【会見レポート】「アルジャーノンに花束を」明日開幕、チャーリイ役の浦井健治「初めましての役として向き合う」(舞台写真あり) (original) (raw)

「アルジャーノンに花束を」明日開幕、チャーリイ役の浦井健治「初めましての役として向き合う」

2023年4月26日 20:25 10

ミュージカル「アルジャーノンに花束を」が明日4月27日に東京・日本青年館ホールで開幕。これに先駆け本日26日に囲み取材会とゲネプロが行われた。

本作は、ダニエル・キイスが1959年に発表した小説「アルジャーノンに花束を」を原作としたミュージカル作品。チャーリイ・ゴードン役で主演を務める浦井健治は、2006年の初演時に菊田一夫演劇賞、2014年公演で読売演劇大賞最優秀男優賞に輝いた。今回は上島雪夫が演出を担う。

会見には浦井のほか、東山義久北翔海莉が出席した。本作に約9年ぶり3度目の出演となる浦井は、「初演からみんなで紡いできた気持ちを、今回のお稽古場からもたくさん感じて、感無量です」とあいさつし、「演出家、キャストの一部が変わっていることもあり、今回は(チャーリイに)初めましての役として向き合うことを大切にしました。稽古場では、今回のバージョンをみんなで作ることの素晴らしさを感じました」と感慨深い様子を見せる。

本作に初参加となる東山は「過去作でストラウス博士を演じた戸井(勝海)さんと宮川(浩)さんは、僕とタイプがまったく違う。ストラウス博士役のほかにもパン屋のドナーさんやチャーリイのお父さん役も演じるのですが、僕の場合はどう考えても(浦井の父役には)見えない(笑)。そこが難しいですが、見せ場の1つとなれば良いなと思っています」と意気込む。

北翔は「浦井さんの代表作でもありますのでプレッシャーがありましたが、浦井さんをはじめ、出演者の皆さんも上島さんも温かい方々が集まっていて溶け込みやすく、良い稽古期間を過ごせました。観客の皆さんにも早く温かさをお届けしたい」と笑顔を見せ、自身が演じるアリス・キニアン先生については「チャーリイをいつも正しく見守る“ブレない人”“裏切らない人”というのを自分のテーマとし、役に挑んでいます。いろいろなシーンで葛藤が生まれますが、強い女を演じ切りたい」と語る。

そんな東山と北翔に対し、浦井は「お二人は芝居の枠を超えたまなざしで包んでくれる」と言いながら改まって謝辞を述べ、特にアリスとチャーリイのシーンについては「北翔さんは涙を流して感情を伝えてくれるので、自分がチャーリイとして存在するための大きな存在」だと振り返る。さらに東山については「DIAMOND☆DOGSのリーダーの東山さんは、今回の稽古場でもみんなからリーダーと呼ばれ、頼もしい存在。切ない物語なので落ち込んでしまいがちですが、扇動してみんなを盛り上げてくれる」「劇中でも父性を発揮し、チャーリイやアルジャーノンを包み込んでくれます」と語った。

続いて、これまで本作で荻田浩一の演出版を経験してきた浦井は、上島演出版の新しさについて「上島さんは振付家としても活動されていて、義くん(東山)とは一緒に踊っていたプレイヤーでもある。ショーアップやダンスで魅せる演出が、荻田さんのときとは異なる部分」と話す。東山は「荻田さんの演出版をすべて観ていますが、今回はよりチャーリイが物語の中で“立って”いて、キャストみんなでチャーリイを編んでいくという印象」、北翔は「舞台装置も照明も、総合芸術という言葉がふさわしいのかな。ストーリー内の設定が、次々と舞台上に明確に作られていくのが面白いです」とそれぞれ説明した。

最後に浦井は、「『アルジャーノンに花束を』はいろいろな色の花束のような作品だと思います。懐の深い作品なので、どんな人生を背負ってきた人でも、自分の人生を投影して学びが得られると感じています。観終わったあとに希望にあふれる作品になるように、今回のメンバーでがんばっていきますのでよろしくお願いします」と笑顔で呼びかけた。

上演時間は休憩含む約2時間45分。東京公演は5月7日まで行われ、その後13・14日に大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールで上演される。

ミュージカル「アルジャーノンに花束を」

2023年4月27日(木)~5月7日(日)
東京都 日本青年館ホール

2023年5月13日(土)・14日(日)
大阪府 COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール

原作:ダニエル・キイス「アルジャーノンに花束を」(ハヤカワ文庫)
脚本・作詞・オリジナル演出:荻田浩一
演出・振付:上島雪夫
音楽:斉藤恒芳

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(c)ミュージカル『アルジャーノンに花束を』実行委員会