大竹しのぶは“怖い”?薮宏太「怖くないです!」 (original) (raw)
座長・大竹しのぶは“怖い”?薮宏太は「僕はまったく怖くないです!」と発言し褒められる
2023年9月2日 4:00 13
大竹しのぶが主演を務める「ふるあめりかに袖はぬらさじ」が、本日9月2日に東京・新橋演舞場で開幕。これに先駆け、昨日1日に囲み取材と公開ゲネプロが行われた。
「ふるあめりかに袖はぬらさじ」は、有吉佐和子が1972年に発表した戯曲。劇中では、開国派か攘夷派かで揺れる、幕末の横浜にあった遊廓・岩亀楼を舞台にした物語が展開する。演出を齋藤雅文が担い、出演者には大竹のほか、薮宏太(Hey! Say! JUMP)、美村里江、山口馬木也、前川泰之、徳井優、風間杜夫らが名を連ねた。
芸者・お園(大竹)の旧知の仲である花魁・亀遊(美村)は、通訳の藤吉(薮)と恋仲だったが、アメリカ人・イルウス(前川)への身請け話が決まってしまう。自身の恋が成就しないことを嘆いた亀遊は自害するが、その死は“異人に身体を許すならば自ら命を絶つことを選んだ攘夷女郎”と、異なる事実で尊王攘夷派からもてはやされ……。
囲み取材には、大竹、薮、美村、山口、前川、徳井、風間が出席。文学座での初演では杉村春子が演じ、また坂東玉三郎や水谷八重子らも演じてきたお園役に、今回初めて挑む大竹は「とにかく、セリフもストーリーも面白く、笑って泣けて考えさせられる作品。“芝居の本来の力”を持っている」と作品の魅力に触れる。さらに「大好きな新橋演舞場、そしてこの素晴らしい舞台美術の中で、お芝居ができることに喜びを感じています」と微笑んだ。
薮は「(作品の舞台は)娯楽も情報も少ない激動の時代で、現代と異なる部分はありますが、“今を精一杯生きる”というテーマは今に通ずるかと。そこがお客様に伝われば」と言葉に力を込め、美村も「演じていて『この時代はこうだったんだ』と思う反面、『あれ、今と変わらないぞ』と思う部分もあって。“何があっても人は生きていかないといけない”という部分は、現代に共通しているのでは」と話した。
風間は「有吉佐和子さんの素晴らしい脚本を、齋藤先生の丁寧でデリケートな演出、そして舞台美術や音響・照明、生演奏の音楽などが合わさり、情感あふれる、豪華なお芝居になりました」と作品に自信を見せつつ、「私は岩亀楼の主を演じますが、可哀想な遊女を金儲けのために異人に売ってしまおうとする、言ってしまえば事件の発端となる人物です。悪役ではありますが、楽しんで演じたい」と語った。
囲み取材では、徳井と山口が、口をそろえて大竹を“怖い”と評し、大竹が「なんで!」と声を上げる一幕も。山口はその理由を「大竹さんは、普段の優しい雰囲気と、舞台に立ってスイッチが入ったときが全然違って。それを観ていると、同じ俳優として、自分も果たして“そっち側”に行けるのだろうか、と怖くなるんです。リアルに怖いわけではありません!」と説明。風間も「しのぶちゃんは、さっきまで『眠いなあ』とか言っていたのに、舞台に立つとギアが入る。そのへんが怖いですよね(笑)」と同意し、会場の笑いを誘った。
この流れで、薮が「大竹さんのこと、僕はまったく怖くないです!」と話すと、大竹はすかさず「えらい、いいぞ!」と薮を褒める。薮は、稽古場での大竹の様子を「セリフのイントネーションや強さ、視線の位置など、いろいろな角度から演技についてアドバイスをしてくださって。でも、無理強いするわけではなく、『そういうやり方もあるよ』というスタンスでいてくださるんです。本当に頭が上がりません」と絶賛。美村もうなずきながら「大竹さんは、稽古が終わったあとも練習に付き合ってくださる。足りなければ、いくらでも教えてくださるんです。教えていただいた蓄積を舞台で出せるようにしたい」と意気込みを述べた。
最後に観客へのメッセージを求められた大竹は「本当に面白い作品なので、たくさんの方に観ていただき、この作品がずっと続いていければ、と心から思っています。そのためには私たちが良い芝居をしなくてはいけません。一生懸命がんばります」と語り、囲み取材を締めくくった。公演は9月26日まで。
ステージナタリーでは、「ふるあめりかに袖はぬらさじ」の特集を展開中。本特集では大竹が、自身が演じるお園役への思いや、作品の魅力を語っている。
新橋演舞場9月公演「ふるあめりかに袖はぬらさじ」
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