「Red Bull サンパチ」芸人も大興奮 (original) (raw)

レッドブルが手がける漫才ライブ「Red Bull サンパチ」の第2弾が8月10日に大阪・味園ユニバースで開催された。「大阪のアングラ漫才、見逃してへん?」をテーマにピックアップされた、金属バット黒帯デルマパンゲDr.ハインリッヒもも鬼としみちゃむ空前メテオ三遊間ぎょうぶジョックロックフースーヤはるかぜとともにの12組が出演。レッドブルが得意とするストリートカルチャーのテイストに大阪のアンダーグラウンドな雰囲気が混ざりあった唯一無二の空間を、約800人の観客が楽しんだ。

通常のお笑いライブとは様相の異なる、ディープな世界観をまとった会場。DJの流す音楽が、「Red Bull サンパチ」オリジナルドリンクを手にスタートを待ちわびる来場者の期待感を高めていく。鬼としみちゃむ・しみちゃむが出演者名を盛り込んだラップで煽るとより一層ヒートアップした。出囃子と共に自然と発生した手拍子に乗って、きらびやかなステージに最初に登場したのは黒帯。「エグいぞ、これは……!」と観客のテンションに圧倒されつつ、三遊間が「M-1グランプリ」の予選かというくらい綿密にネタ合わせしていたことをバラして「今日なんてお祭り気分でやったらいいのに! ちっちゃいセリフ気にすんなよ!(笑)」と彼らの真面目さをイジる。

続くジョックロックは、この会場の盛り上がり方に「袖で震えてた」と告白しながらも、舞台を自由に使った大胆なパフォーマンスで視線を釘付けに。はるかぜとともに、空前メテオもフロアの熱気に高揚しつつ、いつものスタイルでしっかり笑いを届けた。三遊間は登場するなりさくらいが「マジでネタ合わせしたやつやんぞ!?」と黒帯のイジりに対抗。稲継は「合わせたのとはちゃうやつやろうかな」と余裕ぶってみせる。結局、予定通りのネタを披露したが、さくらいがネタを飛ばして「練習したんちゃうんかい!」と稲継にツッコまれる一幕も。アドリブ的なやり取りに観客からは「フゥー!」と歓声が上がり、最後にさくらいは「こんだけ人がおって、おもろいこと言うん、めっちゃええやん!」と大満足の様子でステージをあとにした。

「過去イチ出囃子が気持ちいい!」とノリノリで登場したぎょうぶ。扁桃腺手術の直後だという澤畑は「病院と違いすぎるやろー!」とこの空間に感激する。為国が「今日は吐血するまで声出すぞー!」と観客を煽ると、大歓声。澤畑を「あんま吐血で『フゥー!』とかないから!」と慌てさせた。フースーヤは「へずまー?」「りゅーう!」となぜかYouTuberの名前で谷口がコール&レスポンス。田中ショータイムを「へずまりゅうで(会場が)1つになってるの気持ち悪い!」と困惑させるほどの一体感が生まれた。

デルマパンゲは「4月の一日から歩数を決めていて、今日の分をすでに使い切ってしまった」という迫田がセンターマイクまでたどり着けないまま、わけのわからない主張を繰り広げて広木を困らせる。なんやかんやで迫田が自己解決してようやくコンビが中央に揃うと会場は大きな拍手。迫田が「ナイキのマークの“続き”を見た」と言い出すと、前の出番だった鬼としみちゃむが「このあと出てくる兄さん、姉さん方は会話ができない人たち」と言っていた通りの状況に陥っていることに気づいた広木が「これが『話が通じん』というやつか……」と悟っていた。

終盤に来ても熱が冷めない様子の来場者に、Dr.ハインリッヒは「秋になったら伊勢神宮に行って落ち着いたほうがいい」とアドバイスしてから漫才を開始。ももは激しくも心地よいテンポの掛け合いで客席を魅了した。最後は金属バット。「たくさん入っていただいて、いやあ~」「ああ~」と呑気な発声で自分たちの空気を作っていき、それぞれの特技を持つ囚人たちによるスペシャルな結婚式にまつわる漫才で笑いを誘った。

前説、中説は、今年6月に解散した元ZUMAのひかるが担当。金属バットや黒帯と切磋琢磨していた彼をサプライズで登場させたのもこのライブの粋な計らいだ。金属バットと黒帯をイメージした会場オリジナルドリンクには常に長蛇の列。出演コンビのオリジナルロゴをあしらった手土産のエコバッグやステッカー、出演者の写真を飾った会場展示なども来場者を喜ばせた。

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