KERA・MAP「しびれ雲」開幕に井上芳雄が喜び (original) (raw)
KERA・MAP「しびれ雲」が、11月12日に東京・本多劇場で開幕した。
「しびれ雲」は、ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下KERA)の新作。出演者には、本多劇場初登場となる井上芳雄のほか、緒川たまき、ともさかりえ、松尾諭、安澤千草、菅原永二、清水葉月、富田望生、尾方宣久、森準人、石住昭彦、三宅弘城、三上市朗、萩原聖人が名を連ねた。
劇中では、KERA・MAPの過去作「キネマと恋人」に登場した“梟島(ふくろうじま)”を舞台にした物語が描かれる。その島では、未亡人の波子(緒川)やその妹の千夏(ともさか)、その夫の文吉(萩原)らが住んでいた。ある日、彼らのもとに謎の男(井上)が現れ……。
井上は、11月6日から11日までの公演が新型コロナウイルスの影響により中止になったことに触れ、「通常でも、新作ですしギリギリの状態でドキドキしながら迎える初日、今回開幕が少し伸びてしまい、お客様に申し訳なかったのですが、遂に迎えられた初日は最高でした」と述べつつ、「KERAさんと前回ご一緒した『陥没』、そしてコロナ禍で本番が出来なかった『桜の園』以来、KERAさんの作品で芝居をするのはやっぱり楽しいな、と改めて感じました。『しびれ雲』は演じながら、笑いながらも心に染みるものがあって、KERAさんは作りたいと仰っていた通りのものを作られ、本当に凄いなと思ってます。『また明日やるのが楽しみだ』と思えるのが幸せな事だし、お客様には胸を張って『良い作品ができました』とお伝えしたい」とコメントした。
KERAは「座長の井上芳雄君は、いつもは帝劇みたいな広い劇場でやっている人ですから、本来のスケール感と全く違う会場で演じているわけですけれど、良くこんなにスッと順応できるなと驚きます」「『しびれ雲』は、10月から年末にかけてを描いています。少々気が早いですが、ご覧になったお客様に、良い年を越せそうだなあと感じて頂けたら嬉しいです」と思いを語った。東京公演は12月4日まで。その後、12月に兵庫・福岡・新潟でも上演される。
井上芳雄 コメント
通常でも、新作ですしギリギリの状態でドキドキしながら迎える初日、今回開幕が少し伸びてしまい、お客様に申し訳なかったのですが、遂に迎えられた初日は最高でした。
今回は大爆笑を狙うような芝居ではありませんが、最初お客様がどっと笑った時、感動して少し涙が出ました。ここまでの道のりを経て、初日の幕が開いて、良い芝居をやらせてもらっていて心底嬉しいです。
また、僕は本多劇場に立つのが初めてですが、客席との距離感や温度感を感じながら、お客様がしっかり観て反応してくださっていることが伝わって来て、教えてもらう事だらけです。
KERAさんと前回ご一緒した「陥没」、そしてコロナ禍で本番が出来なかった「桜の園」以来、KERAさんの作品で芝居をするのはやっぱり楽しいな、と改めて感じました。
「しびれ雲」は演じながら、笑いながらも心に染みるものがあって、KERAさんは作りたいと仰っていた通りのものを作られ、本当に凄いなと思ってます。
「また明日やるのが楽しみだ」と思えるのが幸せな事だし、お客様には胸を張って「良い作品ができました」とお伝えしたいです。
最後まで無事にできるようにと祈りつつ、皆様の健康も祈っています。
ケラリーノ・サンドロヴィッチ コメント
今回は珍しく、姑息に笑わせようとか無闇に緊張させようとかいった狙いが全く無い、真っ直ぐで暖かでささやかな群像劇です。普遍的な人間の営みを描いていて、登場する人々もどこにでもいる平凡な人達。一方、失われてしまった「家族」と言う制度とか型みたいなものも描いています。お客さんはどこかしら自分と重ねる部分があるのではないでしょうか。
そろそろこうした芝居を作っておきたかった。50代最後に皆で創作できたのは幸せです。なので、リラックスして好きに観てもらいたいと思っています。
最終稽古の最後に、キャストには、細かいミスがあったとしても、梟島の人として皆が生きてくれていればきっと良い拍手が貰えるだろうからそれを信じて、というようなことを言ったんですけれども、とても良い拍手だった。お客さんはすごく集中して観て下さっていて嬉しかったです。
座組も新鮮なバランスでとてもいい感じです。座長の井上芳雄君は、いつもは帝劇みたいな広い劇場でやっている人ですから、本来のスケール感と全く違う会場で演じているわけですけれど、良くこんなにスッと順応できるなと驚きます。
今回、チケットを手にしながらも開幕延期でご観劇が叶わなかった7ステージのお客様には、申し訳ない気持ちでいっぱいです。もう少し早く開けられなかったのかという声も聞こえてきましたが、準備不足の杜撰な状態で開幕してしまうというのは僕の本意では無く、そこを貫かせて頂きました。ご理解ください。
「しびれ雲」は、10月から年末にかけてを描いています。少々気が早いですが、ご覧になったお客様に、良い年を越せそうだなあと感じて頂けたら嬉しいです。
※11月6日から11日までの公演は新型コロナウイルスの影響で中止になりました。