serial number新作「神話、夜の果ての」 (original) (raw)
「serial number11『神話、夜の果ての』」が7月5日から14日まで東京・東京芸術劇場 シアターウエストで上演される。
詩森ろばが作・演出を手がける本作は、serial numberの第11回公演。劇中では、架空の宗教施設とそこで育った子供たちの姿を通して、“信仰”が一線を越えてカルト化し、暴力へと転じていく様が描かれる。詩森は本作について、1995年の地下鉄サリン事件や自身の幼少期の体験について挙げ、「書かなきゃいけないんじゃないか、と思いました」「寄る辺ない夜、母が恋しくて自分の身体を傷つけていないと保てなかった子供や、朝、満員電車の中で、ビニール袋に傘を突き立てた若者が、わたしがどこかで捨ててきたもうひとりの自分なのだとしたら。わたしは書こうと思います。山奥にある『ニューヘイブン』という架空の宗教施設、そこで育った子供たちの物語を」と述べた。
出演者には、坂本慶介、川島鈴遥、田中亨、杉木隆幸、廣川三憲が名を連ねる。チケットの一般販売は5月19日10:00より開始される。
詩森ろばコメント
神を持つという生活をしたことがありません。なので1995年に起った事件に足元が崩れ落ちるような衝撃を受けました。高校の同級生にいそうな同世代の頭のよい、優し気な若者たちが起こした無差別テロ事件。しかし演劇にすることもなく30年はあっという間に過ぎました。そこにまたひとつの衝撃的な事件が起こりました。書かなきゃいけないんじゃないか、と思いました。
と同時に、何十年も前に、うちの母と祖母が、不思議な集会に出ていた姿を不意に思い出したのです。たくさんのひとが泣きながら自分を救ってくれた奇蹟の話をしていた。小学生のわたしはその様子を窓の向こうがわから見ていた。
「ムカンケイナンカジャナカッタジャナイカ」
寄る辺ない夜、母が恋しくて自分の身体を傷つけていないと保てなかった子供や、朝、満員電車の中で、ビニール袋に傘を突き立てた若者が、わたしがどこかで捨ててきたもうひとりの自分なのだとしたら。わたしは書こうと思います。
山奥にある「ニューヘイブン」という架空の宗教施設、そこで育った子供たちの物語を。
serial number11「神話、夜の果ての」
2024年7月5日(金)~14日(日) ※公演終了
東京都 東京芸術劇場 シアターウエスト
スタッフ
作・演出:詩森ろば
出演
坂本慶介 / 川島鈴遥 / 田中亨 / 杉木隆幸 / 廣川三憲
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