歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」開幕 (original) (raw)
歌舞伎座新開場十周年「吉例顔見世大歌舞伎」が、去る11月2日に東京・歌舞伎座で開幕した。
昼の部では、「極付印度伝 マハーバーラタ戦記」が上演される。本作は2017年に初演され、今回は初演に続き脚本を青木豪、演出を宮城聰が担い、また尾上菊之助が主人公・迦楼奈と滅びの神・シヴァ神の2役を演じる。作中では、仏の分身・那羅延天に扮した尾上菊五郎、シヴァ神に扮した菊之助、そして富の神・ガネーシャに扮した尾上丑之助と、親子孫三代が共演するシーンが展開。さらに本作では、共に中村米吉演じる汲手姫の子供であり、ライバルでもある、菊之助演じる迦楼奈と中村隼人演じる阿龍樹雷王子による激しい立廻りや、迦楼奈役の菊之助と我斗風鬼写役の丑之助による親子の立廻りといった華やかな見せ場が続き、観客を圧倒した。
夜の部の上演演目には、「秀山十種の内 松浦の太鼓」「鎌倉三代記」「顔見世季花姿繪」が並んだ。片岡仁左衛門が愛嬌たっぷりに松浦鎮信を演じる「松浦の太鼓」では、尾上松緑が赤穂浪士の大高源吾役、米吉が源吾の妹お縫役、中村歌六が宝井其角役を担う。「鎌倉三代記」では、中村時蔵と中村梅枝の親子が、三浦之助義村と時姫をそれぞれ初役で勤める。「顔見世季花姿繪」は、舞踊三題で構成されており、「春調娘七種」には曽我五郎役で中村種之助、静御前役で尾上左近、曽我十郎役で市川染五郎、「三社祭」には悪玉役で坂東巳之助、善玉役で尾上右近が出演。「教草吉原雀」では、中村又五郎が鳥売りの男実は雀の精、中村歌昇が鳥刺し実は鷹狩の侍、片岡孝太郎が鳥売りの女実は雀の精を勤める。公演は11月2日から25日まで東京・歌舞伎座にて。
なお、ステージナタリーでは「吉例顔見世大歌舞伎」の特集を展開中。「マハーバーラタ戦記」に出演する、菊之助、米吉、隼人に、再演に向けた意気込みを語ってもらった。
この記事の画像(全1件)
歌舞伎座新開場十周年「吉例顔見世大歌舞伎」
2023年11月2日(木)~25日(土)
東京都 歌舞伎座
昼の部
「極付印度伝 マハーバーラタ戦記」
夜の部
一、「秀山十種の内 松浦の太鼓」
出演
松浦鎮信:片岡仁左衛門
大高源吾:尾上松緑
近習鵜飼左司馬:市川猿弥
同 江川文太夫:中村隼人
同 渕部市右衛門:中村鷹之資
同 里見幾之丞:中村吉之丞
同 早瀬近吾:市村橘太郎
門番平内:片岡松之助
お縫:中村米吉
宝井其角:中村歌六
二、「鎌倉三代記」
出演
三浦之助義村:中村時蔵
時姫:中村梅枝
おくる:市川高麗蔵
阿波の局:中村歌女之丞
讃岐の局:中村梅花
富田六郎:中村松江
母長門:中村東蔵
佐々木高綱:中村芝翫
三、「顔見世季花姿繪」
全文を表示
※初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
無断転載禁止