伝説のリトルバスケ、本公演が開幕 (original) (raw)
ミュージカル「伝説のリトルバスケットボール団」が本日2月15日に東京・草月ホールで開幕。初日公演を前に囲み取材が行われた。
パク・ヘリムが作劇、ファン・イェスルが作曲を手がける「伝説のリトルバスケットボール団」は、韓国発のオリジナルミュージカル。TETSUHARUが演出・振付、私オムが日本語上演台本・訳詞を担当する今回の日本初演では、約半年前となる昨年7月27日に1日限りのプレビュー公演が行われていた。劇中では、クラスメイトから無視され、居場所をなくした高校生のスヒョンが、ひょんなことから3人の幽霊高校生と出会い、バスケットボールを通じて交流を深めながら、一歩踏み出す様子が描かれる。囲み取材には、出演者の橋本祥平、梅津瑞樹、糸川耀士郎、吉高志音、太田将熙、平野良が登壇。「アニョハセヨ」という橋本のあいさつを皮切りに、それぞれが本公演への思いを語った。
スヒョン役の橋本は「あっという間に初日を迎え、月日が流れる早さを感じています。でも、半年前の感覚が身体に染み付いていて、開幕まで歌稽古や本稽古で準備をしながら成熟されていくような感覚があり、今は最高に仕上がっている状態です」と自信をのぞかせる。
梅津は衣裳のビブスを身に着けながら「脇がヒリヒリして。これも久しぶりの感覚」とコメント。「前回は皆、どんな人間性かを知らずに一致団結していたところがありましたが、今回は知ったうえで臨めるので、遊びがあるシーンでも信頼感が増しています。この物語は後半にとんでもない急降下や急上昇があって、日本の物語の構造とは違う感覚がするかもしれませんが、お客さんにはぜひ“乗っかって”楽しんでもらい、あり得たかもしれない青春感を分かち合えたら」と語った。
「ミュージカルもお芝居もバスケも全部好きなので、ご褒美のような時間が続くと思うと楽しみ」と語るのは糸川。半年前に比べ、自身のミュージカル出演が増えたとし、「僕の中で楽曲に対する考え方が変わって、前回とは歌詞や曲への向き合い方が違います。ぜひそこに注目してもらいたいですし、何よりこの作品をこのメンバーでお届けできるという充実感があるので、劇場で感じていただきたいです」と期待をあおる。
吉高は「ついに俺たちの力を見せつけるときが来た、という思いでいます!」と宣言し、登壇者の視線を集める。また、温かさにあふれた稽古場での様子を振り返りつつ、「同じクラスの仲間のように関係性が深まりました。僕としても前回できなかったことにトライしているので、楽しいです。キラキラした作品ですが、お客さんには終演後にさまざまな思いを持ち帰ってもらいたい。僕たちはただ『怖がらず信じてただやるだけ』です」と力強くアピールした。
太田は、本公演では「さまざまなチャレンジを経て削ぎ落とされ、見やすくなった部分もある」と言い、「僕が演じるサンテという役は、プレビュー公演とは違う感じになっているので、お客さんにどう受け取ってもらえるか楽しみです。それに、プレビュー公演から本公演までの間に韓国への理解が深まって。お芝居もソリッドになりました。セリフの発音もどこか変わっているかもしれません」と冗談めかした。
平野はこの半年間で変わったことについて、「1人の夜を重ねて強くなった」と切り出し、周囲の笑いを誘う。その意味を問われると、「この作品は、青春のまぶしさを描いていたり、止まっていた時間が動き出したりする様子を描いています。あえて(舞台上で)表現しなくても、半年間1人の夜を重ねて得た孤独や少しの勇気が、実感として“しゅん”で(染みて)、生かされるのではないか」と答えた。
最後に橋本が、昨年のプレビュー公演を韓国の公演関係者や俳優たちが観に来てくれたことを話し、劇中で象徴的に使われるホイッスルのように、「韓国の公演チームから受け継いだ思いと作品の素敵さを伝えて、この先につなげていけるような舞台にしたいです。公演に関わる皆さんの愛が深いので、全力でその愛に応えて作品を守り、届けたいと思いますので、皆様のご声援をよろしくお願いします」と投げかけ、場を締めくくった。
上演時間は約2時間。東京公演は2月25日まで。その後、3月2・3日に大阪・松下IMPホールでも上演される。
ミュージカル「伝説のリトルバスケットボール団」本公演
2024年2月15日(木)~25日(日)
東京都 草月ホール
2024年3月2日(土)・3日(日)
大阪府 松下IMPホール
作:パク・ヘリム
作曲:ファン・イェスル
オリジナルプロダクション:アンサン文化財団、IM Culture
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※2024年2月20日追記:2月20・21日公演は出演者の体調不良により中止になりました。