鈴木敏夫、歌舞伎「ナウシカ」の見どころ語る (original) (raw)
「七月大歌舞伎」開幕、鈴木敏夫が歌舞伎版「風の谷のナウシカ」の見どころコメント
2022年7月5日 17:15 14
「七月大歌舞伎」が、昨日7月4日に東京・歌舞伎座で開幕した。
第1部には、“三代猿之助四十八撰の内”として繰り返し上演されてきた「當世流小栗判官」がラインナップ。本作で、市川猿之助は小栗判官と浪七、市川笑也はヒロイン・照手姫を勤め、2人は天馬に乗っての宙乗りで魅せた。なお公演初日に、笑也が宙乗り1000回目を迎えたことから、猿之助は宙乗りの場面で、笑也に向かって「今日はそなたの宙乗り1000回目」と声をかけ祝福した。
第2部には、市川海老蔵が登場する「夏祭浪花鑑」と「雪月花三景」の2演目が並ぶ。「夏祭浪花鑑」では、海老蔵が約8年ぶりに団七九郎兵衛を勤める。「雪月花三景」には、海老蔵が長女の市川ぼたん、長男の堀越勸玄と共に出演し、華やかに舞い踊った。なお海老蔵が親子3名で歌舞伎座の舞台に立ったのは、今回が初めてのこととなる。
第3部は、宮崎駿のマンガ「風の谷のナウシカ」(徳間書店)を原作とした「風の谷のナウシカ 上の巻 ―白き魔女の戦記―」が上演される。今回は2019年上演版の昼の部で展開された、原作マンガの前半部分をもとに、皇女クシャナに焦点を当てた物語が描かれる。初演版でナウシカ役を演じた尾上菊之助が今回はクシャナ、初演版でケチャ役を演じた中村米吉がナウシカを演じる。また、菊之助の長男・尾上丑之助と長女・寺嶋知世が、それぞれ幼き王蟲の精役と幼きナウシカ役にキャスティングされた。クライマックスでは、米吉が飛行装置・メーヴェでの宙乗りをし、会場が拍手で包まれた。
また、スタジオジブリの鈴木敏夫代表取締役プロデューサーからコメントが到着。鈴木は、初日の感想を「改めて『風の谷のナウシカ』ってね、一見、無国籍のそういう舞台に見えるんだけれど、実は伝統ある日本の時代劇、それを踏まえて作られた物語であることを改めて実感しました。だから、今のナウシカを見ていても、菊之助さんがやったクシャナを見ていても、何かこういうことを言っていいかどうか……宮本武蔵と佐々木小次郎みたいな……そこら辺が僕は面白かったですね」と述べ、さらに「今回、スタッフの方がいろいろ考えてね。クシャナを主人公にした。さあどうなるか!ってところが見どころです」と語った。「七月大歌舞伎」は、7月29日まで歌舞伎座にて。
ステージナタリーでは、「七月大歌舞伎」の特集を展開中。猿之助と笑也が、「當世流小栗判官」の見どころと“澤瀉屋の宙乗り”について語っている。
※澤瀉屋の「瀉」のつくりは、わかんむりが正式表記。
鈴木敏夫コメント
初日の感想
改めて「風の谷のナウシカ」ってね、一見、無国籍のそういう舞台に見えるんだけれど、実は伝統ある日本の時代劇、それを踏まえて作られた物語であることを改めて実感しました。だから、今のナウシカを見ていても、菊之助さんがやったクシャナを見ていても、何かこういうことを言っていいかどうか……宮本武蔵と佐々木小次郎みたいな……そこら辺が僕は面白かったですね。改めてそう思います。ナウシカとクシャナが何て言うんだろう、ぶつかり合ってね、ある迫力を生み出していけば、もっと面白くなるだろうなとそんな感想を持ちました。
見どころ
見どころはただ1つですよ。「風の谷のナウシカ」といえば、主役はナウシカ、それを今回、スタッフの方がいろいろ考えてね。クシャナを主人公にした。さあどうなるか!ってところが見どころです。
「七月大歌舞伎」
2022年7月4日(月)~29日(金)
東京都 歌舞伎座
第1部
「三代猿之助四十八撰の内 通し狂言『當世流小栗判官』市川猿之助 市川笑也 天馬にて宙乗り相勤め申し候」
第2部
一、「『夏祭浪花鑑』住吉鳥居前 三婦内 長町裏」
二、「新歌舞伎十八番の内『雪月花三景』仲国」
出演
仲国:市川海老蔵
女蝶の精:市川ぼたん
男蝶の精:堀越勸玄
虫の精:市村竹松
同:大谷廣松
同:市川男寅
同:中村莟玉
同:市川九團次
小督局:中村児太郎
仲章:中村種之助
八条女院:中村福助
第3部
「風の谷のナウシカ 上の巻 ―白き魔女の戦記―」
※2022年7月19日追記:新型コロナウイルスの影響で、7月18日の第1部「當世流小栗判官」、19日の全プログラムが中止になりました。