文学座アトリエの会「アンドーラ」 (original) (raw)
文学座アトリエの会「アンドーラ 十二場からなる戯曲」演出は西本由香
2024年1月28日 15:44 2
文学座3月アトリエの会「アンドーラ 十二場からなる戯曲」が、3月11日から26日まで東京・文学座アトリエで上演される。
「アンドーラ 十二場からなる戯曲」は、スイスの劇作家にして小説家のマックス・フリッシュによる作品。本公演では訳を長田紫乃、演出を西本由香が務め、架空の国・アンドーラを舞台にした物語が展開する。隣国の黒い国でユダヤ人が虐殺されているさなか、ある教師に救い出されたアンドリは、教師夫妻とその娘・バブリーンのもと、敬虔なキリスト教国であるアンドーラで暮らしていた。ある日アンドリとバブリーンは「結婚したい」と教師に切り出すが、教師は激昂して許さない。「自分がユダヤ人であるからだ」と悲嘆に暮れるアンドリのもとに、黒い国からある女性が訪れ……。
演出の西本は「この作品は寓話であり、舞台も架空の国である。しかし、そこで描かれる出来事は、私たちが明日にでも直面すること、いや今も知らず知らずのうちに見過ごしている、ごく身近な、すぐそこにあるものなのではないだろうか」とコメントしている。
西本由香コメント
平和な日常と地続きで戦争はある。日々そのことを実感するようになってきた。それでもまだそれは対岸の火事である。本当に自分たちが選択を迫られた時にどう行動できるのだろうか。私たちは弱く、自らの生活を守ることと、正しくあり続けることを両立するのは難しい。それでも、その時のために考え続けること。遠くの不正を追求することよりも、身近な隣人に誠実であり続けることがずっと難しいと自覚すること。自分の中にある恐れと弱さ、ずるさに自覚的になること。この作品は寓話であり、舞台も架空の国である。しかし、そこで描かれる出来事は、私たちが明日にでも直面すること、いや今も知らず知らずのうちに見過ごしている、ごく身近な、すぐそこにあるものなのではないだろうか。
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文学座3月アトリエの会「アンドーラ 十二場からなる戯曲」
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