【会見レポート】言葉を信じてまっすぐに、高杉真宙・藤野涼子「ロミオとジュリエット」間もなく開幕(舞台写真あり) (original) (raw)

言葉を信じてまっすぐに、高杉真宙・藤野涼子「ロミオとジュリエット」間もなく開幕

2023年9月12日 20:00 41

高杉真宙藤野涼子が出演する「ロミオとジュリエット」が、明日9月13日に東京・よみうりホールで開幕。これに先駆け本日12日に囲み取材が行われた。

本公演は、ウィリアム・シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」を、松岡和子の翻訳、井上尊晶の演出で立ち上げるもの。囲み取材にはロミオ役の高杉と、ジュリエット役の藤野、そして演出の井上が出席した。

「シェイクスピア作品に挑むにあたって気を付けていることは?」と記者に質問されると、高杉は「どこもかしこも気を付けています」と笑いつつ、「尊晶さんから『言葉を信じることを大切に』と言われたことを常に心に留めています。やはりセリフを大事にしたいですね」と言葉に力を込める。藤野も「シェイクスピアは『好き』という1つの気持ちを、何十行もの長い言葉で表します。ただセリフを並べるのではなく、1つひとつのフレーズに対して自分なりにイメージを持って発することを意識しています」と続けた。

「ロミオとジュリエット」には数々の名シーンや名ゼリフがある。これについて記者から「難しかったシーンは?」と質問されると、高杉は「有名すぎるセリフがいろいろあるので、最初はドギマギしていました。でも今はそういうセリフも自分のものになっていると思います」と自信をのぞかせる。続く藤野は「『おおロミオ、どうしてあなたはロミオなの』というセリフはやっぱり緊張します……(笑)」と打ち明けて報道陣を和ませつつ、「多くの方々がジュリエットを演じてきた中で『自分にはどういう風にこれが言えるだろう』と悩みました。でも今はセリフを通じて、ロミオへの思いをしっかり表現したいと思っています」と笑顔を浮かべた。

故・蜷川幸雄のアシスタントを長年務めてきた井上は、蜷川のもとで「ロミオとジュリエット」の公演に複数回携わってきた。井上は「この物語には、ロミオとジュリエットを中心に、家族愛や友愛など、いろいろな愛が詰め込まれています。2人はさまざまな愛に支えられたり、抗ったりしながら、お互いを選び取って純粋な愛に向かっていく。そういった作品になることを目指しています」と語る。また高杉と藤野については「失敗を恐れず、果敢に挑戦してくれる方たち。たくさんの壁にぶつかっていると思います。でもぶつかって倒れたら私が助けますし、この2人なら壁を乗り越えられるはず」と信頼を寄せた。

藤野は「新しい『ロミオとジュリエット』を見つけたい」と言い、「共演者の皆さんがセリフやダンスを通して、エネルギーを放出しています。私たちが放つパワーをお客様に受け取ってほしい」と、初日に向けて改めてあいさつ。また高杉は「正直に言うと、劇場で稽古していても、どんな舞台になるか見えていません。『自分は今それくらい夢中なんだ』とポジティブに捉えています」と明かし、「僕らの『ロミオとジュリエット』をまっすぐに届けたい。僕がロミオで、藤野さんがジュリエット。お客様にそのことをしっかり感じてもらえるように演じたいです」と囲み取材を締めくくった。

東京公演は9月24日まで。その後、9月29日から10月1日まで大阪・森ノ宮ピロティホール、7・8日に富山・富山県民会館 ホール、14・15日に愛知・東海市芸術劇場 大ホール、21・22日に福岡・キャナルシティ劇場、28・29日に宮城・電力ホールでも上演される。

「ロミオとジュリエット」

※井上百合子はスウィングを兼任。

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※2023年9月19日追記:9月19・20日公演は中止になりました。