第67回岸田國士戯曲賞、加藤拓也&金山寿甲が受賞(コメントあり) (original) (raw)

第67回岸田國士戯曲賞の選考会が本日3月17日に東京・学士会館で行われ、加藤拓也「ドードーが落下する」、金山寿甲「パチンコ(上)」が受賞作に選ばれた。

岸田國士戯曲賞は白水社が主催する戯曲賞。最終候補作品には、2作品に加え、石原燃「彼女たちの断片」、上田久美子「バイオーム」、兼島拓也「ライカムで待っとく」、鎌田順也「かたとき」、中島梓織「薬をもらいにいく薬」、原田ゆう「文、分、異聞」、松村翔子「渇求」の計9作品が選出されており、岩松了岡田利規ケラリーノ・サンドロヴィッチ野田秀樹本谷有希子矢内原美邦が選考委員を務めた。

「ドードーが落下する」について、岩松は「落ちてゆく売れない芸人を扱いながら、その明るさが怖い。その不気味な明るさは人の行為の不気味を生んで秀逸である」とコメント。また、「パチンコ(上)」に関して、本谷は「金山氏の『帰化したら在日ネタできなくなるじゃん』と軽々と言ってのける姿勢に、マイノリティを弱者として扱わせない覚悟を垣間見、すべてをエンタメにしてやろうという作家としての欲深さを感じ取った。何より、世界が勝手に『傷ついているだろう』と思い込んでいる側からの、『いえ、別に傷ついてませんけど?』という返し。ハッとさせられた。作品に頻出する『葛飾区』というワードには、自分が生まれ育った場所からカウンターストーリーを生み出してやろうという野心が見て取れる。全候補作のなかで、唯一ストリート感が匂い立ち、私はそういう作品を支持したいと思った。受賞、おめでとうございます」と評した。

授賞式は4月25日に学士会館で行われ、受賞者には正賞として時計、副賞として30万円が贈られる。

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