長塚圭史×白石加代子「常陸坊海尊」全キャスト発表 (original) (raw)

KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「常陸坊海尊」の全キャストが発表された。

新たに出演が発表されたのは、中村ゆり平埜生成尾上寛之長谷川朝晴高木稟大石継太明星真由美弘中麻紀藤田秀世、金井良信、佐藤真弓、佐藤誠、柴一平、浜田純平、深澤嵐大森博史平原慎太郎真那胡敬二、そして子役の山崎雄大、白石昂太郎、室町匠利、木村海翔、藤戸野絵。このほか本作には白石加代子が出演する。

本公演は、劇作家・秋元松代が1964年に発表した戯曲「常陸坊海尊」を、長塚圭史が演出するもの。劇中では、源義経の忠臣でありながら主を見捨てて逃亡し、のちに不老不死の身となったと言われている人物・常陸坊海尊の伝説を背景に、戦中戦後の学童疎開などの社会問題や、人間の“生”や“性”が描かれる。

長塚は上演に向けて、「これは現在の私たちの社会に痛烈に響く現代劇です。そして私たちの踏みしめるこの大地に流れる血脈を知ることの出来る覚醒劇でもあります。絶頂を目指して濃厚なスタッフ・キャストと共に邁進して行きたい」と思いを述べ、白石は「長塚さんは安易な道がお嫌い(笑)」と長塚の演出に触れつつ、「何度かご一緒したわたしに分かることは、一筋縄ではいかないこの作品が長塚圭史さんを探しあて、身を委ねたのだと思います。わたしもしっかりついていき、一緒に探検を楽しみたいと思っています」とコメントした。

公演は12月7日から22日まで神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 ホール、2020年1月11・12日に兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール、16日に岩手・岩手県民会館 大ホール、25日に新潟・りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場にて。神奈川公演のチケットの先行販売は9月6日から受け付けられ、一般販売は10月5日にスタートする。なお、長塚と本作クリエイターによるプレトークに参加できる、ランチ付きのセット券も販売予定。またスピンオフ企画として、平原率いるOrganWorksによる本作を題材にしたパフォーマンスが、12月14・15日、20・21日のそれぞれ14:00回終演後に実施される。

長塚圭史コメント

秋元松代最高傑作とも言われる「常陸坊海尊」を演出することになってしまいました。しまいましたというのは極めて困難な道程になることは明白だからです。生半可な劇ではないのです。しかしこの険しい道の先にはきっと眩い光があるという確信が私を突き動かします。これは現在の私たちの社会に痛烈に響く現代劇です。そして私たちの踏みしめるこの大地に流れる血脈を知ることの出来る覚醒劇でもあります。絶頂を目指して濃厚なスタッフ・キャストと共に邁進して行きたいと思います。

白石加代子コメント

長塚圭史さんの作品への独特なアプローチをわたしは「探検」と呼ぶことにしています。お稽古場はさながら深い森のようで、出口を探し、スタッフ・俳優一丸となって藪をかき分けて一歩一歩進んでいく、つまり探検隊です。
しかも長塚さんは安易な道がお嫌い。(笑)
「常陸坊海尊」はさらに巨大な森です。
何度かご一緒したわたしに分かることは、一筋縄ではいかないこの作品が長塚圭史さんを探しあて、身を委ねたのだと思います。
わたしもしっかりついていき、一緒に探検を楽しみたいと思っています。

田中知之(FPM)コメント

長塚圭史君から、直々に音楽の依頼を受けて、断る理由なんてあるはずがない。
実はまだ企画の概要を聞いて戯曲を受け取り、軽くそれを読んだだけで、何ら具体的なディレクションを受けたわけでもない。なのに私の中で壮大な妄想が膨らんで、巨大な怪物が生まれようとしている。私はまだ指一本動かしていないし、鼻唄の一節さえ諳んじていないのだが、この怪物がさぞかし良い仕事をしてくれるだろうという期待しかない。

平原慎太郎コメント

常陸坊海尊を題材にと長塚氏からお話しがあり、その戯曲を読み一気に引き込まれました。
で、ふと物語の中の身体を考えた時に「永遠を生きる身体」とはどういったものかと立ち止まりました。
皮膚の動き、呼気の状態、体重を感じさせないだろう所作など、全てが現実のそれとは逸しているのではないか。
さらにそれを取り巻く環境とはー。自然も人も今より生きていた時代のお話と察します。
その「生きる肉体」にしっかりフォーカスを当てて長塚氏の世界観と物語を彩る一部になればという風に思います。
妖にこそ肉体が付随するという事を信じて。

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KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「常陸坊海尊」

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