るまでの2人の時間が描かれるこの作品は先日最終回を迎え、中高生を中心に大きな反響を集めた。
このドラマを歌声で彩っていたのがMACOで、彼女はカバーソング「3月9日」と書き下ろしの新曲「桜の木の下」を挿入歌として提供した。「桜の木の下」が3月27日に配信リリースされたのを記念し、音楽ナタリーではMACOと飯豊へのインタビューをお届けする。“感受性豊かコンビ”だと意気投合したMACOと飯豊がドラマの感想から「桜の木の下」に抱くそれぞれの思い、さらにはお互いの学生時代の思い出話まで、色とりどりの話題で盛り上がったガールズトークを楽しんでほしい。
取材・文 / 三橋あずみ 撮影 / 塚原孝顕
感受性豊かコンビ
──お二人は今回の「僕だけが17歳の世界で」を機に初対面したとのことですが、お互いのこれまでの印象ってどんなものでしたか?
MACO 私、飯豊ちゃんの演技がすごく好きで。陰ながら応援していた女優さんの1人でした。
飯豊まりえ そのお話を最初聞いたとき、とてもビックリしたのと、うれしい気持ち両方でした。「嘘だ!」って思っちゃった。
MACO 「きょうのキラ君」に飯豊ちゃんが出てて、すごく可愛くて一瞬でファンになったんです。そこから気になっていたんですけど、今回こうしてご縁があって。最初はどんなやりとりをしたんだっけ?
飯豊 DMを送りました! 私がInstagramをフォローしたんです。
MACO そうだ、ありがたいことに。で、「ごはん行きたいね」という話になって。
飯豊 ドラマのプロデューサーの藤野さんが、クランクアップしたあとに誘ってくれたんですよ。
MACO 知り合ってからすぐに行きました。展開早かったよね。
飯豊 そのときにMACOちゃんが、私のこと「まりえってぃー」って呼びたいと言って。佐野(勇斗 / M!LK)くんもその場にいたから「じゃあ佐野さんは?」と聞いたら「佐野さんは“佐野M!LK”ね」って。みんなで爆笑しました(笑)。
MACO だって「佐野さん」って呼ぶのもなんだし。M!LKの佐野さんだから、佐野M!LKで!って。
飯豊 佐野さん大喜びしてましたよ(笑)。気に入ってました。そこで「MACOちゃんってユニークな人なんだな」と思いましたね。どこかミステリアスなイメージだったから意外で。藤野さんからは人見知りだと聞いていたし。私も実は、極度の人見知りなんです。
MACO それはそうなんです。だから人見知り同士だったけど、徐々に距離が近付いていったよね。
飯豊 「敬語やめよう」って言ってくださったり。
MACO 「まりえってぃー」じゃなくて、もうすでに「てぃー」って呼びたいもん(笑)。
──飯豊さんのMACOさんに対しての印象はどうでしたか?
飯豊 「恋心」を初めて聴いたとき、素敵な曲だなと思ったんです。歌声にビジュアルとのギャップを感じるんですけど、そこが素敵だなという印象でした。でも、人見知りっていうのは意外でした。心を開くと熱いし、涙もろいし……。
MACO 感受性豊かコンビだからね!
飯豊 そうですね。で、ハッキリしてる。
MACO 確かにそうだね。なんか、てぃーさんといると、全部伝わってる気がする。泣くタイミングも似ているし。
飯豊 あと、好きな曲のテイストも一緒だったよね。うれしかった。
MACO 昔の曲もよく知ってて。私、店内のBGMが気になる人なんですけど、BGMに合わせて私が歌い出したら「私もこの曲好き」ってね。
──すっかり仲良しな様子ですね。
飯豊 すっかりって言っていいのかな? 会うの、まだ4回目なんですよ(笑)。
キャストだけじゃなくみんなで青春してた
──まずはMACOさんにドラマを観た感想を聞いてもいいですか?
MACO 観る前は「ファンタジックでキュンキュンな学園ドラマなのかな?」と思っていたんですけど、すごく人間味のある作品というか。真相の気になる部分もところどころあって、毎週見逃せないシーンばっかりなんです。中高生の方だけじゃなく、私世代やその上の世代も心が動かされるドラマだよなって思いながら観てます。そんなドラマの挿入歌を自分が歌えたというのが本当にうれしいことだなと思いますね。
──特に好きなシーンはありますか?
飯豊 教えてほしい!
MACO どこだろう、いっぱいある! でも今の新しい記憶だと、絵馬の前で芽衣(飯豊)が航太(佐野)にバックハグされて、「ずっとそばにいるから大丈夫だよ」と言われるシーンは本当に泣きました(取材は6話公開後に実施)。
飯豊 うれしい。あのシーン実はね、2日間かけて撮影したの。
MACO そうなの!?
飯豊 1日目の気温が-7℃だったのね。かじかんじゃってうまくしゃべれないし、涙も出てこなくなっちゃって。3時間くらい粘ってもらったんだけど、ここは2人にとって絶対大事なシーンだから今日はやめようとなったんです。それで後日改めて。申し訳ないなという気持ちもあったけど、常に「大丈夫だよ」って付き合ってくれていた勇斗くんに、本当に感謝だった。
MACO だから2人の温度感が伝わるんだ。本当に実在しているように、芽衣と航太の生々しい感じがあったんだね。
飯豊 バックハグはメインの見せ場だけど、その前の場面もいいの。泣きに入るんじゃなくて、芽衣は気付いたら泣いてる。そこに監督がこだわってた。「泣きに入っちゃダメ。涙がサーッとこぼれ落ちるように」って言われました。それと、このシーンはワンカットで撮ったんです。絶対に一連の流れで行きたいって。そうやって、こだわりがすごく強くて。
MACO そうだったんだね。すごい。あと、航太のヤキモチがリアルだなって思った。みんなは7年分大人になってるけど航太はまだ17歳だから、いちいちヤキモチを焼くのが17歳っぽくてかわいい(笑)。
飯豊 あのね。7、8話ヤバいよ。航太の選択が、もう「航太ー!」って感じ。ここからわんわん泣くと思う。だからね、大事な撮影の前には観ないで!(笑)
MACO 目腫れてでも行くよ(笑)。
──飯豊さん、すごく役に入り込んでいたんですね。
飯豊 めちゃくちゃ入り込んでました、正直。
MACO それが伝わるんですよね。
飯豊 本気でやっていました。芽衣という役は当て書きだったので、やりやすさもありました。それに、あんなに環境が整っている現場も……プロデューサーさんも監督もカメラマンさんも37歳で、業界の中ではとっても若いんです。みんなで作っているチーム感がすごく熱くて、キャストだけじゃなくみんなで青春している感じが、若い人たちに響くところだったんだろうなって思います。ドラマの作り方が1つひとつ丁寧なんですよ。例えば、台本を読んでいるとその空間を想像して「泣けてきちゃうな」というときがあるんですけど、スタッフさんが「ここはぐっと我慢してなきゃダメだよ」って……“涙NG”っていうのが何度も出たんです。航太も私が泣くことによって泣いちゃうことがあったけど、航太も涙NG。はるか(大友花恋)も涙NGもらってました。でも本当に泣けるんです、現場の空間が切なすぎて。それくらい、いい関係性を築けていたんです。
MACO そうだったんだね。
飯豊 同級生5人の関係性も本当によくて、自分が出てないリハーサルでもバーッと泣いちゃうっていう(笑)。私は7話の航太と直輝(YOSHI)のリハーサルでのやりとりを見て、もうかなりしんどくてリハーサル見れなくなっちゃうくらい……。
MACO えー、早く観たい!
飯豊 なんかね、幼なじみが突然できた感覚というか。不思議な時間でした、本当にファンタジーですごく濃密で。だから今、その時間がパタリとなくなっちゃって、「本当に夢だったのかな?」と思えるくらいなんです。