三宅健らが平安の世に誘う「陰陽師」開幕 (original) (raw)

平安の世に観客を誘う…三宅健が安倍晴明演じる「陰陽師 生成り姫」開幕

2022年2月23日 4:00 9

三宅健が出演する「陰陽師 生成り姫」が昨日2月22日に東京・新橋演舞場で開幕。初日公演に先駆け、同日昼にフォトコール及び初日前会見が行われた。

本作は、夢枕獏原作の「陰陽師『生成り姫』」をマキノノゾミの脚本、鈴木裕美の演出で上演するもの。フォトコールでは、安倍晴明(三宅)と源博雅(林翔太)の前に徳子姫(音月桂)の精霊が現れる第1幕6場、鬼になりかけた徳子姫を元に戻そうとする火丸(佐藤祐基)と蘆屋道満(木場勝己)のやり取り、鬼と対峙する安倍晴明、源博雅の姿を描く第2幕3・4場が公開された。

舞台上では古楽(編集注:古い時代の西洋音楽を、当時の演奏様式を尊重しつつ再現すること)が響くほの暗い照明の中、登場人物たちの自責や恋心、友情といったドラマが展開。また、コンテンポラリーダンサーたちの存在が物語に幻想的な雰囲気とダイナミックさを加えた。

初日前会見で三宅は、感染症対策が万全の状態で稽古が行われたことを明かし、「昨日までマスクをして芝居をしていて。この劇場に差し入れは一切、お断りです」と座長らしく語った。また、三宅はどのような安倍晴明かという記者からの質問に、音月は「最後のほうに対決のシーンがあるのですが、(三宅の)美しさ、眼力にやられてしまっているのではないかと思うくらい、妖艶で“雅”という言葉が似合う安倍晴明様」と評する。一方、三宅は「今までにない人間味あふれる安倍晴明になっていたらうれしい」と応えた。

V6に憧れて芸能界入りしたという林は「僕にとっても思い入れのある新橋演舞場で、(三宅と)同じステージに立てるのは奇跡のような出来事」と話し、「稽古場で、見ていないようですごく見てくれている。目がいくつあるんだろう?っていうくらい(笑)。健くんは居心地の良い空気にしてくださっていました」と、三宅に対する発見を語った。

ダンスや身体を使ったさまざまな表現方法が用いられる今回の作品について、三宅は「セッションのような感じで、芝居とダンス、音楽が混ざり合ってできているお芝居です。大変なのは……かつらが重いこと。肩がこります」とコメント。また、令和の世で払いたいものを問われると「僕に嫌な思いを寄せてくる人たち。穏やかに日々を過ごしたいと思っているので」と答え、報道陣を笑わせた。

また、鬼になる徳子姫を演じる音月が「コンテンポラリーダンサーの方たちに支えられていて、自分1人の力では絶対に出せない迫力や熱量を作り込んでいただいています。(自分が)鬼になってみて、どう見えたんでしょうね……」と言うと「怖いよ」と三宅。特に登場シーンが怖いという。そんな徳子姫に思いを寄せる源博雅役の林は「どんな姿でも美しいです」と返答し、音月に「きゅん」と言わせていた。

一方、「うちの家族にも時々鬼になる人がいて」と言う木場は「“生成り”というくらいだから鬼になり切れなくて、じたばたしているんですよね。博雅くんも晴明さんもじたばたしているし、私も結構じたばたする。精霊さんは文字通りじたばたしています。“じたばた”って面白いですよ」と作品の見どころを語った。

最後に、木場が「陰陽師の力でコロナを払いたいです。千秋楽まで無事に貫徹できることを祈っています」、林が「このような状況で舞台ができるのは本当にありがたいことなので、劇場に来てくださるお客様には、僕らのパフォーマンスから少しでも多くのものを感じ取っていただきたいなと思います」、音月が「人の温もり、温度を今までのように近くに感じる瞬間が少なくなってしまったと思うのですが、舞台と客席の距離感で、私たちの温かさを受け取ってもらい、ぬくぬくで帰っていただけたら」とメッセージを送り、最後に三宅が「お芝居が上演されている間はそういった嫌なことをすべて忘れて、平安の世に皆様を誘えるように準備しておりますので、ぜひ劇場にお越しください」と締めくくった。

上演時間は休憩を含め3時間15分を予定。東京公演は3月12日まで。その後、京都・南座で18日から24日まで上演される。