スカイピース「雨が降るから虹が出る」インタビュー|楽しさ追求するYouTuberユニットがアーティスト活動で得た喜び - 音楽ナタリー 特集・インタビュー (original) (raw)

人気YouTuberのテオくんと☆イニ☆(じん)からなるユニット、スカイピースが5月23日に1stシングル「雨が降るから虹が出る」をリリースした。表題曲はテレビアニメ「七つの大罪 戒めの復活」のオープニングテーマに使用され、話題を集めている。

音楽ナタリーのインタビューでは今作についてはもちろん、彼らが人気YouTuberになり、ユニット結成に至るまでの経緯や動画投稿からどのようにアーティスト活動へつながったのかを語ってもらった。

取材・文 / 真貝聡 撮影 / 後藤壮太郎

ニコ動で叩かれていることが彼女にバレた

──まずお二人がYouTuberになるまでのキャリアをそれぞれ伺いたいのですが、☆イニ☆さんは最初はニコニコ動画に動画を投稿して人気を集めたんですよね。

☆イニ☆ ニコニコ動画の存在は友達に教えてもらって知りました。「ニコニコ動画流星群」というニコニコ動画内で流行っている曲をメドレーにしてみんなで歌う動画があって、その中にいたタイツォンさんのラップに惚れて、ニコニコ動画に上がっているラップ、通称ニコラップを聴くようになりました。ニコニコ動画を知るまでは「音楽を発信できるのはプロの方だけ」という印象があったんですけど、インターネット上では一般の人が自分でマイクを買って歌を投稿する文化があることを知って。そこから自分でもラップをして投稿するようになりました。それが高校1年生の頃です。

☆イニ☆

──「人気者になりたい」「モテたい」といった理由でアーティスト活動を始める人も多いと思うんですが、☆イニ☆さんの場合はどうでしたか?

☆イニ☆ タイツォンさんのラップがすごいカッコよかったので「自分もああなりたい」と思ってました……つまりモテたいってことですよね(笑)。

──ちなみに学生時代は暗い子だったそうで。

☆イニ☆ そうですね(笑)。学校が終わったあとは友達と遊ばず家に直行で、高校時代の青春の思い出はニコニコ動画や音楽活動でした。

──高校時代に投稿した動画の反響はいかがでしたか?

☆イニ☆ いや……実はニコニコ動画に初めて投稿したときめちゃくちゃ叩かれて。「アップするな」とか「センスない」とかボロクソに言われたんですよ。当時付き合っていた彼女がいたんですけど、動画投稿していたことは隠していたんです。だけど「ラップが好きなんだよね」と何気なく伝えたら、その後動画を投稿していることがバレまして(笑)。ある日彼女が僕にスマホを見せて「この歌ってる人、☆イニ☆だよね?」って。しかもめちゃくちゃ叩かれているヘタクソなラップを……死ぬほど恥ずかしかったことを覚えてますね。

テオくん

テオくん それは恥ずいなあ(笑)。

──学校とニコニコ動画、表と裏の自分を使い分けていたんですか。

☆イニ☆ 振り返れば学校に通う現実世界の自分と、ネットの中にいる自分を使い分けていた感覚はありますね。動画を投稿していることは学校の友達には言わなかったので。

──その頃はどんなラップを聴いていたんですか?

☆イニ☆ タイツォンさんとか、らっぷびとさんとかニコラッパーの曲をよく聴いていました。iPodの中にはニコラップがたくさん入ってましたね。

出会いのきっかけはみやかわくん

──テオさんは高校生の頃、友達に勧められてVineを始めたそうですね。

テオくん そうです。その頃はブライアン、kemio、大関れいかちゃんがVineに動画を上げて人気を集めていた頃で。自分はクラスの目立ちたがり屋だったので、友達から「Vineやってみなよ」と言われて始めたんです。最初はVineのURLを仲のいい友達にだけ教えていたんですけど、いつの間にか友達の間でどんどん広まって「みんなも観たいらしいから、Twitterに上げてみなよ」と言われて上げてみました。最初は本名のアカウントで投稿したんですけど、バーって再生数が伸びちゃったので“テオ”と名乗るようになりました。

──当時はどんな動画を上げていたんですか? そんなに広まるということは何か特別なことをされていたんでしょうか?

左から☆イニ☆、テオくん。

テオくん うーん……ほかの人がやっているような「ケンカの痛がり方」みたいな動画を小、中、高バージョンを作って投稿したぐらいなんですよね。たくさんリツイートしてもらって広まりました。

──その後、☆イニ☆さんは福祉の専門学生になり、テオさんは大工の仕事をしている時期に2人は出会います。

テオくん 共通の知り合いにみやかわくんがいて、彼が☆イニ☆たんと自分に「動画を撮ろう」と声をかけてくれたんです。そこで☆イニ☆に初めて会いました。それをきっかけに2人で会う回数がどんどん増えていって「一緒にYouTube投稿をやらない?」と☆イニ☆を誘いました。

──最初から意気投合したんですか?

テオくん そうなんです。初対面からむちゃくちゃ楽しくて。

──グッと距離が縮まったのは?

☆イニ☆ テオくんとお泊りしたときかなあ。

テオくん その言葉だけだと彼女になるまでみたい(笑)。泊まったのは出会って3、4回目くらいだったんですけど、ミュージックビデオを撮るために僕のおばあちゃん家に☆イニ☆たんを呼んで。ずっと一緒にいても疲れないし、面白いし気が合うなと思いましたね。