PARCO劇場再開!三谷幸喜「我ながら先見の明あり」 (original) (raw)
三谷幸喜作・演出による「大地(Social Distancing Version)」が、本日7月1日に東京・PARCO劇場で開幕。これに先駆け、本日公開フォトコールが行われた。
「大地」は、「PARCO劇場オープニング・シリーズ 三谷幸喜三作品三連発公演」の第1弾。「Social Distancing Version」と題された本作では、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、俳優同士の濃厚接触を避けた演出がなされたほか、客席の配席と公演スケジュールの見直しも行われた。物語の舞台となるのは、とある共産主義国家。反政府主義のレッテルを貼られ、“演じる”行為をも禁じられた俳優たちは、強制収容された施設で過酷な労働を強いられていて……。
フォトコール開始前、三谷が舞台上に登場し、本日公開されるシーンの説明を行った。三谷は、記念すべき初日の天気が雨模様であることに触れ、「(出演者の)大泉洋という男が雨男で……」と冗談を言って報道陣を笑わせる。続けて、「コロナによってなかなか演劇に携わることができずに苦労している舞台俳優たちがいるように、『大地』にも“演じられない俳優”が多数登場します。台本を書いたのは去年なんですけど、我ながら先見の明があると思いました」と淡々と話した。
本日公開された第1幕2場のシーンは、築地小劇場から着想を得たという演出で幕開け。上手に登場した黒子が大きなドラを鳴らすと、舞台に明かりがともり、俳優たちを収容する施設が姿を現した。ステージ上には8つのベッドが等間隔に設置され、俳優たちは主に、そのスペースの中でそれぞれ演技をする。三谷から「雨男」と揶揄されていた大泉が演じるのは、収容者のまとめ役であるチャペック。肉体美を生かした衣装で登場した山本耕史は映画スターのブロツキーを演じ、竜星涼は所作のしなやかな女形俳優・ツベルチェクを演じる。収容者たちを演じるキャストには3人のほか、ものまね芸人・ピンカス役の藤井隆、純朴な学生・ミミンコ役の濱田龍臣、大手劇団の出であるツルハ役の相島一之、サーカス団出身者・プルーハ役の浅野和之、大手劇団出身のバチェク役を務める辻萬長と、個性的な面々が名を連ねている。キャスト陣が軽妙な会話を繰り広げる中、大泉は過酷な環境で生き抜くために自ら汚れ役を買って出るチャペックの苦悩を、含みのある表情で表現した。
東京公演は8月8日まで行われ、一部公演はWOWOWメンバーズオンデマンド、およびStreaming+にて配信される。その後、12日から23日まで大阪・サンケイホールブリーゼで大阪公演が行われる予定だ。
PARCO劇場オープニング・シリーズ 三谷幸喜三作品三連発公演
其の壱「大地(Social Distancing Version)」