「ライカムで待っとく」再演が4都市ツアー、新キャストに中山祐一朗・佐久本宝 (original) (raw)

2022年に上演されたKAAT神奈川芸術劇場プロデュース「ライカムで待っとく」が、5月から6月にかけて神奈川・京都・福岡・沖縄で再演される。

本作は、沖縄本土復帰50年となった2022年に、沖縄在住の若手劇作家・兼島拓也が書き下ろし、沖縄にルーツを持つ田中麻衣子の演出で上演された作品。初演時、第30回読売演劇大賞優秀作品賞受賞、第26回鶴屋南北戯曲賞ノミネート、第67回岸田國士戯曲賞最終候補作に選出されるなど注目を集めた。

本作では、アメリカ占領下の沖縄で起こった1964年の米兵殺傷事件を基に書かれた伊佐千尋のノンフィクション「逆転」をもとにした物語が展開。雑誌記者の浅野悠一郎は60年前に起きた米兵殺傷事件について調べることになるが、実はその容疑者が自分の妻の祖父だったことを知り……。

上演に向けて兼島は「この作品を再演することができ、とても光栄です」と喜びを述べ、「私が住むここ沖縄は、相変わらず『決まり』が覆ることもなく、粛々と、そして堂々と、物事は進んでいきます」「本土復帰50年というお祭りも終わり、変わらず嫌な方へと変わり続ける世界の中に、この作品が何かしらの影響をもたらしてくれたらと願いますが、まあ、どうなんでしょう」と思いを述べる。田中は「兼島さんのセリフを先頭に、皆で、一層、熱気を帯びたものにしたいと思っています。歌って踊ってお酒を飲んで三線弾いて、集まっておしゃべりすることが大好きな登場人物たちを、ぜひ観に来てください」と観客にメッセージを送った。

なおキャストには、初演にも出演したあめくみちこ蔵下穂波神田青、前田一世、小川ゲン魏涼子のほか、中山祐一朗佐久本宝が新たに名を連ねた。公演は5月24日から6月2日まで神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 中スタジオ、6月7・8日に京都・ロームシアター京都 サウスホール、15日に福岡・久留米シティプラザ 久留米座、22・23日に沖縄・那覇文化芸術劇場なはーと 小劇場で行われ、神奈川公演は3月2日に一般前売りをスタートする。また神奈川公演初日の5月24日には兼島、田中、KAAT神奈川芸術劇場の芸術監督・長塚圭史が登壇するアフタートークが行われる。

兼島拓也コメント

この作品を再演することができ、とても光栄です。初演から2年、ウクライナでの悲劇は未だ収束せず、あらたにガザ地区でも見るに堪えない事態が勃発し、心が苦しくなるばかりです。私が住むここ沖縄は、相変わらず「決まり」が覆ることもなく、粛々と、そして堂々と、物事は進んでいきます。先日屋久島沖でオスプレイが墜落した後、同じ機体たちは1週間ほど何事もなく飛び続け、休憩に入りました。この文章が公開される頃には、優雅に、気持ちよく飛び回っているでしょう。本土復帰50年というお祭りも終わり、変わらず嫌な方へと変わり続ける世界の中に、この作品が何かしらの影響をもたらしてくれたらと願いますが、まあ、どうなんでしょう。

田中麻衣子コメント

沖縄本土復帰50年の冬に上演した「ライカム~」の再演です。兼島さんのセリフを先頭に、皆で、一層、熱気を帯びたものにしたいと思っています。歌って踊ってお酒を飲んで三線弾いて、集まっておしゃべりすることが大好きな登場人物たちを、ぜひ観に来てください。沖縄と神奈川、1964年と2024年、あっち側とこっち側、、突きつけられる現実を、劇場で体感してください。

KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「ライカムで待っとく」

2024年5月24日(金)~6月2日(日)
神奈川県 KAAT神奈川芸術劇場 中スタジオ

2024年6月7日(金)・8日(土)
京都府 ロームシアター京都 サウスホール

2024年6月15日(土)
福岡県 久留米シティプラザ 久留米座

2024年6月22日(土)・23日(日)
沖縄県 那覇文化芸術劇場なはーと 小劇場

作:兼島拓也
演出:田中麻衣子
出演:中山祐一朗、前田一世、佐久本宝蔵下穂波小川ゲン神田青魏涼子あめくみちこ

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