明日開幕に愛之助「“そのもの”でございます」 (original) (raw)
新作歌舞伎「流白浪燦星」明日スタート!片岡愛之助は「“そのもの”でございます」と自信
2023年12月4日 23:50 14
新作歌舞伎「流白浪燦星(ルパン三世)」が明日12月5日に東京・新橋演舞場にて開幕。それに先駆け本日4日に初日前挨拶と公開舞台稽古が行われた。
「流白浪燦星(ルパン三世)」は、マンガやテレビアニメなどで展開されてきたモンキー・パンチ原作の人気シリーズを元にした新作歌舞伎。劇中ではオリジナルストーリーが展開し、安土桃山時代を舞台に、国宝級の秘宝“卑弥呼の金印”を巡り、怪盗・ルパン三世とその仲間・次元大介、大盗賊・石川五ェ門が激しい闘いを繰り広げる。“卑弥呼の金印”の封印を解くには、雄龍丸と雌龍丸という2本の宝剣が必要で、金印と宝剣がそろったときに世を統べる力を得られるとされていた。しかし、ルパンや石川五ェ門だけでなく、天下人・真柴久吉も金印を探していて……。
劇中では、登場人物たちが和装に身を包んで登場すると、アニメ版でおなじみの各キャラクターのメロディが和楽器で演奏され、観客を一気に「流白浪燦星(ルパン三世)」の劇世界へといざなう。ルパン三世と石川五ェ門のどちらが大盗賊かという派手な闘いや、銭形警部の捕り縄を使った大捕り物、ルパンによる変わり身の演出などは豪快かつ爽快で、歌舞伎と「ルパン三世」が見事に融合。2幕ラストには本水を使った立廻りが物語を盛り上げた。また、つづらを背負って飛んでいく歌舞伎「石川五右衛門」をパロディにしたシーンや現代の時事ネタ・芸能ネタを盛り込んだセリフで新作歌舞伎としての柔軟性を示し、歌舞伎への親しみの有無に関わらず楽しめるよう、エンタメ色たっぷりに立ち上げられている。
ルパン三世役の愛之助は、多くがアニメ版にイメージするルパン三世の浮遊感のあるセリフ回しに寄せて、ルパンの軽快さを体現。一方で仲間を思い、財宝を手際よく奪っていく姿は頼もしさを感じさせ、主人公然たる輝きを放った。そんなルパンを支える次元大介役の市川笑三郎は静かに現れ窮地を救う、ガンマンの“クールぶり”をきっちりと体現。峰不二子役の市川笑也もミステリアスさとあでやかにルパンをあしらう様子が役に似合った。市川中車は因縁のライバル・ルパンを追う銭形警部を客席からの笑いを誘いながら好演。また、石川五ェ門役の松也は“大泥棒”をどっしりと演じ、尾上右近扮する傾城糸星との場面では恋の切なさも体現した。
初日前挨拶には、片岡愛之助と尾上松也が登壇。愛之助は初日を前に「手応えはバッチリ。皆様がマンガやアニメで親しまれている『ルパン三世』“そのもの”でございます。ストーリーは華やかさに富み、笑いあり涙あり。古典と思われるかもしれないくらい、世界観がうまく織り混ざっている」と自信をのぞかせる。また、脚本・演出の戸部和久と話し合いを重ねて作ったとし、本水の使用を自ら志願したものの「昨日、水に入ったらえらい寒くて。12月の公演だし、『言うんじゃなかった!』と思ったんですけど(笑)、それに勝る熱い舞台が繰り広げられます」と胸を張る。
一方、松也は「このメンバーで新作歌舞伎をご一緒できるのはうれしいですし、歌舞伎ファンにとってもレアな座組みになるのではないかなと思います。石川五ェ門は、ルパン一味のほかのメンバーと比べるとなじみやすい感覚がありますが、僕が思う石川五ェ門、そして歌舞伎に出てくる五右衛門とのリンク性を意識して作りましたので、楽しみにしていただければ」と期待をあおった。さらに、「歌舞伎の歴史の新たな仲間となる作品だと思っています。初めての方にも歌舞伎をご愛顧くださっている方にも楽しんでいただけるように一生懸命勤めております。劇場にてお待ちしております」とアピールした。
最後に愛之助が「『ルパン三世』のファンの方々にぜひ観ていただきたいです。安土桃山時代の中にルパン一味がいたらどうなるのか。皆様の期待を裏切らない、名ゼリフ、名場面がございます。千秋楽まで一丸となってがんばっていきたいと思います」と語り、初日前挨拶を締めくくった。上演時間は休憩を含む約3時間30分。公演は12月25日まで。
新作歌舞伎「流白浪燦星(ルパン三世)」
2023年12月5日(火)~25日(月)
東京都 新橋演舞場
脚本・演出:戸部和久
作曲(オリジナルテーマ):大野雄二
振付:藤間勘十郎
出演
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